1グラム5555円! 金が40年ぶり高騰 背景に経済の先行き不安か 買取専門店は客2割増 福岡市
世界経済の先行きが不透明になるなか、上昇しているのが金の価格です。
貴金属地金の販売大手・田中貴金属工業によりますと、2019年に入って1グラムあたり4600円から4700円台を推移していた金の価格は、6月に4945円、7月には5022円、そして23日はさらに高い5555円、約40年ぶりの高値になっています。
そんな中、福岡でも金の売買が活発になっているようです。
まばゆいばかりの金ののべ板。
金が約40年ぶりの高値をつけたこともあり、福岡でも金の売買が活発になっているといいます。
ここは福岡市天神にある、貴金属などの買い取り専門店。
さっそく取材を始めると…
店員:「こちらにどうぞ」
スタッフに案内されて入ってきた女性。
客:「きのうも実は来たんです」
店員:「ありがとうございます」
客:「きのうの流れで、きのうちょっと大きいの持ってきたんですけど、きょうは小物を持ってきて。
いくらくらいになるのかなと思って」
そう言って取り出したのは、金のネックレスなど6点。
10年以上前に購入したものだといいます。
この女性は前日にも金のネックレスを持ち込んでいて、その買い取り価格は30万円以上に。
今回は果たしていくらの値が付くのでしょうか。
店員:「こちら14万円でお買い取りさせていただくのはいかがでしょうか」
客:「そうなんですね…」
店員:「(前日の)半分未満の重量で金額的にも半分くらいなので、妥当といえば妥当かもしれないです」
査定の結果、ネックレスなど6点のうち、あわせて4点を8万3000円で買い取ってもらうことに。
2日連続の高額査定に、女性もこの表情です。
【女性客】
「ニュースを見てて、金が高騰しているって読んで。
こんなに金が高騰しているっていうのはここ何年なかったと思うんですよね。
なのでいいタイミングかなと思って。
とりあえずこれはすぐ貯金通帳に入れて、金が下がったところで自分の好きなデザインだったり、今の目で選んで買おうかなって」
買い取り専門店によると、金の価格高騰に伴い、この女性のように金の宝飾品を持ち込む客が増加傾向にあるといいます。
【なんぼや 原田靖之 スーパーバイザー】
「6月・5月くらいですね、それくらいから徐々に上がってきたんで。
そこからどんどん増えています。
(金を持ち込む客が)2019年の頭から考えると20%くらいは増えている印象」
貴金属地金の販売大手・田中貴金属工業によりますと、2019年に入って1グラム4600円から4700円台を推移していた金の価格は、6月に4945円、7月には5022円、そして23日はさらに高い5555円となっています。
この背景にあるのが、アメリカと中国の貿易摩擦など“世界経済への不安感”です。
【ギンザタナカ 片山竜也 店長】
「インフレ懸念があったり、先行きが不透明で不安感がある。
そうなると安定資産である金が求められるわけですね。
世界的に売れているということは、先行きの不安定さから、安全資産に一部変えておこうという動きが強まっている」
一方、金を売る人がいれば新たに購入を検討する人も。
令和と書かれた金の大判。
このほか黄金の仏具も。
天神の大丸では、金の製品を集めた「金の祭典」が開かれ、約200点が展示・販売されました。
会場に足を運んだ人に話を聞くと-
【女性】
「まばゆいばかりで福が来そうだと思いました。
暴落とかすると、お札は紙切れになってしまうけど、金は資産価値があるから余裕があれば買いたい」
【男性】
「実際持てたら幸せだろうなと思いますね。
今はどっちかというと“売り”かなと思いますね。
ちょっと下がってから買ってっていう感じかなと思います」
経済の先行きが見通せないなか、安定資産とされる金は、今後どのような値動きを見せるのでしょうか。