【バーゼル(スイス)平野梓】バドミントンの世界選手権第5日は23日、当地で各種目の準々決勝を行い、混合ダブルスで第3シードの渡辺勇大(22)、東野有紗(23)組=ともに日本ユニシス=は第5シードのチャン・ペンスン、ゴー・リューイン組(マレーシア)に2―1で逆転勝ちし、準決勝に進んだ。3位決定戦がないため、同種目で日本勢初のメダル獲得が決まった。
日本勢で唯一、世界選手権でのメダルがなかった混合に、メダルをもたらした。渡辺、東野組がマレーシアペアとの死闘を制して4強入り、銅メダル以上が決まった。勝利の瞬間、両手を回して会場の歓声をさらに盛り上げた渡辺だったが「すごく自信になるけれど、目標は優勝。まだ終わりじゃない」とすぐに気持ちを切り替えた。
第1ゲームは強打を続けたが、カウンターを食らって競り負けた。第2ゲームからは2人で話し合って緩い球出しから攻撃の展開をつくる作戦に変更。2人の連続攻撃も生まれ、逆転勝利で7月末のジャパン・オープンでストレート負けを喫した相手に雪辱した。
昨年1月から元マレーシア代表コーチのジェレミー・ガンさんが混合専任で日本代表のコーチに就任。互いに話し合い、理解を深めるよう指示されていた。それまでは練習後も会話がなかった2人が常にコミュニケーションを取り、試合中のスムーズな作戦変更などを実現させた。
「今日は緊張感のある試合で、勝っていても油断できない混合の面白さを見せられたと思います」と東野。さらに上を目指し、混合の希望の星となる。