トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 首都スポ > 記事

ここから本文

【首都スポ】

[大学サッカー]総理大臣杯きょう開幕 快進撃再び!拓大のキーマン・DF西山

2019年8月29日 紙面から

左足首の捻挫から復帰したDF西山。頭脳的な守備で相手攻撃陣を封じ込める=拓大八王子国際キャンパスで(いずれも武藤健一撮影)

写真

 第43回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントは29日に開幕する。京都府、大阪府、兵庫県内の全6会場で9月7日までの日程で熱戦が展開されるこの大会に、関東からは予選を兼ねた関東大学トーナメントで7位までに入ったチームが参加する。その中で注目されるのは第7代表の拓大。関東大学2部リーグの所属ながら、格上の1部勢2校を同大会で倒し、実に37年ぶり2回目となる出場を遂げた。チームの中心は静岡学園高出身の2人、絶対的存在のセンターバックとして君臨する西山大輝主将(4年)と予選で殊勲のゴールをマークしたサイドハーフの小宮嶺(4年)だ。久々の本大会でどこまで勝ち上がれるのか? 両選手に大きな期待がかかる。 (関孝伸)

 クレバーなパフォーマンスで、最終ラインからチームをオーガナイズする。目立つプレーこそ少ないが、優れた戦術眼でゲームをコントロールするのがDF西山主将の真骨頂。最後尾の司令塔として、最良の選択を発信し続ける。気が利いたプレーと声で、チームを勝利へと導いていく。

 「周りに指示を飛ばして、(チームとして)守りやすくしたり、攻めやすくしたりできるのが、自分の持ち味かなと思います」

 賢さが特に発揮されるのが守備面だ。自身のところでボールを奪いやすくするために、その前段階で仲間を巧みに操る。

 攻撃面に関しては、後方からつないでいくことをチームのコンセプトとする中で、しっかりと起点になる。元々がボランチということもあり、安定したパスのさばきには定評がある。

 「ポゼッション率を高めるのも自分の役割の一つです」

 そんな大黒柱の絶対性が、この夏、改めてクローズアップされた。総理大臣杯予選後に行われた関東大学2部リーグの試合。西山が左足首の捻挫によってピッチに立てなかった状況で、2戦合計7失点と崩れた。“西山のチーム”であることが図らずも露呈したのだ。

 拓大が37年ぶりのひのき舞台で輝きを放てるかどうかは主将の出来にかかっているといっても過言ではない。

 「大会の“台風の目”になりたいと思います。(各試合を)無失点で守ることを意識してやっていきます。見る人が見たら『あの4番、気を使えているな』と言ってもらえるようなプレーをして、チームの力になりたいです」

 攻撃にややムラがあるが、波に乗ったら怖いというチームをとことん支える。あっと驚かせる快進撃で、拓大の名を全国にとどろかせるつもりでいる。

高校時代からチームメートの西山(右)と小宮。晴れの大会で、一緒に一花咲かせたい

写真

◆西山アラカルト

 ◆「レ・ミゼラブル」 高校生のときに見た映画版がとても面白かったことから、舞台でもこの作品を味わいたいと思うようになった。人気のミュージカルのため、チケットを入手することがなかなかできなかったが、今年に入り、観劇がついに実現。「感動しました」

 ◆頼りになる存在 サッカーだけでなく、学業の方にも精を出す。授業にしっかりと出て、ノートを人よりもきちんと取る。そのため、試験の時期には学内の全然知らない人からもLINEで連絡が来て「ノートを見せて」などと頼まれる。

<西山大輝(にしやま・たいき)> 1998(平成10)年1月16日生まれ、横浜市泉区出身の21歳。176センチ、70キロ。同市立いずみ野小1年のときにいずみ野サッカークラブでプレーを始め、SCHフットボールクラブからエスポルチ藤沢に進んだ。高校時代は静岡学園高に所属。同高2年時の全国高校選手権でメンバー入りし、出番には恵まれなかったものの、8強進出を経験した。拓大では入学直後から試合に出場し、その年の関東大学2部リーグ新人賞を獲得。以降、主力として活躍し、今季は主将を務める。

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ