ギョンがガンヒョンを追い掛けて居なくなったカフェに俺とチェギョンがテーブルに越しに向かい合っている こんな風に2人になるのは・・・初めてかもしれない。 さっきまで、からかっていたが急に2人と言う事を意識して、俺は1人居心地が悪い 騒ぎ出す鼓動を悟られないように、ふざけてチェギョンに話を振る 「しかし、妃殿下はお優しいんですね? ギョンにシンの前で昔の恋を暴露されたのに許すなんて」 「昔の恋って、そんなんじゃないもん。憧れとかそんな感情だから、恋とは呼べないわ」 「でも、シンには許せなかったんじゃないか? だから…」 ニヤって笑い俺は自分の耳の後ろを指差す 「え! やだ」 チェギョンは小さく呟いて顔を真っ赤にして両手で覆った ホント、この妃殿下はシンの言う通りコロコロ表情が変わって面白い 「シンの気持ちも解るけどな」 「え?」 手の隙間から眼を覗かせるチェギョン 「男ってさ、好きな女の過去が気になって、その過去までも自分のモンにしたくなるんだよ」 「それは女の子も同じよ!」 「ん?」 「好きな人の過去が気になって、その過去に嫉妬したり、悲しくなったり…過去までも自分でいっぱいにして欲しくなる…」 言いながらチェギョンの表情は曇り、不安気に目が揺れている きっと、思い出したんだろ あの頃、シンの傍に居た女の事を… 「ごめん、俺、嫌な事思い出させたよ…な」 「ううん。大丈夫…」 無理矢理笑うチェギョン その顔を見たら、なんだかもっと意地悪をしたくなった 「ヒョリンの事、まだ気になる?」 チェギョンは小さく息を吐き答えた 「気にならないって言ったら嘘になるわ。ヒョリンの事やいろんなことがあったから今の幸せな私達がいる。でも、まだ、笑って話せるか程昔話にはなっていないかも…」 「ヒョリンを許せない気持ちはある?」 「まさか!あの時も今もそんな気持ちないわ。ヒョリンも笑っていて欲しいと思う。幸せでいて欲しいと思う」 両手をキュッと握ってゆっくり話すチェギョンは優しく穏やかな雰囲気で嘘ではなく本音なのがわかる 数年前、あんなに苦しめられた相手をこんな風に言えるなんて… ああ、やっぱりチェギョンは国母に相応しいんだ…と改めて思った 「チェギョン、お前はやっぱりすごいよ」 「そうかな?…イン君はどうなの? ヒョリンの事」 「俺? 俺は…あの時にキッパリ終わってる」 「そうなんだ?」 「なに? 不思議?」 「うん。イン君モテるのに今も彼女作らないのはてっきりまだ…」 「ないない。2年前にキッパリ自分の気持ちに蹴り付けてる」 「じゃあ、なんで彼女作らないの?」 「ん? それは」 俺を見るチェギョンと視線が絡む 見つめあったまま、動けない俺 彼女を作らない理由… それは… 「 」 俺が言おうと口を動かした、その時ー・・・ ゴンッ!! 鈍い音と共に頭に衝撃が走った 「イタッ!! 誰だ!?」 振り向いて怒鳴りつけた俺の目の前にー・・・ 「イン。お前、チェギョンと見つめ合ってどうした?」 冷ややかな視線を落とすシンが立っていた 「シン君、カバンで…」 チェギョンが驚いて目を見開いている カバン?! 「シンお前、まさか、カバンで俺の頭を」 「ああ、すまない。咄嗟にカバンが出た」 悪びれもなく言うシンはチェギョンの隣に腰を下ろした 咄嗟にって、普通は咄嗟にカバンは出ないだろ? お前、最初からカバンで叩く気だったんだろうが… 「なに イン? シンのいない間にチェギョンを口説いてたの?」 シンの隣で大笑いしているファンが恐ろしい事を言った 「バカ言うなよ。恐れ多くて妃殿下を口説けるか」 「恐れ多くなかったら口説くのか?」 「おいおい、シン。俺にまで嫉妬するなよ。ファン行こうぜ。皇太子夫婦の邪魔をしたらどうなるか…」 「ああ。シンなら護衛に突き出すかもしれないね」 俺達はふざけて笑いあった。 「邪魔者は消えるので、ごゆっくり」 ファンと肩を並べ歩き出す 「あ!」 俺は何かを思い出したように振り返り、シンに向け、自分の耳の後ろを指差し 「シン、お前の牽制はチェギョンにも周りにもちょっと刺激的過ぎるんじゃないか? 」 ニヤリと意味深に笑った シンは一瞬目を細め俺を見たが、すぐに口角を上げ冷静な皇太子の顔になり 「自分の物には私有印をつけるもんだろ? 問題はないはずだ」 そう堂々と言った 横でチェギョンが慌てて抗議している シンは涼しい顔でそれを完全に無視してお茶を飲んで、チェギョンの髪に指を絡ませ遊んでいる 周囲から見たら皇太子夫婦がイチャイチャしてるにしか見えない 「アホくさ」 「目の毒だから行こう、イン」 俺達は呆れたように溜息を吐いてカフェを後にした カフェから離れるとファンが聞いてきた 「さっき、チェギョンと何話してたの?」 「何って、ギョンの事だよ」 「ふ~ん」 意味あり気なファンに俺は少しイラっとする 「なんだよ?」 「いやべつに~。ただ、さっきのイン、なんだか怪しい雰囲気だったからさ~」 …ファンは食えない奴だ 俺達4人の中で一番大人で、周りを見て冷静に判断出来る 昔からそうだった 「インはシンの想いを知っているから、バカな真似はしないだろうけど」 穏やかに笑いながら言うファン でも、眼がマジなんだよ 「当たり前だろ。シンを敵に回すか。シンもチェギョンも大切な仲間だ」 そう言った俺にファンは嬉しそうに頷いた 「でも、行動に移さなければ、想うのはいいんじゃない? インも一途だから、そう簡単には気持ちの切り替えは出来ないでしょ?」 「ファンお前」 「それにしても、インは見る目がないと言うか…あ、見る目はあるんだ。ただ、縁がないだけか。人妻に恋するなんて…ね?」 …何が「ね?」だよ。 お前、楽しんでるだろ? 人懐っこい笑顔だけど、お前、結構キツイ事言ってるの解ってるよな? 「ファン。俺、たまにシンよりお前の方が怖い時があるよ」 「え~ 何が?」 とぼけるファン 本当、食えない奴だ 「今夜遊びに行くか ファン?」 「そうだね~ 。寂しい独り者同士で行きますか?」 「寂しい言うな」 「僕は寂しくないけど、インは寂しいかと思って」 「バーカ、寂しいわけないだろ。俺は恋愛には縁がないけど、仲間の縁はすこぶるいい。独り者のファンもいるしな」 「え!? 僕はそんか趣味ないから!いくら女性に縁がないからってやめてよ!」 「そんな事あるか! どんなに縁がなくたって俺は女が好きだ」 お互い視線を合わせニヤッと笑う どうやら俺は恋愛には縁がないようだ でも、仲間の縁はいい 仲間として、2人のそばにいて笑っていたい 俺のこの想いは永遠に閉じ込めて… |
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乃姫~のあ~さん (*^・_・)ノオハヨ~
インくんもまた見つめちゃってたのね
カバンでゴンと叩く皇子が好きだわ
それを見るファンくん
はぎもファンくんは洞察力のあるキャラが好きだわ
周囲の友達もこうやって大人になっていくのね
そうそう
チェギョンさんの髪の毛を弄ぶ皇子 ツボ
こういう何気ないシーンに萌えるわ(〃ω〃)
お話ありがとう
楽しみました(_ _)♡♡♡
[ 夢眠 ]
2014/5/5(月) 午前 9:28
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