就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、就職活動中の学生らの知らぬ間にWebサイトの閲覧履歴などを基に内定辞退の指標を顧客企業に販売していた問題は「データ活用ビジネス」に法令の理解が追い付いていない実態を示した。
個人情報保護委員会は2019年8月26日、リクルートキャリアに組織体制の見直しを求める勧告を出した。リクルートキャリアが顧客企業に個人データを第三者提供する際は個人情報保護法の適用が及ぶにも関わらず必要な検討を行わなかったうえ、「安全管理のために必要かつ適切な措置を講じていなかった」として同法に違反したと認定した。同委員会が勧告を出すのは初めてだ。
同社は学生らリクナビ利用者のうち、7983人の同意を得ずに個人データを顧客企業に提供していた。さらに内定辞退の指標を顧客企業に販売するという明確な説明をしていなかったため、同委員会は「利用者が個人情報の利用目的を理解して同意できる仕組みではなかった」として改善を求める指導も公表した。
リクルートキャリアの小林大三社長らは同日開いた記者会見で「学生視点の欠如」と「ガバナンス不全」があったとして謝罪し、チェック体制の見直しなどに取り組むとした。ただ、法令上の問題について具体的な説明を避ける場面も少なからず見られた。経営者が個人データを扱うビジネスを進めるために必要な基礎的な法令の理解がなお追い付いていない実態を浮き彫りにした。
個人データを扱う変更をチェックできず
「学生らの人生をも左右しうることから、その適正な取り扱いについては重大な責務を負っている」。同委員会は勧告の原因となった事実の説明で、強い表現で問題の重大さを説明した。単に個人情報を漏洩した事態とは異なり、知らぬ間に個人データを基にした評価を顧客企業に販売して、個人に影響を与えるものだからだ。
では、リクルートキャリアは個人情報となる一人ひとりの内定辞退の可能性を示す指標を顧客企業に販売していたにもかかわらず、なぜ個人情報保護法に基づいた措置を講じていなかったのか。同委員会や同社の説明によると、内定辞退の指標を販売していた「リクナビDMPフォロー」は2019年2月以前と同年3月以降で、サービスの仕組みを大幅に変更したことが背景にあるという。
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