「ふぅ~」 「…チェギョン、大丈夫?」 大学のカフェテラス 溜息を吐いた私を見て気の毒そうに言うガンヒョン 真夏の昼下がり チェ尚宮お姉さんが言ってたわ 「本日はこの夏一番の暑さになるそうです。妃宮様、水分補給をお忘れない様に」 て、お気に入りのタンプラーにレモングラスティーを入れて渡してくれた 空調が効いたカフェテラスは涼しいけれど、今日の私のスタイル… 髪を後ろで軽く結って、手首も首もしっかり隠れている膝下のブルー色のシフォンワンピース 目の前のガンヒョンはボーダー柄のミニワンピを着こなして涼しそう 「こんな暑いに日にその服装で涼しそうな顔をしているなんて、流石、妃殿下だわ」 「しょうがないよ~。皇族は肌を見せちゃいけないもの」 「よく言うわよ。一昨日のパーティーで大胆に背中を見せてたくせに」 「あー!! その話はしないで…」 あのパーティーから2日後 ガンヒョンと私は休講になった時間を涼しいカフェテラスで過ごしていた 「あのパーティー、チェギョンには悪夢だったわね。ドレス、ヨンファ、それに…馬鹿ギョン!!」 あの事を思い出したようにガンヒョンは顔を顰め拳でテーブルを叩いた 「馬鹿ギョンって…ガンヒョン、自分の彼に…」 「いいのよ! 独占欲の塊の皇子の前でヨンファの話するなんて馬鹿以外あり得ないでしょ?」 「で、でも、ほらギョン君かなり酔っていたから」 「いくら酔っているからって空気読まなさ過ぎだし口が軽過ぎよ!! チェギョン庇わなくていいのよ。…ギョンのせいでしょ? チェギョンの今日の服装」 「え?」 「こ・こ!」 ガンヒョンが自分の耳の後ろを指差す。 「それだけきっちり服で首隠してるけど、髪をアップにしてるから見えてる」 「え? え? 何が??」 「殿下の私有物だって証が」 そう言い、立ち上がり私の髪をほどき手櫛で整えてくれた。 「まったく。あの独占欲皇子はこんなトコにもつけなくても…。まさか?躰中に!?」 呆れたように言うガンヒョンに私は顔が赤くなり、テーブルに突っ伏した。 ガンヒョンの言う通り、私の躰中にはキスマーク… いや、キスマークなんて可愛らしいものじゃなく、無数の鬱血痕言… 暫くは人前で肌を見せるなんて出来ないほどー・・・ あのパーティー。 ヨンファが帰った後、直ぐにギョン君が私達の所に来たんだ 「シン! 機嫌治ったんだな? いやぁ~良かった良かった」 シン君の肩に腕を回し嬉しそうに言うギョン君に、シン君は面倒くさそうに身体を引き離そうとする 「ギョン、お前飲み過ぎだ」 「飲みたくもなるだろ! お前にあんな演技させられてやっと解放されたんだから」 そう言って手にしていたアルコールを一気に流し込む 「うまいうまい」 いつも以上にヘラヘラ笑うギョン君は、私から見ても飲み過ぎだと思う 「ギョン君、もうそこまでにしたら? ガンヒョンが心配するよ」 「おっ♪ アヒル♪♪」 私を見てニコニコ笑顔のギョン君に私もつられて笑顔になる 「聞いたぞ、アヒル♪」 「なにを?」 「あの男前のモデル・ヨンファの事、好きだったんだろ? 1年の頃、付き合ってはいないけど、なんかいい感じだったんだって?」 ヘラヘラしてさらりと爆弾発言をするギョン君 …ギョン君、今、それ言うの? ねぇ、隣にシン君が居るのよ… 「ギョン」 「なんだ? シ、ン…」 名前を呼ばれ、隣のシン君を見たギョン君の顔が一気に青ざめる 「その話は本当か?」 シン君の鋭い口調と冷たい視線 肩に回してた手を恐る恐る解いて一歩下がるギョン君 自分が爆弾落としたのに、やっと気付いたみたい 「いいい、いやぁ~ 、どう、だったかなぁ?? 俺の勘違いかも……」 しどろもどろになりながら一歩一歩下がる …ギョン君やめてよ こんな状況で逃げて行かないでよ!! 「ギョン君! 何か勘違いしてるんじゃない」 「ああ! 俺の勘違いかも。アヒル。ごめん!! 後はよろしく!!!」 そう言ってギョン君は逃げるように、勢いよく走って私達の前から見えなくなった・・・ 「ま、まって! ギョン君!」 私の声はパーティー会場に情けなく掻き消される・・・ 「チェギョン」 ゆっくり呼ばれた名前 振り向きたくない シン君のオーラが半端じゃなく冷たい空気を纏ってるのが解るから… 「チェギョン」 振り向かない私のシン君が背後から腰を引き寄せた 恐る恐る見上げると、そこには甘い甘い笑顔のシン君 「チェギョン、パーティーが終わったらゆっくり話を聞くとしよう。…今夜は激しく長い夜になるな?」 ニヤリと口角を上げるシン君に、背中がゾクって震えた その夜は言葉通り、長くて激しくて… 明け方まで攻められた私は躰中にシン君の紅い刻印がいまだに消えずにある 「ギョンの余計な一言が、あの独占欲皇子のスイッチを入れたんでしょ?」 「…うん」 「ギョンのあの空気の読めなさと口の軽さ、なんとかならないかしら?」 「あ、でも、そこがギョン君の良さでもあるし」 「何言ってるの! あの口の軽さは将来、会社を継いだ時に致命傷になりかねないわ」 「ギョン君の将来、心配?」 「なっ! 違うわよ。ギョンの両親にも言われてて」 「へぇー、ギョン君の両親にガンヒョン頼まれてるのね」 「べ、べつにそんな事無いわ!!」 いつもしっかりしているガンヒョンが顔を赤くして照れている姿が可愛い 「なんだかんだ言って、ガンヒョンはギョン君が心配なんだよね~」 「なに言ってるのよ、チェギョン!!! あんな口の軽い男、どうなろうが気にしないわよっ!」 「そんなこといって~。ギョン君が心配なくせに~」 「チェギョン! 私はあんたの心配してるのよ!! ギョンのせいで皇子に…」 「あ、うん、それなら大丈夫。もうちょっとしたら消えるだろうし…。だから ギョン君、あまりいじめないでね?」 今朝会ったギョン君、シン君にビクビクして、ガンヒョンには無視され泣きそうな情けない姿 会うまでギョン君に文句言ってやる!…と思っていたけど 「アヒルッ!! ごめん!!! ごめんなさいっ!!!」 と、シン君と同じくらいある大きな身体を小さくして謝る姿に文句なんて消えて行った それところが、ガンヒョンに冷たくされているギョン君が可哀想になって… 謝った後、こっそり教えてくれたんだ 「アヒル~ 。ガンヒョンがあれから口聞いてくれないんだ。口の軽い男は最低って…あんたのせいで皇子とチェギョンに何かあったら一生許さないって…」 今にも泣き出しそうに言うギョン君に同情しちゃった 「大丈夫よ。私からもガンヒョンに言っとくから」 「本当に!? アヒル~、おまえって本当に良いやつだよな!!」 て、私の両手を握ってブンブン振った。 「調子に乗るな!」 後ろからシン君に叩かれ、ギョン君は慌てて手を離しイン君の後ろで小さくなった そんなギョン君を見て、イン君とファン君は笑っていたけど、ガンヒョンとシン君は冷たい目を向けてた 「いいのいいの。ギョンには少し罰を与えないと」 て言うガンヒョンはすっごく悪戯っ子のような顔で…それはシン君の私が苦手な顔に似てる 「ガンヒョンってシン君に似たトコあるよね?」 「はぁ?! どこがよ? 私はあんな嫉妬深く独占欲の塊でも怠慢でも我儘でもないわ!!」 「ちょっと、その言い方酷い!! 妻である私の前でそこまで言わなくても。それに、シン君はこの国の皇太子殿下なのに…」 「はいはい。一国の皇太子殿下が独占欲で妃殿下のここに自分の物って証つけるかしらね?」 顔を近付けニヤッて笑うガンヒョン。 「もぉ~!! それは言わないで~」 やっぱり、ガンヒョンとシン君は似てる 性格とかじゃなくて…こう、なんて言うのかなぁ? 意地悪するとことか、人を追い込むとことか、もちろん頭の回転の早さとか… 2人に言えば口を揃えて「似てない!!」って言うんだろうけど。 似てるからシン君とガンヒョンってたまにぶつかるのかな? そんな事を考えていたら 「ガンヒョ~ン!!」 カフェの入り口でガンヒョンを呼ぶ声 「ギョン君」 講義が終わったギョン君が私達の席に駆け寄る その後ろからイン君 「私、まだ、ギョンを許してないから先に行くね、チェギョン」 ガンヒョンが悪戯っ子のようにウィンクして席を立ち上がり、ギョン君が居る別の方向に歩いて行く 「え?え? 」 ガンヒョンの姿はあっと言う間にカフェから消えた 「ガンヒョン、まだ、俺を許してくれないだ…」 ギョン君の寂しい声が隣で聞こえた。 ガンヒョンを追いかけていた視線を隣に向けると、朝よりも元気のないギョン君 「ま、しょうがないだろ? おまえの口の軽さが悪いんだから」 面白がっているように言うイン君が私の前の席に座った 「ギョン君、大丈夫だよ! 私はもう気にしてないってガンヒョンには言ったから」 「妃殿下はお優しいことで。こんな口の軽い男のせいでシンに」 ニヤリと意味ありげに笑うイン君は多分解っている 恥ずかしくなり顔が赤くなる シン君が言うわけない 勘の鋭いイン君の事だからガンヒョンと同じで何と無く解っているんだと思う。 イン君から視線を逸らし、ギョン君を見た 「ガンヒョン、多分もう怒ってはいないと思うよ? もう一度ちゃんと謝ってみて? ギョン君の口の軽さはちょっと嫌だけど、私のせいでガンヒョンとギョン君が喧嘩してるのはもっと嫌よ。それに、元気ないギョン君はギョン君じゃないよ」 「アヒル~! ありがとう。俺、誠心誠意を込め謝って口の軽さ直すって誓うよ」 いつものギョン君の明るい笑顔になりガンヒョンを追ってカフェを出て行った 「立ち直りの早い奴」 イン君が笑って言う 「うん。でも、そこがギョン君の良いとこよ」 「そうか? 落ち込んでた方が大人しくていいけどな」 「あんな暗いギョン君なんて嫌だわ。ギョン君の空気の読めないとこや口の軽さは短所でもあるけど、時にはそれが周りを和ませたりするじゃない?」 「あぁ、確かにな」 「それもまたギョン君の良さでもあるのよ」 「あいつは得な性格だ」 「うん。ガンヒョンの彼がギョン君で良かった」 「ガンヒョンくらいしっかりしていないと、あいつの相手は無理だろうな」 「うんうん。私も思う」 「ガンヒョ~ン!!!」 遠くからギョン君が叫んでいる声がカフェにまで聞こえる その声を聞いてイン君と私は笑いあった 「な? ギョンの奴、今日中に許してもらえると思う?」 「ん~」 私は少し考えて笑顔で言った 「許してもらえるわ」 イン君はちょっと眩しそうに目を細め、私に言う 「じゃあ、俺は許してもらえない方に賭けるかな?」 「えー? 何を賭けるの?」 「俺が負けたら、チェギョンの好きなトッポッキをご馳走する」 「本当に?」 「ああ」 「私が負けたらどうしたらいいの?」 「そうだなー・・・って、妃殿下が賭け事に乗るのか?」 ニヤッて笑うイン君。 「あ…なしなし! 今のは忘れて~」 慌てて言う私にイン君がお腹を抱えて大笑いした。 「はははっ! いいんだぜ? 俺達2人の秘密で賭けに乗っても。トッポッキは魅力的なんだろ?」 「トッポッキは魅力だけど! シン君に秘密は通用しないって…この前知ったし…」 「あぁー、シンに秘密にして暴露たら…妃殿下の躰は大変なコトになるな?」 クククッて笑を堪えているイン君に私は何も言えなく溜息を吐いた |
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こんにちは~~~v(⌒o⌒)v
皇子ってば
つけまくるのね~~
かなりのSだわ 好みだ~(爆)
ギョン君いい仕事してるし
皇子のチェギョンさんを好きにする口実を
せっせと作ってる
ガンヒョンもどこか見捨てられないんでしょうね
(o´艸`)ウフ
次は何をやらかしてくれるのか
楽しみね
ありがとう
楽しかったわ (^.^/)))
[ 夢眠 ]
2014/5/3(土) 午後 4:52
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