温かくて力強いぬくもり 安心する大好きな香り 顔中に触れる柔らかな感触 「チェギョン」 私の名前を呼ぶ甘い声に静かに瞼を開けた …直ぐ目の前にシン君の蕩けるような甘い顔 ベッドに横たわり片肘で頭を支えた姿勢のシン君 「…ごめん 無理させた」 額にチュッと音を立てキスをくれる 頭がボォーとしている私はシン君の謝った理由が理解出来ないでいた 「…シン、君…?」 呼んだ声は酷く掠れている ヒリヒリする喉 気怠い身体 下腹部の奥がズーンと痛む感覚 …私 シン君とあんなに… 覚醒しきった頭に先程までの私達が映し出された 「シン君のバカッ!!」 さっきまでの自分が恥ずかしくて身体をうつ伏せにしシーツに顔を埋めた 「バカはチェギョンだろ! こんなドレス僕に秘密にして、あんな奴に見せて!!」 「秘密にしたのは悪かったわ。でも、あんなに…」 「あんなにってなんだよ? チェギョン最後は喜んでたじゃないか? …欲しいって催促したのはチェギョンだろ?」 意地悪くニヤリと笑ったシン君が私の身体を仰向けに回転させた 顔の直ぐ横に両手の肘をおき 片方の口角を上げたシン君が私を見ている その表情見ただけで背中がゾクゾクして 熱くなる顔 「今からまた、お仕置き…しようか?」 低く甘いシン君の声 シン君の唇が触れそうになった時 私はキュッと眼を閉じた … …… 唇にシン君が感じられなくて そっと瞼を開けると 「なに期待してるんだ? エロチェギョン」 これでもかってぐらいの意地悪な顔で笑うシン君 「シ、シ、シ、シン君のバカっっ!!意地悪っ!!!」 肩を押しシン君との距離を取ろうとした両手を掴まえられ グルッと回転し今度はシン君が下で私はシン君の広くて逞しい胸の上でギュと抱き締められた 「意地悪なのはチェギョンだ。あんなドレス僕に秘密にして、僕を不安にさせた」 ドクッドクッドクッ シン君の胸の音が騒がしく鳴っている 「シン君?」 「あんな奴に…ガンヒョンでもヒスンでもスニョンでもイヤなんだ。…チェギョンのこの綺麗な肌を見ていいのは僕だけだ」 苦しそうなシン君の声 驚いて身体を起こす …寂しそうな顔のシン君が私の下に居た 「おまえは…充分色気があって魅惑的だ。こんなドレスなど着なくても。だから、僕以外にその魅惑を振りまかないでくれ…僕だけでいい。心も身体も惹きつけ迷わせるのは。僕以外の男がおまえに惹きつけられるかと思うと…イヤだ」 イヤだ…と小さく言うシン君は拗ねた子供みたいで… 私の頬は緩んだ 「子供みたい」 小さく吹出すと眉間にシワを寄せて 益々拗ねた不機嫌なシン君が出来上がる 「子供をおまえだろ! くだらない記事を本気にして」 「シン君知ってたの?」 「ああ。あのドレスの理由、おまえを心配したガンヒョンがメールで教えてくれた」 「え? いつ?」 「先程メールが入っていた。どうか甘くみてあげて…とあったが、手遅れでチェギョンは意識を飛ばしていた」 妖しくニヤリと笑うシン君 「ばか…シン君、急な公務が入ったんじゃなかったの? …嘘だったの?」 「皇族は嘘は言わない。あれはコン内官の勘違いだ」 私の髪を指でクルクル巻いて遊びながらシン君は悪びれることもなく 涼しい顔で言い切った 「…ねぇ、いつから? いつからパーティーに来よう思っていたの?」 「チェギョンが僕に隠れてドレスを作っていた1ヶ月前からだ」 「気付いていたの? ドレスのこと?」 「ああ。僕の居ない時間にドレスを作っているのは知っていた。僕の帰りを迎え待つおまえの髪にはいつも糸がついていたからな」 そんな前から気付かれていたんだ 私は驚いて口を開けたまま声にならない 「まさか、こんな大胆なドレスだとは思いもしなかったが」 シン君がドレスのホルダーネックのリボンをするっと解き腰の辺りで滑り落ち私の肌が空気に触れ 「キャァ!」 慌てて腕を胸の前でクロスし隠した 「僕しか居ないんだから隠す必要ないだろ?」 クロスした腕の隙間にシン君の手が伸びてくる 「さっきはドレス着たままだったからこっちはまだ味わっていない」 私の苦手なあの顔のシン君 「シン君! バカ言わないで…もぅ…無理だよ」 俯いて小さくつぶやいた私に シン君は起き上がり優しく抱き締めてくれた 「ごめん。嫉妬で止まらなかった…身体、痛むか?」 「あ、うん、ちょっと痛い、かな?」 「ごめん」 「私が悪いんだもん。ごめんねシン君。ドレス秘密にしてて。雑誌の記事を気にしたりして…」 「もう二度と気にするな。チェギョンの魅惑は全て僕だけのものだ」 柔らかく唇を重ねて 甘い甘いシン君のキス 「このままここで2人で居たいが、まだパーティーは終わっていないそうだ。シャワーを浴びて戻ろう」 「でもドレスが…」 ドレスを着たままであんなコトしたから、私のドレスはシワシワ もちろんシン君のスーツもシワが寄っている 「ちゃんとチェ尚宮が用意してくれている。チェギョンに似合うドレスを」 そう言って抱き上げられリビングルームに連れて行かれると グレーのスーツとパウダーブルーのドレスがあった いつのまに? さすがチェ尚宮お姉さん 「このドレスは嫌か?」 「まさか! 早くシャワーして戻りましょ」 シン君の腕から飛び降りバスルームに駆け込んだ 中途半端に脱がされたドレスを全て脱ぎ捨て何気無く鏡の自分の背中を見た… 「なっ?? な、な、なにこれっー!?」 バスルームに私の声が響いた 「バカバカ! バカシン君!」 「しつこいぞ、チェギョン」 エレベーターの中 呆れたように見下ろすシン君 「あんなにつけることないじゃない!」 キュって睨み見上げる私 鏡で見た背中には沢山のキスマーク 「あれぐらいつけないと、バカチェギョンはまたあのドレスを着るだろ?」 からかう様な眼に顔が赤くなる 「もう二度と着ないわ!」 「その言葉忘れるな。それと…アイツにも近付くな」 「あいつって?」 わかってはいるけど、キスマークに怒っている私は態とに聞いた 「アイツはアイツだ!」 シン君が怒鳴るように言ったと同時にエレベーターが行き先に止まりドアが開いた 「…シン君って本当に独占欲強いわよね」 聞こえないように言った筈なのに 「チェギョン限定だ」 腰を引き寄せら耳元で囁かれた それがすごく嬉しくて 私は素早くシン君の頬にキスをし腕を絡めエレベーターを下りた 「チェギョン! 体調は良くなった?」 ラウンジに入ると直ぐにヨンファが声をかけてきた 「うん。休んだらスッキリしたわ」 「ふ~ん。スッキリしたのは殿下の方ではなくて?」 意味有り気に笑ってシン君を見た シン君も口角を上げヨンファを見据えた 「ええ。僕を心身共に気持ち良く落ち着かせる事が出来るのはチェギョン1人だけですので。先程も言いましたが、チェギョンと呼ぶのはやめてもらいたい」 「…フッ。本当、チェギョンへの独占欲は半端ない。独占欲の塊だと愛想尽かされますよ? 殿下」 「御心配なく。愛想着く暇もないほどチェギョンに僕の存在を刻み込んでいますので」 「言ってくれますね~。高校の頃は無関心で氷の皇太子と言われたのに、今は随分と熱い。チェギョンが殿下を変えたんですかね?」 「だとしたら?」 「一国の皇太子殿下を変えてしまうチェギョンは…イイ女ですよね?…ま、僕は殿下より先に知ってましたけど」 ヨンファは面白がっているような口調で言う シン君がキっと音がしそうな程青筋を立ててヨンファに不適な笑顔を浮かべた 「貴方が知っている頃より遙かにチェギョンは魅惑的でイイ女になってますよ。俺の寵愛を毎日余すことなく捧げてますので」 「シン君!! な、な、なに言ってるのよ!」 「本当のことだろ?」 顔を赤くして慌てる私にシン君は優しく手で頬を撫で親指で唇をなぞる そんは私達をを見て 「ぷっあははっあはははは!!!」 派手に噴出し肩を震わせ笑うヨンファ 「参った。まさかここまで殿下がチェギョンに溺れてるとは…くくっ、これじゃあ、チェギョンを口説く前に完敗だ」 「なっ!?」 「はぁ!!??」 仲良く声が重なったシン君と私を交互に見る悪戯っ子の眼をしたヨンファ …ヨンファ からかっているの? 「残念だよ。殿下が以前の様にチェギョンに冷たくて興味もないのなら、今夜、チェギョンを口説いて俺のものにしようと思っていたのに…こんなデレデレの殿下を見せられちゃ手も出せない」 ヨンファは降参とでも言う様に両方の手のひらを上に向け両肩を上げたポーズを取る 「おまえっ!」 低く唸るような声を出し威圧的な眼でヨンファの一歩前に出る 「殿下」 大抵の人なら普通の人なら怯んでしまうシン君の威圧的な態度 でもヨンファは臆する事無く不敵に笑い返し口角をクイッと上げた 「皇太子殿下。もし、またあの頃の様にチェギョンを泣かしたら俺がチェギョンを奪いますよ。チェギョンの魅惑にやられてるのは殿下、貴方だけではないんですから」 ヨンファ? なに言ってるの!? 私は声にならないくらいにびっくりして口をぱくぱく動かしヨンファを見上げた 「貴様ッ!」 肩肩を震わせ地を這う様な低いシン君の声 それもヨンファは気にもせず 「チェギョン」 シン君にも負けないくらい優雅に王子様の様に甘く優しい微笑みを私に向ける 「今、倖せ?」 シン君に向けていた挑発的な声ではなく 私知っていた頃の優しい声に優しい眼 「ええ。とっても倖せよ。イ・シンと結婚して愛されて…誰よりも倖せよ」 シン君の手をギュッと握って にっこりヨンファに笑い返した。 プリンセススマイルではなくシン・チェギョンの笑顔で 「フッ…チェギョンまで殿下に溺れてるわけか」 「当たり前じゃない。こんなに素敵なシン君よ。ま、確かにあの頃は泣かされてばかりだったけど…今はあの頃の分まで愛してくれて倖せいっぱいよ」 「だろうな。チェギョンのその顔見たらわかるよ。シン・チェギョンの笑顔は周りを倖せにする。…その笑顔を見れて良かった」 「ヨンファ?」 「暫く仕事でイギリスに行くんだ。あの頃と変らないチェギョンの笑顔を今夜見れて良かったよ。…くくっ、殿下の熱い想いも分かったし」 ヨンファは笑いを堪えシン君を真っ直ぐ見つめ言う 「殿下。数々の無礼をお許し下さい。チェギョンのこの笑顔を独り占め出来る殿下が羨ましい。…この笑顔を絶やさないで下さい」 「貴方に言われなくても。チェギョンの笑顔は、いや、チェギョンは僕の宝だ。何があってもチェギョンの笑顔を絶やさないし、誰だろうとチェギョンを手放さない」 シン君も真っ直ぐヨンファを見つめ返し私の腰を抱き引き寄せた 「くくくっ…でしょうね。今夜それがよく分かりましたよ。チェギョンが倖せなのも分かったし…俺は帰るよ」 「え? 帰るの?」 「ああ。仕事がまだ終わってなくて少しの間抜けて来たんだ」 「仕事を抜けて来るとは無責任過ぎるな」 鼻で笑うシン君 「チェギョンに逢いたくて無理して抜けて来たんですよ」 シン君を見てにやりと笑ったヨンファ 「おまえーっ!さっさと行け!!!」 シン君の怒鳴り声にヨンファが派手に噴出す 「あっははは!! 殿下、冗談ですよ。…じゃあ、チェギョンまたな」 「おまえに『また』はないっ!!」 怒鳴るシン君にヨンファは口角をあげヒラヒラと手を振りラウンジをあとにした ヨンファ… 爆弾落として行かないでよ 「チェギョン」 低い声のシン君 冷たい空気が漂ってる隣には不機嫌なシン君 「な、な、なに?」 「アイツと『また』はあるのか?」 「あ、あるわけないじゃない。からかわれたのよ。昔からヨンファはイタズラしたり人をからかったりするのが好きで」 「チェギョンはよくアイツの事がわかっているんだな」 「そりゃ、3年間同級生だったんだもの」 「そうか。同級生か?」 「そうよ」 「アイツはそうは思っていない様だが? …昔、何かあったか?」 冷たい顔で見つめられ首を横に振る 「あるわない!」 本当に何もない …ただ 私がちょっと想いを寄せていただけ 恋と言うよりは芸能人に憧れる様な幼い想い …それでも シン君には教えられない 幼い淡い恋心なんて言ってもシン君には通用しない ここはシン・チェギョン女優になるのよ! ふーっ 気付かれない様に小さく息を吐き 機嫌を取る様にシン君の顔を下から覗きこんでニコッと微笑み 「何もないわよ。ねぇ、早くガンヒョン達のとこに行こ?」 甘える様に腕を絡めた 「…ああ、そうだな」 冷たい表情が和らいで私の大好き笑顔のシン君 2人仲良く寄りせってガンヒョン達の場所に向かった このあと 悪酔いしたギョンにチェギョンの淡い恋心を暴露された話は…おまけで |
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こんばんは(*^-^*)
超がつくほどのやきもちやきでチェギョンに溺れてるシン君、大好物です(≧▽≦)
それを、更に引き出してくれたヨンファに拍手です~
更新ありがとうございました┏○ペコッ
[ edamamegolf ]
2014/4/9(水) 午前 1:36
返信するヾ(@⌒ー⌒@)ノおはよう
シン君の怯まない姿と嫉妬大魔王にヨンファ君も退散かな?
でも一番はチェギョンちゃんの幸せな顔、見たからでしょうか。
( ̄(エ) ̄)ノ” ++了└|力"├♪++
[ - ]
2014/4/9(水) 午前 5:39
返信するこんにちは~
遊びに来ました(*´∀`*)
で 読んじゃった テヘ
ヤキモチ皇子と幸せチェギョンにニヤニヤ
こちらは相手がヨンファ君なのね~
彼も可愛いから ヤキモチ妬きたくなる気持ち分かるなあ
実ははぎもヨンファ君はビジュアル的に好みです(あれこれ浮気するする…)
楽しませてもらいました
ありがとう (v〃∇〃)ハ(〃∇〃v)
[ 夢眠 ]
2014/5/3(土) 午後 0:09
返信する