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2019-08-23

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・何年か前、いまごろの時期のことだった。
 どうも、なんだかとても疲れている感じがある。
 短い時間ならなんとかなるのだけれど、
 長い時間、しっかりしていられないのである。
 目を閉じて、なんにもせずに横になっていたい。
 でも、休むというほどのなにかがあるわけじゃない。
 というようなことを家人に愚痴っぽく言ったら、
 「夏バテじゃない?」とかんたんに答えられてしまった。
 「え? 夏バテ?これは夏バテなのか!」
 ぼくはびっくりした。
 その3文字で表されたぼくの状態に、
 「ああ、そうだったそうだった」と
 納得することができなかった。
 これが「夏バテ」というものなのか、知らなかった。
 そういえば、なのだけれど、
 ぼくは夏バテというものを、
 自覚的に経験したことがなかったようだ。

 しかし、翌年も、この時期に、そんなふうになって。
 これは去年にもあった不調だと気がついた。
 去年、指摘されたあの「夏バテ」というものだ。
 わかったら、ありふれた風邪を引いたときのように
 けっこう気がらくになった。
 そしてさらに次の年も、この時期に「夏バテ」をした。
 ぼくはある年齢のころから、
 毎年「夏バテ」をする人間になっていたのである。

 そして忘れもしない2019年、というか、今年。
 いつも目を閉じたい、頭痛のような感じがある、
 なにかを考えることが億劫である、ただただ眠い。
 来た来た、来ました「夏バテ」さんです。
 効かない効かないと文句を言ってたエアコンが、
 効きはじめたせいかもしれないし、
 なんやかんやで睡眠不足が続いているせいもあるが、
 やっぱり、季節の変わり目の体調の変化なのだろう。

 とか、ひとりごとめいた文を力なく書いて、
 Macから目を離し、さっと振り向いてあなたに言おう。
 「どうですか、夏バテしてますか?」。
 おたがいお身体、お心、おいたわりましょうね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
しばらくは、ゆるやかな小川のせせらぎのように生きます。


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