【格闘技】井上尚弥、WBSS決勝に闘志 弟・拓真とW王者だ!2019年8月27日 紙面から
さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で11月7日に行われるWBA・IBFバンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=出場のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝と、WBC同級暫定王者の弟・拓真(23)=大橋=が出場する同級王座統一戦の開催発表記者会見が26日、東京都内で行われた。井上兄弟のダブル世界戦は初で、尚弥は「自分のより緊張する試合が前にあって、居ても立ってもいられない気持ちになるが、拓真を信じてダブル勝利したい」と気合を入れた。会見にはWBSS決勝で尚弥と対戦する世界5階級王者で現WBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36)=フィリピン=も登壇した。 尚弥の表情が、さらに引き締まった。各団体の王者が集結した最強決定トーナメントWBSSの決勝で対戦する世界5階級制覇のスーパースター、ドネア、そして同日のセミファイナルで世界戦を行う弟・拓真がすぐ近くに座っている。舞台が整う中、たぎる闘志を抑えきれなかった。 「この試合が自分のキャリアでどんなに大事か自覚している。WBSSは初戦(初回KO)も準決勝(2回KO)もインパクトを与える試合ができたので、決勝でも与えたい。拓真とは同じ興行自体が久々。(弟の)試合は会場で見ると気持ちが入ってしまうので、控室のモニターで見ます」 ドネアはアマチュア時代から憧れてきた選手。尚弥が多くの対戦相手を沈める左フックもドネアの必殺ブローを参考につくり上げたものだ。2014年には練習をともにし、アドバイスを直接もらった経験もある。 「当時は対戦するなんて考えてもいなかった。WBSSにエントリーしてきたのを知ったときはうれしさと驚きの両方があった。WBSSで一番対戦したかった選手。自分の全てを出し切って(優勝者に与えられる)アリ・トロフィーを必ず獲得したい」と“恩返し”を誓った。 今後は9月中旬の走り込み合宿を経てスパーリング中心に仕上げる。「緊張感やハングリーさを入れるため他のジムへの出稽古も考えている」と貪欲に話すその目にはもう試合当日のリングしか映っていない。(藤本敏和)
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