「ゆっくり自動運転®」の公開実証実験を豊田市稲武地区にて実施しました(11/1)

2018/11/19


平成30年11月1日に、愛知県豊田市稲武地区にて、「ゆっくり自動運転®」の公開実証実験を、名古屋大学COIとたすけあいプロジェクト、及び豊田市との共同で実施いたしました。

 

「ゆっくり自動運転®」とは、名古屋大学COIで研究開発をしている、低速度・地域限定のドライバーレスによる移動サービスを提供する自動運転技術のことです。

現在名古屋大学COIには、超小型電気自動車をベースにした1号機と、小型電気自動車(ゴルフカート)をベースにした2号機とがあります。今回の実験では2号機を使用しました。

 

これまで、豊田市足助地区や春日井市高蔵寺ニュータウンなどで、公開実証実験を行ってきました。

今回の実証実験の場である豊田市稲武地区は、豊田市の北東に位置し、長野県・岐阜県と県境を接している、南部に高い山々が連なる中山間地域です。

 

デモに先立ち、武節町集会所にて、地域にお住いの方々に対し、名古屋大学COIの森川 高行研究リーダー(名古屋大学 未来社会創造機構 教授)と赤木 康宏特任准教授(名古屋大学 未来社会創造機構)が、「ゆっくり自動運転®」のコンセプトや実験の内容について説明しました。

 

説明会の様子

 

その後、場所を移し、自律走行デモを行いました。実験では、山里体験ができる施設「どんぐり工房」を発着地とし、市立稲武中学校と稲武商工会館を通るルート(約1.6km)を走行しました。これは、これまでの公開実証実験と比べて、ほぼ倍の距離となります。

 

当日の走行ルート

 

当日は晴天にも恵まれ、人々が見守る中、自律走行での右左折や横断歩道手前での待機など、これまで試行していなかった走行時の技術課題の検証も実施し、安定して走行できることを確認しました。

 

なお今回は、地域住民の方にご乗車いただいたほか、稲武中学校の生徒さんに自動運転に関する講義と体験を受けていただくなどして、自動運転車への理解促進にも努めました。

日頃テレビなどでしか見ない自動運転車に対し、中学校の生徒さんや地域の方々の興味関心は高く、研究者による説明を熱心に聞く姿が見られました。

 

 

走行中の様子

 

 

交差点左折

稲武中学校のロータリーを利用した転回

 

実験を終えて、赤木先生は「今回は一般車の規制を行わなかったため、後続車が自動運転車を追い抜けずに待機しなければならない場面があった。道を譲るなど、社会とゆっくり自動運転との親和性を高める機能の充実が必要だと感じた」と話していました。

 

名古屋大学COIでは、今回実験を行ったような中山間地域と、高蔵寺ニュータウンのようなオールドニュータウンという、異なる特徴を持つ地域において様々な実証実験を行っています。これらの実験結果をふまえ、それぞれの地域に最適な仕組みを検討しています。

今後も、よりサービスイメージに近い走行実証実験を行うとともに、その他の交通サービスも踏まえ、自動運転サービスの社会受容性や持続可能なサービスのあり方について、検討していきます。

 

 

⇒これまでの公開実証実験の様子はこちら

●愛知県豊田市五反田町(平成29年11月27日)

●愛知県春日井市高蔵寺ニュータウン(平成30年3月5日)

 

⇒「ゆっくり自動運転®」について、もっと知りたい方はこちらもご覧ください。

●NU COIリサーチ 「ゆっくり自動運転のチャレンジ」(動画)

●NU COIリサーチ 「ゆっくり自動運転のチャレンジ Vol.2」(動画)

●NU COIマガジン 第1回「ゆっくり自動運転®が拓く未来」(読み物)

 

 

※たすけあいプロジェクトとは、

 中山間地域における住民、特に高齢者の生活の質や、地域の持続性を向上させるための取組みとして、トヨタ・モビリティ基金の助成を受けて活動しています。

 詳しくはこちら⇒https://asukeaicar.com/information/index.html

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