魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD   作:トータス

3 / 31
まぁ、こうなるのではないかと想像して見ました。


初めての温泉旅行?

高町家前

 

 

 アリサお嬢様とお爺ちゃんと一緒!

すずか姉様となのは姉様も!

 

「では、お嬢様と、デュオをお願いいたします」

「はい、承りました」

 

 そう言って引き渡された!

 

「じゃあ、こっちよ。いらっしゃい」

 

 そう言って、桃子さんに抱き締められ、身動きが取れない様に固定された!(=チャイルド・シート)

その後、全員がそれぞれ車に乗り込んだ。

 

「さぁ、準備は完了! 行きましょうか!」

「「「「「おー!」」」」」

【何処ヘ!? 何処ヘ連レテ行カレルノ!?】

 

 その疑問に応えてくれたのは、なのは姉様だった。

 

「これから温泉に行くんだよ? 温泉て、分かるかな?」

【温泉? エット、地脈デ温メラレタ水ガ、地表ニ出テキタモノ?】

「にゃ!? ど、何処でそんな専門的な事を!?」

【??? ・・・ジョーシキ?】

 

 その一言に打ちのめされた様に、なのはは項垂れた。

その様子を見て、心配する二人。

 

「な、なのは? 如何したの?」

「なのはちゃん、大丈夫?」

「う、うん。ちょっと、びっくりした事が有って・・・」

「具合が悪いのなら、言いなさいよ?」

「窓側が良いかな?」

 

 気遣う二人、気持ちが悪いのであれば、乗り物酔いするかと心配している。

 

「にゃはは、ありがと。

一寸休めばだいじょうぶだから・・・」

【エット・・・オ家、温泉有ッタ! 爺チャン掘ッタ!】

 

 それを聞き、返事を返すユーノ。

 

【す、すごいお爺さんだね・・・】

「そ、そうなんだ。凄いね・・・」

【オー! オ家=秘密基地(アジト)? 作ッテタラ、掘リ当テタッテ!】

「にゃぁぁぁぁあぁ!」

 

 頭を抱え、取り乱すなのは。だが、その様子を見ていた二人にはその声は聞こえない・・・

 

「なのは、思い詰めてるのかしら・・・」

「なのはちゃん、大丈夫かな?

疲れておかしくなんて、ならないよね?」

 

 そんな心配をしていた・・・

傍目からは、独り言を言っているようにしか見えなかったり・・・

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

男湯

 

【オオ! コレガ温泉!? オ外ニ、オ風呂!?】

 

 その様子を見て、士郎さんはある程度その心中を察したらしい。

 

「はは! ビックリしたかい?

ココは露天風呂と言って、外や空を眺めながらお風呂に入る事が出来る場所なんだ」

 

 目を丸くしているその様子を見て、その声を聞いてはいないが、士朗さんはそう説明してくれた。

 

「ま、驚くよな。

こんな風に風呂に入った事は無いと思うし・・・

良い経験になったんじゃないか?」

 

 そう言う恭也は、隣が気になるのか、チラチラと垣根の方に目を向けている。

隣では、キャッキャ! ウフフ! と嬌声が響いている。

 

 隣からはオッキイとか、・・・がキレイだとか・・・色々聞こえて来るが、そんなモノは自分には関係ない!

今は今を楽しむまで!

今はアソコ(=湯船)に跳び込むの!

そんな風に考え、思い切って走りだそうと・・・捕まった!

 

「ははは! 駄目だぞ?

まずは、掛け湯をして、体を洗って、それからゆっくりと入るもんだ」

 

 そう言って、両脇から手を差しこまれ、持ち上げられた。

見透かされた様だ。

 

「父さん、良く分かったな」

「なぁに、経験は有ったからな。

お前もそうだったから・・・」

「な! そ、そんな事、したかな?」

「ははは! 覚えてはいないかもしれないが、しっかり跳び込んでいたぞ!」

「そ、そうだったかな? よく覚えて無いなぁ」

 

 空と惚け、話を逸らそうと試みる恭也。

束縛からは逃れられないと観念し、大人しく洗われ、作法を教わるデュオ。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 ・・・熱い。

・・・浸かってられない!

 

 ザバッと立ち上がると、

 

「ん? 一寸熱かったかな?

少し上がって体を冷ますと良い。余り冷める様だったら、また浸かるんだよ?」

 

 コク!

 

 そう言って、湯船から上げて貰った。

涼しい所、風に当たれる所・・・有った!

 

 そこは、隣の垣根との境に有る大岩。

そこをよじ登る。

 

 

 それに気が付いたのか、

「あ! おい! 気を付けろ!」

 

 そう言って、登るのを止めようと寄って行くが、そこへ引き止める声が掛った。

 

「恭也。お前がそっちに行くと、不味い事になるぞ」

「? 何でだよ」

「アッチ側に誰が居るかを考えろ」

「! ・・・分かった」

 

 顔を赤く染めながら、お湯に沈んで行く。

 

 

 大岩を登り切り、風に当たっていると、下から声を掛けられた。

 

「にゃ!? そこは危ないよ!」

「あー! そんな所に登って! 危ないでしょ!

こっちに来なさい!」

「あらあら、こっちに来たいの? じゃあ、いらっしゃいな」

「わ! すごーい!」

「へぇ、中々やるじゃない!

流石は男の子ね! 

でも、そこは危ないから。こっちにいらっしゃい、洗って上げるから」

 

 そんな事を言われながら、抱き上げられ、連れて行かれた!

 

【何? 何?】

「・・・なぁ、父さん」

「・・・言うな、恭也。羨ましくは無いぞ、決して」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

女湯

 

「あら? 大きな傷痕が・・・」

「あ! それは、見付かった時に有った傷ね」

 

 右頬から額に掛けて、薄っすらとではあるが、違いが浮き出て来た。

血行が良くなり、傷痕がハッキリと浮き上がった。

 

「うわぁ。もう、痛くないの?」

 

 コク!

 

「それにしても、どうしてそんな大怪我をしたんだろうね?」

「それが・・・分かんないのよ。

近くでそんな事が有った形跡も無いし、行き成り現れたみたいだったし・・・」

「そうだよね。あの辺りは隈なく探したけど・・・

何も見つからなかったし・・・」

「ふうん。 でも、それじゃあ、何処から来たのかとかは?」

「あ、こっちの言ってる事は通じるんですよ。

言葉はそう違わないみたいで。でも、いろんな言葉で話しても、それぞれ理解出来てるみたいで、特定できないみたいですね」

 

 そんな会話が頭を洗われている間中、聞こえて来た。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 さっぱり、スッキリした所で、先に休憩所とやらで待つ事に。

身支度に時間が掛るとか、退屈だろうから先に場所取りを任された!

 

 責任重大!

 

 あ、先客発見!

??? 見覚えが・・・腰まである赤い髪の女性。

 

「ん? あー! あん時の!」

【・・・アウフ?】

「・・・へぇ、覚えてるんだ。

そう言えば、名乗って無かったね。

私はアルフ、フェイトの使い魔だよ。

・・・所で、どうしてここへ?」

【温泉!】

「温泉? ジュエル・シードじゃなくて?」

【何? ソレ? ビー玉ガドウカシタ?】

 

 その反応は予想していなかったが、頭を切り替えるアルフ。

それならそれで敵対する事も無いだろうし、協力して貰う事も可能かもしれないと考える。

 

「・・・ああ、知らないんだったら、いいんだ。忘れて。

そうそう! この間はありがとうね。

おかげで助かったよ!

・・・じゃあ、コレはお礼って事で!」

 

 そう言って、フルーツ牛乳を差し出される。

 

【??? アリガトー!】

 

 何故くれるのかは判らないが、知ってる人《?》だし、問題無い?

そうこうしていると、後ろの方から、ワイワイとした声が聞こえて来る。

 

「あ!」

「? なのは?」

「どうしたの? なのはちゃん」

 

 その事を不審に思い、視線の先に目を遣る二人。

見知った顔が、知らない人から何かを貰い、ニコニコしている。

 

「ん? へぇ、こんな所で出会うとはね」

 

 アルフは、物騒な言葉使いで、なのはに近寄り、凄味を込めて耳打ちした。

 

「ジュエル・シードから、手を引きな。

アレはウチ等が手に入れる」

「駄目! アレは危険なモノだから。

それに、ユーノ君が集めてるモノだから、そう簡単には渡せない!」

「・・・なら、競争だね。

アレは私らが集める。

管理局には渡さない、フェイトの為にも!」

 

 それだけ言うと、アルフは外へと出て行った。

 

「・・・負けません!」

 

 その場から離れて行く背に向かって、そう宣言するなのは。

 

「・・・ねぇ、何か有ったのかな?」

「さぁ、何がどうしたんだか」

 

 話について行けず、置いてけぼりにされた二人。

そんな事は終ぞ気にせず、貰った牛乳を飲み干すデュオ。

一人と一匹は、次回こそはと意気軒高している。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 夜中、川遊びをしている夢を見ていたら、ユサユサと揺すられた。

なのは姉様とユーノに起こされた。

 

「・・・デュオ、デュオ」

 

 ゆっくりと起き上がり、真っ暗な中、聞いて見た。

 

【・・・ナァニ? ナノハ姉様?】

「おトイレ、行こうか」

【?・・・オオ! トイレ!】

 

 言われて見て、気が付いた!

 

「じゃぁ、こっちだよ」

 

 そう言うと、そっと手を取って、立ち上がるのを手伝って貰う。

 

【ナノハ姉様ハ、如何シテ分カッタノ?】

「にゃはは、何と無くかな?

それより。その、なのは姉様って、そんなに丁寧じゃなくてもいいよ。

もっと普通に、なのはお姉ちゃんって呼んでも良いよ?」

【・・・ナノハ姉様ジャ、ダメ?】

「うーん、そう呼びたいなら、良いのかな?

所で、アリサちゃんやすずかちゃんは、なんて呼んでるの?」

【アリサ御嬢様ト、スズカ姉様!】

「そっか、でも、何で?」

【オ爺チャンガ、公私ノ区別ヲ付ケル為ニ、敬ウベキ相手ニハ、敬意ヲモッテ接スル様ニッテ!】

「・・・それって鮫島さんが?」

【ソー! ダカラ、ユーノハユーノ。

男ナノニ女湯ニ入ッテこーふんスル様ナノハ、敬ワナクテモ良イ?】

「え?」

【な、何を言ってるのかな!?

アレは不可抗力なんだ!

ダカラ、事故なんだ!】

【・・・ソーナノ?

前ニソンナ奴ハ、インジューダッテ聞イタヨ?】

【だ、誰に?】

【??? 誰ダッケ? ンーット、エーット、オォ! 悪人!】

【そ、それは、その人が悪いよ。

その人、悪人なんでしょ?

そうだよね、なのは!】

 

 否定して貰いたい思いから、なのはに確認を取るユーノ。

 

「え? う、うん。そうだね。

悪い人の言う事は、聞いちゃ駄目だよ?」

 

 その一言が、後々の騒動にも?

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 なのは姉様は、トイレまでついて来てくれた。

トイレの前あたりで、ジュエル・シードの反応が有ったとかで、そっちへと行ってしまった。

 

 トイレは間に有ったし、部屋も判るから、大丈夫かな?

でも、暗くてコアイ!

 

 

 

 暫くしたら、士朗さんが捜しに来てくれた。

部屋までは視点が高く、楽チンだった! =肩車

 

 でも、頭をブツケタ!

痛かった!

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・




次回 意外な友人? 急転する事態!

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。