| 「はぁ~」 ベッドの上 アルバムの写真を見て溜息の私 予定より早目にお妃教育が終わり ぽっかり空いた夕食までの時間 執務中の旦那様・シン君には申し訳ないけれど 私はベッドで寝転がり高校生の頃のアルバムを広げあの頃を想い出していた 想い出すと言ってもまだ2年前のホンのちょっと昔の私たち 私の高校生のアルバムは入学式の朝からから始まってる 家の前でパパ ママ チェジュンとピースサインの写真から始まって 教室で友達と笑いあっている写真 遠足の写真 球技大会の写真 芸術祭の写真 色々な写真が1年生 2年生 3年生と順番に収められている 1・2年生の頃の私はガンヒョンたちとふざけあって笑ってどんな時もピースサインの写真 あ~ 懐かしいなぁー アルバムを捲るたびに想い出が蘇る 1年生から2年生 3年生…私がシン君の許嫁と聞かされて結婚した頃だ 3年生になって直ぐにシン君の許嫁と聞かされて 色々あって結婚して 結婚してからの3ヶ月色々合って この頃の私はシン君によく泣かされてた 皮肉や嫌味や冷たい言葉を浴びさられてて… 私は消えようと思ったんだ この頃の写真はやつれて無理して笑っている私 「はぁ~」 酷い顔の自分を見て溜息 この頃 シン君も私も素直じゃなく意地張っていて お互いが子供で勘違いしていたんだけど ま、一番悪いのはシン君の俺様性格のせいだけど 「本当この頃は子供で俺様のシン君に泣かされてわ」 あの頃を想い出して腹正しくなりつぶやいた本心 誰も聞いていないと思って出た本心 「誰が子供で俺様だって?」 後ろから聞こえる低い声に驚き勢い良く上半身を起こし振り向く 「皇太子の僕が執務中の間、おまえはそんな姿で何をしているんだ?」 シン君が腕を組んでドアの壁に凭れて私を見ている 「い、い、いつからそこにいたのっ??」 「かなり前からだ。で? 誰が子供で俺様だって?」 シン君が左の口角を上げてゆっくり向かって来た。 「え?…いや、その…あの…」 「僕の耳にはシン君って聞こえたんだが?」 ベッドの横に来て見上げるシン君の顔はニヤッと意地悪な俺様の顔 私 この顔苦手 顔を逸らしアルバムを掴んでシン君に押し付けた 「この頃、シン君は子供で俺様だったじゃない? 私は泣かされてたわ」 シン君はアルバム見ながらベッドに座り 長い脚を組んだ 「溜息の理由はこの頃の僕のせいか?」 すっごく優しい目をして 右手の甲で私の頬を優しく触れるシン君 それだけで 腹正しかった昔の想い出なんて何処かに飛んで行っちゃうんだけど 今はなんだか素直になれなくて 「そうよ。アルバム見てたらあの頃を想い出してムカムカして腹正しくなっていたの」 不機嫌そうに唇を突き出してシン君を睨む だけど シン君には全く気にも止めなく 「どうしてアルバムなんな見ていたんだ?」 パラパラアルバムを捲りながら聞いてきた どうして? それは… 「今朝、大学行く時に高校生のカップルが手を繋いで楽しそうに歩いてるのを見て…羨ましくなっちゃって…」 最後の方はすっごく小さな声で言ったんだけど シン君にはしっかり聞こえてたらしく 「おまえの方が子供だろ 高校生のカップルを羨ましく思うなんて」 馬鹿にしたように鼻で笑ってそう言ったんだ 「だってだってだって! 私とシン君は3年間同じ高校に居たけど、2年間は他人で全く接点なくて、3年生の時に許嫁って言われて、直ぐに結婚していっぱい嫌な思いさせられて泣かされて…その間の時間はすっごく悲しかったんだから…」 あの頃を想い出し泣きそうになった私をシン君は引き寄せキツく抱き締めてくれた 「確かにあの3ヶ月は酷い事をした。ごめん」 シン君の胸に顔を埋めた私の耳に届く声はまるで泣きそうな声 そんな声聞いたら 自分が悪者に思えちゃう あの頃が合って 今はこんなに幸せなのに 今朝の高校生の2人が余りにも楽しそうでギュッと繋いだ手が幸せそうで 羨ましく思えたの 制服を着てた頃のシン君と私にはそんな時間がちょっとしかなかったから… 3年間同じ学校に居たのに 制服を着た私たちの楽しくて幸せに過ごした一緒の時間はほんのちょっとだったから… 「私もごめんなさい。昔を想い出してシン君に悲しい思いさせて。あのね、私、制服を着てたシン君と手をギュッと繋いでいっぱいいっぱい想い出が欲しかったの。私たちの制服の想い出は少ないから」 大きな背中に腕を回してギュッとした 「制服の僕は無理だけど、今はいつでも手を繋いでいてやるよ」 「うん。今はシン君手を繋いでいないと怒るもんね」 「ああ、僕はチェギョンと手を繋いで居ないと不安になるんだ。あの頃みたいにチェギョンが消えるんじゃないかと思ってね」 「消えるって…あの時は失敗したじゃない」 「失敗しなかったら消えるのか!」 シン君が身体を放し鋭い視線で私を射抜く 「フフッ…消えないわ。こんなに愛してくれる旦那様がいるんだから。あの頃とは違うもの…それに、消えたいと思ってもあの時のようにシン君が私を捕まえるでしょ?」 「当たり前だ! おまえを何処にも行かせない。僕のそばからいなくなるなんて許さないからな」 そう言って シン君はギュッって力強く抱き締めて私の額にチュってキスを落としてくれた バサッ アルバムがベッドから落ちて2枚の写真私たちの目に入った 「この写真」 「制服を着た僕達の幸せな写真だ」 その写真はシン君の左腕が私の肩に回しこれでもかって抱き寄せ笑顔で顔を寄せ シン君の右手で持ったカメラで撮った写真 もう一枚はキスをしている写真 「これ、卒業式の日、寝室で撮った写真だ」 アルバムを拾い上げ顔を寄せ合い笑い合う 「ああ、制服姿が最後だからチェギョンが2人で撮りたいって言って」 「そうよ! 私は普通に撮りたかったのにシン君が…」 2枚目の写真を見て恥ずかしくなって最後の言葉が小さくなる 「僕がなんだよ?」 あ、またあの口角上げた意地悪な俺様の顔で私の目を覗いてる この顔のシン君苦手 ドキドキしちゃってダメなんだ 今もほら その顔で見られたら恥ずかしさとドキドキで 顔が赤くなってるのが分かる 「チェギョン顔が赤いがどうした? あぁ、この時も写した後のチェギョンは真っ赤になっていたな」 「もぉ~ シン君なんてしらないっ!」 両手をグーにしてシン君の胸を叩いた 「ごめんごめん」 笑ながら私を胸にギュッて納めるシン君 悔しいから胸の中で暴れてると 「こら 暴れるな」 てもっと強くギュッてされた 「制服を着た僕たちが一緒の写真は少ないし手を繋いだ想い出も少ないけど、今の僕たちは深く繋がってすごく幸せだ」 「うん。そうだね。いっぱい泣いたし悲しい想い出もあるけど、そのおかげで今があるんだよね。シン君、大好き」 気持ちを伝えるように私もギュッてしてシン君の胸に顔を埋めた私に上から低く甘い声が降ってきた 「チェギョンにもっと深い愛を届けて繋がりたいんだが」 顔を上げると …あの俺様の顔 あ ダメ この顔を危険すぎる 「シッ、シ、シン君! だ…」 「OK以外は拒否する」 ニヤリって笑って 私が逃げだすより早くベッドに押し倒された すぐ間近にあるシン君の表情は 私の苦手な俺様でとっても幸せそうな顔をしている たぶん私も蕩けそうな幸せな顔をしてるはず 制服のあの頃の写真より幸せな私たちが 今ここにいる |
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