お気に入り記事の保存はアプリが便利!

logo_1101

2019-08-24

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・散歩していると、そのコースの道や街のことがわかる。
 散歩は歩いてするものだから、近所に詳しくなる。
 青山霊園の近くに「TOBICHI」ができたのも、
 ぼくの散歩コースだったために、
 ここはいい場所だと土地勘がはたらいたからだ。

 散歩と呼べるかどうかわからないけれど、
 自転車で目的地もなく動き回るのも、いいな。
 これだと、かなりの距離を走れるから、
 市だとか区の単位くらいで、いろんなことがわかる。
 いやいや、人は「わかる」ために散歩したり
 自転車に乗ったりするものじゃないのだろうけどね。
 あるエリアを流していく感覚で、
 読書するみたいに街を読んでいくのはおもしろいよ。
 外国に行って時間があったりすると、
 ほんとに文字通り街を読んで歩くよね。
 ときにはタクシーなんかを混ぜたりしてね。

 そう、タクシーは歩きじゃなく自動車だけど、
 特別に目的地もなく「あのあたり」に行ったりするのは、
 思えば、あれも散歩の延長なんだ、きっと。

 昨夜が二度目なのだけれど、ぼくは、いま、
 クルマで夜中に「散歩」をしはじめている。
 あの街のこと、この街のこと、街と街のつながり、
 このごろそういうことに興味があってさ。
 じぶんで運転して、気になっている街をうろうろする。
 もともと用事があるわけじゃないので、
 気が向いたら右折でも左折でもしちゃうし、
 コンビニで飲みものや食べものを買うのもいいし、
 「ああ、ここは、この駅に近いのか」だとか、
 「思ったよりここらへんはビルが多いんだな」とか、
 歩いて散歩している感じで、街を読んでいるわけだ。
 桜の並木なんかが気になりはじめると、
 咲いてもいないのに、花見を想像してたのしんだりね。 

 いまのところ、東京の中心に近いところから、
 つながりをたどって動いている感じなのだけれど、
 眠っている街の寝顔を見ていくのは、おもしろいよ。
 この遊びは、もう少し続きそうな気がするなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ひとり「はとバス」かな。いや観光じゃないんだよね…。


ここ1週間のほぼ日を見る コンテンツ一覧を見る