トップ > 中日スポーツ > 大リーグ > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【大リーグ】

「ミラクル・メッツ」再現へ 最もホットな快進撃

2019年8月28日 紙面から

写真

◇AKI猪瀬コラム「MLBへの扉」

 現在、メジャーリーグで最も強いチームは、メジャー30球団で最高勝率を記録しているドジャースでも、ア・リーグで最高勝率争いを演じているアストロズとヤンキースでもありません。最もホットなチームは、メッツです。

 7月12日、後半戦の初戦に負けたメッツは、今季最多となる借金11の40勝51敗。この時点で首位ブレーブスとは14・5差の地区4位。誰もが今季は終戦を迎えたと思っていました。そのため、7月31日のトレード期限を控えて来季以降を見据えた「再建モード」に突入するかと思われていましたが、主力選手を温存して、ブルージェイズ生え抜きエースのストローマンを獲得するなど、予想とは180度違う動きを見せてファンやメディアを驚かせました。

 この時の世間の反応は「迷走状態」「何がしたいのか、分からない」などネガティブな意見が大半を占めていました。しかし、7月25日から7連勝、8月3日からの8連勝で借金を返済し、ついに貯金状態に突入。後半戦27勝13敗は、メジャー全体1位の勝率となっています。

 東地区を独走しているブレーブスを逆転することはほぼ不可能な状況ですが、ワイルドカードでのポストシーズン進出は十分に可能性がある位置まで急浮上。ナ・リーグのワイルドカード2枠目は、シーズン87勝がボーダーラインと予想されており、メッツは残り32試合を20勝12敗で戦えればチャンスが生まれます。

 リーグ新人本塁打記録を塗り替えたアロンソは「クラブハウスでも、フィールドでも、誰もポストシーズン進出を諦めていない」。1試合13奪三振以上&1本塁打をメジャー史上初めて同一シーズンで2度記録したエースのデグロム=写真(AP)=も「自分たちの運命は、自分たちで切り開く事ができる」と前向きです。

 1962年に誕生したメッツは、毎年最下位クラスの「お荷物球団」でしたが、69年に下馬評を覆して世界一に輝き、「ミラクル・メッツ」と呼ばれました。その奇跡から50年後の今季、「ミラクル」の再現は起きるのでしょうか。 (大リーグ・アナリスト)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ