今秋のドラフト1位候補で、22日に閉幕した夏の甲子園大会で準優勝した星稜(石川)のエース右腕・奥川恭伸投手(3年)が23日、金沢市の同校に凱旋(がいせん)した。生まれ故郷の石川県へ久々に戻って一息ついた奥川は、高校日本代表のチームメートとなる大船渡(岩手)の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)と共闘して、Uー18W杯(30日開幕、韓国・機張)を制しての世界一達成を誓った。
甲子園を熱くした右腕の目が次の舞台へ向いた。金沢に戻った奥川は「ホッとしました」と頬を緩めた。しかし、すぐU―18W杯が控える。2年連続となる高校日本代表では、大船渡の佐々木が再会を心待ちにする。世界一を目指す奥川は最速163キロ右腕との共闘を早速、宣言だ。
「4月の合宿での別れ際に『会えるのを楽しみにしている』と言っていたし、もう一度再会できるということなので、一丸となって頑張りたいです。自分の体が最優先になりますけど、(佐々木との)リレーができればうれしいですね」
2年生で唯一、高校日本代表に選ばれて出場した昨年のUー18アジア野球選手権大会(宮崎)。奥川は1次リーグの2試合に登板したが、チームは3位フィニッシュ。1学年上の先輩たちが悔しがる姿を見て、「何もできなかった…」という後悔の念を覚えたという。
それから1年。吉田輝星(日本ハム)や小園海斗(広島)ら先輩からの激励に気持ちを高ぶらせる奥川は、宮崎で味わった苦い思いを2度と経験したくないと誓う。だからこそ、佐々木らチームの仲間と手を携えて高校日本代表を勝利に導く。
「(昨年の)悔しい気持ちをしっかり返せるよう頑張りたい。自分もしっかり気持ちを切り替えて(韓国に)乗り込みたい」。チーム合流に向けて、24日に金沢を出発する奥川。甲子園の輝きを国際舞台でもいかんなくみせる。(川越亮太)