あと1球、あと1アウトが遠かった。1点リードの9回。守護神・山崎が2死一、二塁から坂本勇に2ストライクと追い込みながら同点適時打を浴び、延長戦へ。最後は11回、エスコバーがサヨナラ被弾で自力優勝の可能性が消滅した。ラミレス監督は、背信の守護神に「いい投球だったが仕方ない。これも野球」と責めることはなかった。
3点を追う8回。1点を返し、7回から戸柱に変わってマスクを被った嶺井が起死回生の逆転2号2ラン。流れが傾いたかに見えた。
それでも、見せ場はここまで。9回に同点に追いつかれた山崎は「今日は勝ちたかった」と声を絞り出すしかない。巨人のマジック点灯を許し、3位に転落。4位の阪神も2・5ゲーム差に迫る。ラミレス監督は「マジックが出たからといって、終わりではない。直接対決も7試合残っている」と必死に前を向くしかなかった。 (石井智昭)