サプライズ的マニュアル
みなさんこんばんは~アルバイト レナートです。 今回紹介するのはこちらの凶悪そうな一冊...!
ダムダム弾のカタログです。 ダムダム弾は人体に命中すると弾頭がマッシュルーム状に変形、体内に酷い銃創を負わせることで高い殺傷能力を誇りました。 英国がインドのコルカタ(カルカッタ)近郊のダムダム・アーセナルで製造させていたというのは有名な話、しかしドイツ語でも「Dum-Dum-Geschosse」と呼ばれていたとは知りませんでした。 「ダムダム弾」という名称は当時のホロー・ポイントやソフト・ポイント弾の代名詞だったのでしょうか?
中身は各国のダムダム弾のイラストが掲載されています。
左ページからベルギー・モーゼル7.65mm弾、リーエンフィールド小銃の7.7mm(7.69mmとの記載)、右ページはレベルやベルチェーの8mmルベル弾、モシンナガンの7.62mmX54R弾です。
相変わらずドイツ語が分からないため機械翻訳してみましたが、説明文は各国の小銃についてのスペックが書かれています。 「銃剣を着けると何センチ、重さ何キロ」などと書かれており、ダムダム弾とあまり関係ないような...。
飛ばしてしまいましたがドイツとオーストリアのページもありました。 どれの弾も見た目は(白黒イラストと言うこともあってか)通常弾と変わらないように思えます。
いろんな国で使用、製造された人気者!モーゼル系はこちら
10発入る!つよい!SMLE系はこちら
フランスらしい優雅なデザイン、ベルチェーはこちら
小柄なスラヴ娘、モシンナガンM1944騎兵銃はこちら
左ページ下に「Japan」の文字を発見しました! 口径6.5mm「Mod.97」なるダムダム弾?
調べてみると三十年式歩兵銃に使われた三十年式実包が1897年に採用されたので、これのダムダム弾かな?
ちなみに日本では明治33年(1900年)11月22日に「体内ニ入テ容易ニ開展シ又人ハ扁平ト為ルヘキ弾丸ノ使用ヲ各自ニ禁止スル」という勅令が出されましたので、三十年式実包の採用から僅か3年ほどで使えなくなった訳ですね...。 配備された時期的に義和団の乱(1900年6月~8月)と被っています。 憶測の域を出ませんが、もしかすると義和団の乱鎮圧に使われたかも...です。
三十年式歩兵銃(現在売切れ!)はこちら
クラグ・ヨルゲンセン小銃(現在売切れ!)はこちら
6.5mmカルカノ弾と三十年式実包って似てますよね。カルカノ系はこちら
各種弾頭と命中後の変形。 フルメタル・ジャケット弾の貫通銃創なら(急所を逸れれば)助かる余地はありそうですが、ダムダム弾が体内で暴れまわったら...。 「マッシュルーム状に変形する」という固定概念があったのですが、上から2個めのイガイガした奴はかなり凶悪! 撃たれて助かったとしても取り出すのが大変そう...しかも手術は野戦病院かぁ((;゚д゚))アワワワワ
「考えただけで血の気が引くなぁ...」と思いながらマニュアルを袋に戻そうとするとパサっと落ちてきました。 何かと思って見ると、ヒゲ文字のカッコイイ新聞紙の切れ端!? 1914年9月、マルヌの戦いで西部戦線が膠着し始めた頃の日付が印刷されています。 何たるサプライズ!
裏面にはダムダム弾の記事が載っていました。 マニュアルの所有者がどういう経緯で新聞の切り抜きを挟んだのか気になるところ!
また機械翻訳に頼ってみると、「捕虜から押収(鹵獲?)したフランス軍のダムダム弾」ということでした。
Wikipediaの「Expanding bullet」のページに同じ構図の古写真を見つけました。 弾の並び方が酷似しているので、新聞イラストの元になった写真だと思われます。 Wikiの写真に付けられたキャプションは「German WWI propaganda: French Dum-Dum bullets」となっていました...。
当時の新聞記事が出て来たり、各国のダムダム弾について勉強になる一冊でした。 100年以上前の物にしては程度良しですね! 折れや僅かな破けはありますが、ページの脱落等はありませんよ。
イギリスが反乱鎮圧や植民地戦争を優位に進めるために作ったのがダムダム弾、植民地を持つ列強各国がこぞって配備したくなるのも分かりますね。 改めて帝国主義のあった時代は凄まじいと思いました。
最後に写真には載せ切れなかったダムダム弾とそれらを使う小銃たちです!
マンリッカー系はこちら
シュミット・ルビン系はこちら
スプリングフィールド M1903はこちら
ダムダム弾は無いけれど、各種ダミーカートはこちら
100年前の香りと古新聞 ダムダム弾 カタログはこちら
本日のワンポイント情報!!
先日、買取りで入荷した古式銃コレクション (銃砲刀剣類登録証付古式銃) 1挺をHPとDetailed Photos(詳細画像)にアップいたしました。 ぜひHPをご覧ください。
・ 管打式 馬上筒 (鳶ノ尾銃身) ( 15万円、税別 ) はこちら
ルパンを射殺するために送りこまれたICPOの鬼デカで、次元曰くバッチを付けた殺し屋
M65フィールドジャケット?を着た大柄な男、44口径のコルトパイソンを使用し、やることがハチャメチャ…
(そのコルトパイソンの発射音も他と差別化せれており、「ヒュゴー!」とカッコいい!)
ルパンを射殺するのに使用したのがダムダム弾でした。
ここでは、マッシュルームに変形するのではなく、岩をも貫く撤甲弾のようなモノで強烈な弾薬として描かれていました。
反動が強烈過ぎて、次元に(そんなドデカイ拳銃をぶら下げているから片手では撃てないのさ…)と。
実際には44口径のコルトパイソンはないようですが…(44口径はアナコンダ?)
そのダムダム弾を使用したビューティに、銭形のとっつぁんが噛みつく。
うろ覚えのとっつぁんに、次元がベルサイユ条約でダムダム弾の使用が禁止であることを説明(ダムダム弾の禁止はハーグ陸戦条約では…)
ベルバラ条約で禁止されてると、とっつぁん…
(ベ、ベルバラって…)
最後は、水銀弾を使ってルパンが勝つのですが、弾薬の威力より先に当たるかどうかの問題にのように思うのですが…
まあ、とにかく強敵との対決、銃や弾薬が細かく描かれている楽しいエピソードでしたね。