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先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


国会議員や高級官僚、大学教授等の子女はなぜ東大に入れるのか

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もともと長州閥で高級官僚を独占しようとしてできた学制です。
現在の日本の学制も、新しい時代に向けた抜本的な改革が必要であると思います。


20190821 東大赤門
画像出所=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO12144820W7A120C1000000/
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


実はこのことを教わったのは、まだ20代の初め頃のことで、聞いたときはすこしショックでしたし、そうではなくて本人の持って生まれた能力や努力の結果なのであって、そんなバカな!と、ものすごく否定的な思いでいましたし、だからどうだということも思いませんでした。
ただ、近年はこのことは、たいへん大きな社会のひずみを生むようになっていますので、あらためて整理してみたいと思います。

江戸時代までの我が国は、学制はなくて寺子屋と藩校が教育を担いました。
農家や商家の子でも、出来の良い子は、殿様が保護して高い教育を受けさせ、江戸や長崎への留学なども盛んに行われました。
そうして地元から優秀な官僚を出すことは、藩の誇り、地元の誇り、地域の誇りとされたのです。
その結果、農家の出身であっても、藩の武士の養子となったり、学者のいる塾の書生となったりして、高い学問を得ることができました。

つまり、「本人の意志」と「周囲の引き立て」が、英才をより英才に育てるという環境であったわけです。

ところが明治に入ると、この仕組は困った問題を引き起こしました。
もともと幕府の側に、優秀な人材が集中しているのです。
これを放置すれば、明治新政府は、はじめのうちこそ官軍閥で政権の運営ができますが、世代が代われば、もとの幕閣の側の人たちが政治の中枢に戻ってしまうことになる。

そこでこれを潰すために仕組まれたのが学制で、親が社会的影響力のある高官で、子に特別な英才教育を受けさせることができる環境にある子しか、帝大に進学することができない仕組みにしたわけです。
つまり、
「親の経済的余裕」と、
「本人の時間的余裕」によってもたらされる、
「有料高価な英才教育」
によって、
「帝大に入った子でなければ、出世はできない」
としたわけです。



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20190317 MARTH


もっとも帝大に入っても、もとがアホなら、卒業はおぼつきません。
ですから、入りさえすれば、あとはエレベーターで卒業まで進むようにしました。
もちろん世の中には特別な英才がいて、特別な環境がなくても東大に合格し、そのまま省庁に高級官僚として入省してしまうこともあります。
その場合も、入省後の派閥で、官軍閥でなければ出世できない仕組みにしました。
帝大出の官軍閥でなければ省庁で出世できないのですから、それ以外で帝大を出た人は学者になったり、民権運動家になったりしたわけです。

もっとも官軍閥といっても、薩長土肥のうち、この仕組の恩恵を受けたのは長州閥だけで、男気の強い薩摩の人たちは、そうした仕組みを嫌ったといわれています。

要するに「有料の高価な英才教育を受けることができる子が、東大に入って社会の上層を担うようになる」というのが、実は明治以降に生まれた我が国の仕組みであったわけです。
もちろん、いくら良い環境に恵まれても、できの悪い子はいます。
例外はいくらでもあるわけで、そういうことを言い出すときりがないので、あくまでもこれは仕組みの話です。
けれど意外と世の中はこうしたことで動いていくのです。

この仕組を戦後もっとも利用したのが、戦後の闇市から、パ◯ンコ産業や、夜の水商売などで経済力を付けた人たちです。
この人たちには共通の特徴があって、日本に住んで日本人名を名乗り日本語を話すけれど日本人でない人たちで、なぜか話すときに上唇が動かなくて頬骨が高い。
この人たちは資金力にものを言わせて、子どもたちを優秀な高校、優秀な大学へと進学させました。

ところが1970年代くらいまでは、外国籍や帰化系の人たちは官庁にも上場会社にも入れませんでした。
そこで様々な運動をして、息子さんたちをもぐりこませ、見事採用になったら、毎月給料の他に、給料の2〜3倍の小遣いを渡して省内や社内で遊び仲間の人脈を作らせ、出世させていきました。

そして省内や社内で派閥をつくり、事実上、省庁や会社の運営を牛耳ると、今度は新卒者の採用を、彼らの同族を優先するようになりました。
こうしていま、省庁やメディア、大手企業の中枢部のほとんどすべてを日本に住んで日本人名を名乗り日本語を話すけれど話すときに上唇が動かなくて頬骨が高い日本人ではない人達が牛耳るという世の中ができあがっています。

この人たちは、人口の上からは圧倒的少数ですが、いまの日本社会の上層部にはかなりの数を占めています。
そしてこの人たちを仮に排除しても、日本の社会の仕組みとしての学制が、明治以降の制度のままなら、また繰り返し同じことが起こるだけです。

日本は、誰もが豊かに安心して安全に暮らせる、よろこびあふれる楽しい国を目指して国つくりが営まれてきた国です。
これを古い言葉で「豈国(あにくに)」と言います。
そうした本来の日本の形を取り戻すためには、西洋かぶれと一部の門閥だけにしか門戸が開かれてない現在の社会システムは、大きく変更をすべきものと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。


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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

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