なぜ「韓国の常識は、世界の非常識」なのか 歪んだ教育が生む「選民意識」

韓国・北朝鮮新潮45 2018年3月号掲載

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 慰安婦問題や北朝鮮との宥和政策など、国際的な取り決めを一方的に反故にし、自分たちだけの勝手な理屈で動く韓国。なぜそのような理屈が通ってしまうのか。なぜ「韓国の常識は、世界の非常識」と言われるのか――。評論家の室谷克実氏は、「世界で稀な優秀なる単一民族、と教えられるからそうなるのだ」と解説する。(以下「新潮45」3月号、【特集】「非常識国家」韓国 「歪んだ教育が生む『選民意識』の国民たち」(室谷克実)より抜粋)

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「韓国の常識は、世界の非常識」と、かねて韓国ウオッチャーの間で言われてきた。

「お客様は神様です」との台詞は日本の上方芸人が言い出したらしいが、P・ドラッカーも難しい表現で同じようなことを言っていた。

「お客様は神様です」は資本主義が発達した国では常識だ。もちろん韓国でも「お客様は神様です」だ。

 ところが、韓国の場合は「神様の偉さ」が度を超えている。

 例えば「韓国の神様」は、衣料品店に外出の際に1度、あるいは2度ぐらい着た服を持ってきて、「気に入らないから返品する。金を返して」と要求する。店が断ると「消費者をバカにしている店だとネットにいろいろ書いてやる」と恫喝する。

 仕方がなく店が返金に応じても、それでは終わらない。謝罪要求が続く。店員に土下座を強要するような「神様」が韓国にはたくさんいる。(中略)

 店が「神様」をバカにすることも多々ある。前述の衣料品店なら、返品された服を新品として大人しそうな客に売りつけるのは当たり前だ。

 飲食店で、客の食べ残しを次の客に出すのは、まさに“韓国の常識中の常識”だ。

 気に入らない客が来たら、痰を吐き入れたドンブリを出すことも珍しくない。

 日本人からすると「信じがたい非常識」「悪質きわまる」となるだろうが、まるで武勇伝を記録するかのように、そうした場面を映したユーチューブはたくさんある。

 ソルロンタン(牛の頭などを煮込んだ白濁したスープ料理)や、粥の類は要注意だ。

「高級ホテルで食べる鮑粥なら大丈夫」などと思ってはいけない。なにしろ「世界の常識」が通じない国なのだから。

選民思想と自己主張の国

 なぜ韓国では、「世界の非常識」が常識になったのだろうか。

 私は教育によるところが圧倒的だと思っている。

 韓国の教育は、賤民いや選民思想に基づく。

「われわれは世界でも稀な単一民族であり、世界で最も優秀な民族だ」

「われわれは加害者になった歴史がなく、常に被害者だった」

「世界中の民が韓国に憧れている」

「われわれの価値観は常に正しい」

「日本人は文明的に遅れた民族であり、われわれは日本人に対して常に道徳的優位にある」

 こんなことを幼い時から刷り込むのだ。そして、協調性の大切さよりも、自己主張を立派にできることの重要さを教え込む。

 では、そうした「正しい教育」を受けて育ち、物心がついた頃に見る韓国社会はどんなものなのか。

 私利私欲に走ることが当たり前であり、悪いことをしても見付からなければ良いとする社会だ。

 滅私奉公の精神など存在しない。その逆の「滅公奉私」が彼らの基本的価値観だ。

 原子力発電所で大事故が起きたら、大惨事になる。

 福島原発の大事故の際、東京電力の現場は、まさに滅私奉公の精神で対処した。

 韓国では、安全性に細心の注意を払うべき原発に、性能証明書を偽造して不正部品を導入した。原発を運営する国策会社の社長を含む幹部、部品納入会社の関係者ら百余人が逮捕された。

 自分の懐が温まるのなら、世界の常識である「原発の安全性」など、どうでもいい――まさしく私利私欲が公益に優先する滅公奉私の社会だ。

 そして「見付かっちゃったとは、運が悪かったね」で終わるのだ。

 端的に言えば、公徳心の欠片もない社会であり、誰もが常に「騙されないようにしなくてはいけない」と身構えている総体的不信の社会だ。

 が、彼らにとっては、それが「世界中が羨む韓国社会」なのだ。

 だから彼らは、世界のどこへ行っても「韓国の正しい常識=世界の非常識」を貫こうとする。

 それが外国人から批判されると、「遅れた民族は、われわれの進んだ常識に対応できずに文句を言っている」と思い込む。

 例えば、韓国の留学生は、図書館で地図帳を借りては、「日本海」あるいは「ジャパンシー」(JAPAN SEA)とある表記を消して「東海」(EAST SEA)と書き込む。

 最近は「東海」(EAST SEA)と印刷されたシールが、留学に出る学生に国策団体から渡されるという。

 公共の図書館の蔵書に、そんな工作をするとは、まさに「世界の非常識」だ。ところが彼らは、図書館の職員に見つけられ注意されると「正しい知識を、遅れた国の民に教えてやっているのに何が悪い」と居直るのだ。(中略)

 韓国の教育は、韓国人に自国に対する限りない自信を与えている。韓国人にとって“進んだ韓国型常識”で動いている韓国は「素晴らしい国」なのだ。(後略)

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 全文は「新潮45」3月号に掲載。韓国社会の「信じがたい非常識」の実例や、韓国を知る日本人ほど韓国を嫌うという実態、韓国で行われる国際イベントの杜撰な運営体制などを詳しくレポートする。また、同特集では他にも「自滅に向かう『親北トンデモ外交』」(李相哲)、「『願望』史の国」(八幡和郎)など、「非常識国家」韓国を多角的に分析する。

室谷克実(むろたに・かつみ)
評論家。1949年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。時事通信社に入り、政治部記者、ソウル特派員、宇都宮支局長などを歴任。『悪韓論』『呆韓論』など著書多数。最新刊は『韓国リスク』(共著)。