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（麻子）仲いいのね。
（茜）生まれてから　何度も会ってるから。
（なつ）明ちゃんは優の最初のお友達なんです。
あっ　そうだ　茜ちゃん。はい。
これなんだけどこういう人が　どこにいるのか知らない？
やっぱり　そういう人を探してるの？はい。
それなら　私はどう？
えっ？私じゃ　ダメ？
♪～
♪「重い扉を押し開けたら暗い道が続いてて」
♪「めげずに歩いたその先に知らなかった世界」
♪「氷を散らす風すら味方にもできるんだなあ」
♪「切り取られることのない丸い大空の色を」
♪「優しいあの子にも教えたい」
♪「ルルル…」
明子と優ちゃんは仲よしだし…でも　自分の子しか育児の経験はないしもし　それでなっちゃんが安心できるならだけど。
いや　そんな…。
まあ　茜さんなら誰よりも安心なんですけど…。
いいじゃない　それが一番いいわよ！
あ…　お金を払えばいいのよ保育ママに払うのと同じように。
それは　もちろんですけど…。
作画監督を引き受けたんでしょ。
え…　誰から聞いたんですか？
（下山）神っちだよ。えっ？
神っちから電話があってなっちゃんを助けてやれないかって相談されて。
神っちは　ほらなっちゃんの背中を押しちゃったからちょっと責任　感じてんだ。
（神地）なっちゃんがここまで経験を積んでここで習得してきた技術は　そう簡単に代わりが見つかるものではないでしょう！
それで　いいんですか！？
それだったら本当にバカだよ　神っちは…。
感謝しかないのに…。
それに　イッキュウさんをいつまでも　くすぶらせていたら日本のアニメーションにとって損失だろうとも言ってたわよ。
（坂場）あ…　神っちが…。
まあ　それで　２人で決めたんだ。
じゃ　この問題は解決？
あ…　なっちゃんとイッキュウさんがよければ。
下山さん　茜さん本当に　ありがとうございます！
どうか　よろしくお願いします！
よろしくお願いします。
一緒に頑張ろう。はい。
イッキュウさんも　一緒に頑張ろう。はい。
よし！　マコプロへ　ようこそ。
（笑い声）
こうして　優の預け先は月６，０００円で　茜さんの家と決まりました。
そして　４月を迎え優を　茜さんに預ける日がやって来ました。
すいません。
（チャイム）
・（茜）は～い。
あっ　おはよう。（坂場　なつ）おはようございます。
あ…　大変だったわね。　さあ　入って。
よろしくお願いします。どうぞ。
（茜）はい　どうぞ。
（なつ　坂場）おはようございます。あっ　おはよう。　いらっしゃい。
みんな来たよ。明ちゃん　今日から　優　よろしくね。
あら　優ちゃん…。
優ちゃんだよ。
茜さん　これが昼寝用の布団です。あっ　はい。　お預かりします。
それから　オムツと　あと着替えです。
それから　粉ミルクと哺乳瓶コップと　スプーンと　フォークです。
優の好きな離乳食も作っておいたので温めて食べさせてやって下さい。
ジャガイモと鶏ミンチ…。
万事　心得ました。
イッキュウさんも　今日からアニメーションに復帰ですね。
一緒に行こうと思って待ってたんだよ。
本当に感謝します。（下山）いいえ。
優の迎えはなるべく私が来ますから。
うん　分かった。
行ってくるね。
なっちゃんすっと　いなくなっちゃった方がいいわよ。
そうだな。それじゃ…　お願いします。
優ちゃん　おいで…　よいしょ。
（優がぐずる声）優ちゃ～ん…。ほら　明ちゃん　優ちゃんとお遊びしよう。
行ってくるね。（下山）よいしょ…。　じゃ　行ってきま～す。
（茜）は～い　行ってらっしゃい。　ほらパパ　行ってらっしゃいって　明ちゃん。
（優がぐずる声）
（茜）優ちゃん。優…。
あ…。
ごめんね…　ママ　すぐ帰ってくるからね。
ねえ　優ちゃんおばちゃんと明ちゃんと一緒に遊ぼう。　ね。
ほら…　優ちゃん。
ほら　こっちおいで…　ね。
ちょっと　ママいなくなっちゃうけど大丈夫だよ。　ね。
優　大丈夫だから。　ね。
（泣き声）
なっちゃん　早く行って。こっちは大丈夫だから。
早く行かないと迷惑がかかるよ。
うん…。
（泣き声）
あっ　なっちゃん…。
ごめんなさい　ちょっとだけ…。
切りがないだろ　そんなことしてたら。分かってるから！
なっちゃんなっちゃんが頑張らないと！
はい…　茜さん　本当にすいません。
ううん　いいけど…。
よし…　優　少しの間だからね待っててね。
（泣き声）
お願いします。うん　行ってらっしゃい。
優ちゃん　ほらママ　行ってらっしゃ～いって。
♪～
大丈夫か？
遅れるから　先行って。
いつまでだって待つよ。
もう大丈夫。
♪～
おはようございます。遅くなって　すみません。
（堀内）作画監督　おはよう。
堀内さん　よろしくお願いします。よろしくお願いします。
♪～
ともかく明るくしてほしいってことなんだけど…。
（下山）う～ん　でも　これ暗黒街の話だからね。
カポネは　ギャングの親玉だけど主人公の三代目は根が善人なわけですよね？
そこが面白いでしょ。ギャングの素質はあるのに悪くなれないって矛盾してるところが。
そこを　もっと強調したらどうでしょうか。強調？
下山さんみたいに　もっと　主人公をひょうきんにするんですよ。
ちょ…　ちょっと　イッキュウさん僕のどこが　ひょうきんなわけ？
ハードボイルドを意識し過ぎてませんか？
ハードボイルド　好きだからね。
下山さんらしさが出てませんよ。
もっと　主人公は抜けてていいと思います。おい。
そうしてもっと愉快な話を増やしていけば暗すぎるという今の評判を　変えることができるんじゃないでしょうか。
ハハ…イッキュウさん　大人になったわね。
そっちの方向でシナリオ書いてみてもらえる？
分かりました。
♪～
初めて作画監督を務めます　奥原です。よろしくお願いいたします。
（一同）お願いします。
では　早速ですがこちらが　キックジャガーです。
そして　主人公の中神拳矢そのライバルのブラックマンです。
（佐藤）原作の漫画よりもかっこいいじゃないの！はい。
（山川）こんな劇画タッチの画も描けたんですね。
はい。　こういう荒々しい画の方が動きが制限されても迫力が出るかと思いましてこのまま動画にも使いたいんです。
クロッキー調の線を生かすのか。面白いかもしれないね。
（荒井）クロッキーやな。はい。
お願いします。
（ため息）
中島君。（中島）はい。これ　上下の動きをもう少し大きくして。はい。
あっ　なっちゃん。　元のよりちょっと　うつむかしてみたんだけど。
かっこいいです。　いいと思います。こっちの方がいいよね。
はい。うん　ありがとう。お願いします。
上下の動きって　どういう…？
それ　歩いてるカットだから…。はい。
奥原さん　すいません確認お願いします。
あ…　はい。
作画作業に入ると　その仕事は　やはり時間が　いくらあっても足りないものでした。
ブラックマンのこう強い感じっていうか…。
う～ん…ちょっと原画を持ってきてくれる？
はい。
（チャイム）
あ…　ごめんなさい　こんな時間になって。
さっき　ちょうど寝たところよ。
茜さん　ごめんなさい。
いいのよ　大変なことは分かってるから。
仕事　持って帰ってきたの？
あっ　はい　終わらなくて…すぐ連れて帰りますから。
♪～
なつよ　よく戦っているぞ。