例えば、依頼者である個人に関するデータを収集して、その個人がどのように分析・評価されるかをアドバイスし、データから見る個人像を改善するためにはどうしたらいいかをアドバイスするサービスがあってもいい。評価する側に付くコンサルタントではなく、評価される側に付くコンサルタントだ。もちろん人間がやってもいいし、何らかのシステムがサービスを提供するのでもいいだろう。

 また、データを利用したマーケティングがあらゆるビジネスの世界で発達し、尖鋭化することが予想されるので、これに対する「抵抗力」となるようなアドバイスのサービスもあっていい。

 情報処理やマーケティングの発達が、ビジネスの売り手側をサポートするばかりではなく、買い手側である顧客側の合理性をサポートすることにも使われることによって、両者のバランスが保たれるような状態が望ましいのではないだろうか。

 買い手側の利益の立場に立った情報とアドバイスに関するサービスには、今後大きな価値と可能性があるように思われる。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)