魔法少女リリカルなのは DOUBLE STANDARD 作:トータス
その日常と、仕事編に成ります。
本編開始と相成ります。
こうなったのではないか、こうするのではないかと言った事を捏造しております。
三篇を一括りとしてまとめております。
数週間後
バニングス家での生活にも慣れ、今は一つの仕事を任される事に。
非常に重要でも有り、重責を伴う。
子供には無理だと思われたのだが、割と器用にこなしている。
周りの援護もさることながら、大変好意的に歓迎されてもいる。
その仕事は、割と重労働でもある。
実際、
その
それでも、黙々と与えられた仕事をこなす。
その仕事の名は、犬達の世話。
熱烈な歓迎を受け、実際に嘗めまわされ、
傍目には戯れている様にも見えるが、これも立派な仕事の内で有る。
時間が来れば、散歩と言う名のお出迎えに出る事も多々。
躾が行き届いている為、危険は少ない。
危険では無いとは言えないが、任せられるだけのモノでは有る。
アリサお嬢様を校門まで出迎えたりもする。
主に、荷物持ちとして。
但し、荷物を持った
主に、お供が咥えて帰ると主張する為、専用の籠を常備している。
偶に、背中に(自分が)載せられたりも・・・
今日も、そんな日である筈だった。
聞こえる筈の無い、声では無い声を耳にするまでは・・・
お嬢様の
それを、自分が他者に伝える術を持たない。
だから、頼んだ、頼れる
ただ、それが不味くもあった。
同時進行で走り出したものだから、中には興奮して競争だとばかりに走り出す者も!
誰が一番最初に見付けだすかと興奮気味であった!
自分は、その中でも一際大きな体躯にしがみ付いていた。
ただ、発見自体は供達が先で有ったが、或る一喝によって興奮状態は冷却された。
「ダメニャノォー!」
ビクリ! と、その動きを止め、声がした方を見る。
鬼気迫る様子で、迫る!
供達は、逆らうまいと、尻尾を丸めるモノ、服従のポーズをとるモノ、余りの怖さに粗相するモノも・・・
アリサお嬢様とご学友のすずか姉様も驚いている。
ただ、すずか嬢の手には、携帯電話が有り、録音中との表示が有ったとか・・・
後々、その事で弄られていたとか居なかったとか?
ともあれ、そこに居たのは、傷付き意識が無い様子のフェレット。
それを抱き上げ、急ぎ駆け戻る!
どうするかを相談し合う御三方。
ともかく、病院へと相成り。
携帯にて、鮫島に車を回させるとのお嬢様の言葉に、自分は置いて行かれる事が確定した。
一人ではないが、寂しくも無いが、虚しさだけは、拭えなかった・・・
・・・ ・・・
その後、お嬢様からは労いの言葉を頂いたが、納得は行かない!
だから、外でお泊りする事に。
慰めて貰う為に、獣臭くはあるが、温かく迎えられるそこへと足が向く。
幸いにも、歓迎して貰えた。
その夜、また声無き声が、聞こえた。
助けを求めるその声は、何処かで聞いた事が有るモノでもあった。
だから、応える。
【ダァレ?】
【あ、何方か知りませんが、助けてください!】
【・・・ワカッタ! 今カラ行クヨ!】
【お、お願いします! アナタとは他に、私の声に応え・・・】
唐突に途切れた。
どうやら、繋がり辛い様だ。
取敢えず、向かう事に。
だが、問題は幾つか。
まず、この時間に外には出して貰えない。
出られたとしても、そこまで行くには距離が有る。
その事を思案していたが、意外と簡単に解決した。
偶にご当主がお忍びで(居酒屋へ)お出かけする所を見た事が有った。
その日は決まっていて、丁度今日がその日であった。
コッソリ帰って来る時の為に、ある場所が隠し扉になっている。
そこから抜け出す。
時間が掛るかと思ったが、意外なアシが見つかった。と言うよりは、見付けられた、と表現するべきか?
バニングス家でも、一・二を競う巨躯である、アリスが送ってくれるとの事。(何となく意味が通じ合う?)
その背に乗り、誰かに見られた時様に変装として、お迎え時にお嬢様のご学友から貰ったお面を付ける。
貰った時、「是非これを付けて走ってくれ!」と言われたが、そのご学友はお嬢様から鉄拳を食らっていた!
「デュオは姫じゃない! 男の子だ!」との事だった。
「男の娘だったら、尚更だよ!」と力説していた!
通じている様で、食い違っている様な会話だった?
何でだろうね?
皆、笑うばかりで、誰もその意味は教えてはくれなかった。
ただ皆、期待はしていた!
応えはしなかった、お嬢様から厳命されたし・・・
でも、帰ったら散々、髪は解け、キュロットを履け、コレを持てと飾り物の槍まで持たされた!
更には、化粧まで・・・白のドーランを塗り、紅を差したり・・・
・・・ ・・・
行く先々で携帯を向けられるが、先を急ぐので気にせず進む。
首輪もリードも付いているし、とやかく言われる筋合いは無い、筈!(子供が夜遅く一人で居る事に関してはスルー)
一寸早足になって貰えれば、収まる前に駆け抜けられる!
そんな姿を見ていた者達(酔っ払い)の声
「酔ってるな」
「・・・ああ、酔ってるんだな」
「姫様が現れたぞ!」
「はぁ? 何ほざいてる、まだ呑みたり・・・イヤ、酔ってるんだな」
「キャー! かっわいぃ!」
「ヤックルは何処に!?」
「猪神は!?」
「ん? 何だ何だ? おぉい、何がどうしたんだい?」
流暢な日本語を操る白人男性が、居酒屋の暖簾を上げながら顔を出した。
その問いに、傍に居た居酒屋の主人が応える。
「ああ、バン(バニングス)さん。いや、何だか、こすぴれ?とか言うのが見れるとか・・・
こっちに向かってるんだとさ」
「へぇ! それは珍しい。どんなんだい?」
「なんでも、狼に跨ったお面を付けた女の子だとか・・・」
「へぇ・・・あ、れ? それは最近見かけた気が・・・」
「おお! 見なせぇ! アレがそうだって話だ!」(主)
「どれど・・・れ!?」
「オイオイ、バンさん。顔色が悪いぞ?」(飲み仲間1)
「ん? おお! 呑み過ぎじゃないか?」(飲み仲間2)
「イヤイヤ、まだそんなに呑んでない筈だぞ?」(飲み仲間3)
「・・・済まない、今日は・・・早めに帰ろうかと思う、シロさん(飲み仲間4)には、今日は早めに引き上げたって伝えてくれ」
「お? シロさんからだ。
何々? 今日は来れなくなったって連絡が入ったよ」(飲み仲間5)
「ん? そうかい? だったら、勘定は次で良いから。
早めに休んでおく方が良い」(主)
「ああ、そうするよ。酒が変な所に入ったらしい。有り得ないモノが見える位だし」
「応、そうした方が良い」(主)
「済まないね」
「何、どうってこたァない。早く休みなよ?」(主)
「ああ、そうするよ」
そう言いながら、居酒屋を後にするバンさん。
・・・ ・・・
取敢えず、呼ばれた場所には着いた。
デッカイ毛むくじゃらが暴れてる。
それに、お嬢様のご学友で有る、なのは姉様が変身した!
更に、何だか見覚えが有る大技が繰り出される!
・・・コアイ、コアイ、コアーイ!
「あ、あの・・・もしかして、僕の話を聞いて、来てくれたんですか?」
そんな声が、下の方から聴こえた。
下を見ると、昼過ぎに見掛けたフェレットが居た。
【・・・誰?】
「あ、僕は、ユーノ・スクライア。
えっと、あのジュエル・シードを追って、こちらに来たんですけど・・・準備不足で倒れてしまい。
今は、こんな格好なんです」
【・・・スグライカ?】
「えっと、スクライアです。アナタは?」
【鮫島・デュオ、デス。
アレハ、マオー?】
そう言って尋ねたのは、砲撃を撃ち、ジュエル・シードとやらを封印している最中の、なのは姉様。
「あ! 彼女は、アナタと同じく僕の声を聞いて、駆けつけてくれた方で・・・マオー?」
コク
【アレハ、マオーノ一撃! コアァァイ!】
「えっと、魔王・・・で、合ってますか?」
【ウン! ボクモ、アレニヤラレタ!】
「で、ですが! 彼女は、今日初めて魔法を使った訳で・・・!」
ゾクッとする様な悪寒を感じ、振り返る二人。
「にゃ、にゃはは。な、何を言ってるのかな? 二人とも・・・」
そこには、笑顔で有るが背景に不穏な気配を漂わせた相手が・・・
ジリジリと、逃げ出せるように後方へと身を寄せる二人。
互いに互いを囮にして逃げようと、牽制し合う。
咄嗟に、デュオはフェレット【=ユーノ】を引っ掴み、放る!
「な! 何を!」
「にゃ! 逃げないの!」
なのは姉様は、咄嗟に投げられた方を捕まえようとする。
隙が出来たと思ったが、アシが動いてはくれなかった!
尻尾を丸めて動けなくなってる!
「で、誰が魔王なのか・・・
お話、しよっかなの!」
ユーノはバインドで雁字搦めに・・・共に連行されました。
・・・ ・・・
高町家へと、連行された・・・
コッソリコソコソと、家人には見付からない様に何とか部屋まで行くは出来た。
アリスは、門の所で待機。
「どう言う事なのか、説明して貰えるかな?」
「な、何で僕まで・・・」
プルプルカクカク、ガクガクブルブル!
「じゃあ、デュオは・・・何であそこに居たのか、教えてくれる?」
【呼バレタ!】
即答だった。
「あ、それは僕が呼び掛けて、来て貰ったんです」
「そっか・・・って、普通に喋ってる!?
デュオ、言葉が・・・?」
「あ、それは念話です。
コチラでは、一般的では無いのですか?
僕の呼び掛けも念話だったはずなのですが・・・」
「え? 念話?」
「はい。資質があれば誰にでも会得できるモノなんですが・・・」
「し、知らなかった!
じゃあ、これからはお話しできるね!」
なのはは、その事を素直に喜んでいる。
「だけど、それを当たり前に使える君はどうしてこの管理外世界へ?」
【??? ・・・事故?】
「えっと、ゴメン。もう少し、詳しく教えて貰えるかな?」
【・・・オ家ニ帰レル筈ノ機械ガ、壊サレタ?】
「・・・じゃあ、君は事件に巻き込まれてココに放り出された・・・次元漂流者なのかい?」
【次元ヒョーリュー?】
「そう。こっちに来る前に居た所が何処か・・・覚えているかい?」
【・・・ミッドチルラ!】
「?・・・ミッドチルダか。
だったら、帰れるかもしれないよ。
僕もミッドから来たし、もうじき管理局も来る筈だから」
「えっと・・・二人だけでお話しされても分からないなの」
「あ、ゴメン。彼と僕は、同郷の世界から来た見たいだったんで・・・」
「え? じゃぁ、帰っちゃうの?」
「・・・はい。でも、直にとまでは行かないと思います!」
「そっか。でも、家族が見つかると良いね!」
【・・・帰レル? 爺チャント、姉(ネェ)達ニ、会エル?】
「うん。帰れるよ」
「きっと会えるよ!」
【・・・逢イタイ・・・逢イタイヨォ!】
それまで堪えていた何かが、溢れ出す。
止めどなく、溢れ。
ボロボロと・・・零れ落ちる。
「え!? ど、如何しよう!」
「えっと、どうしようか!?」
慌てふためく二人に、ドアの外から声が掛けられた。
『なのは? どうかしたの? 入るわよ?』
「はわわ! ど、如何すれば!?」
「お、落ち着いて!」
「と、兎に角、隠れて! え?」
振り返ると、そこに二人《?》は居ない。
そう言いながら扉を開けて入って来たのは美由紀だった。
「どうしたの? 変な声上げて」
「えっと、あの、その、なの・・・」
何とも言えない沈黙に、美由紀が助け船を出す事にした。
「兎に角、お風呂、空いてるから。
久しぶりに一緒に入る?」
「う、うん! ちょ・・・」
兎に角、返事を返そうと視線を向けると、ある一点で止まってしまった。
「ん? 何?」
視線が上を向いたまま、固まっている妹を見て。
もしや、アレ【=G】が居るのかと、ゆっくりと視線を向けた。
居たら嫌だが、そのまま頭上に落ちて来てもイヤだ。
だから、ゆっくり振り返った。
視界に入ったのは、予想だにしないモノであった。
子供が、居た!
ドアの桟と、箪笥の端に足を掛け、天井に背中を押し付け踏ん張っていた・・・プルプル震えながら。
だが、力及ばず、落ちた!
「「キャアァアァ!」」
その悲鳴を聞き付け、駆け付ける男性陣!
「どうした! 何事か!」
「何が有った!?」
手には、蠅叩きと新聞紙を丸めたモノを手に飛んで出来た二人。
多分、アレが出たと考えた。
「キャァアア! かっわぃい!」
「「は?」」
その二人の視界には、抱き締められ振り回されるデュオとユーノ。
「なぁに? そんな声出して・・・」
「あ、お母・・・さん?」
「まぁまぁ、家の子に成りに来てくれたの?」
そう言いながら、デュオとユーノを抱き締める母。
強く抱きしめられたせいか、身動きが取れないで居る。
・・・ ・・・
夜遅くなった事から、今日は泊って行く事に。
抜け出した事がバレはしたが、大騒ぎになる前に連絡が行ったので問題なし?
リビングに泊めて貰った、タオルケットを借り、犬布団に包まり眠る。
翌朝、カメラのシャッター音で目が覚めた。
・・・ ・・・
お茶会にお呼ばれ ミニ執事編?
今日は、すずか姉様の邸宅へ。
お茶会に招待された。
コレも何かの役に立つからと、お茶の入れ方を教わる事に。
「良いですか? お茶を入れるのには、色々と準備が必要です。
お湯の温度、入れる手順、作法など、覚える事は多いです」
そう言って教えてくれるのは、ファリンと言うお姉さん。
もう一人、ノエルと言うお姉さんも誰かに似ている。
良く知った、誰かに。
何となく、似ている。
何処がと言うのではなく、似ていると、感じている。
アリサとすずかは、その様子を離れたテラスのテーブルから見ている。
「何か、意外ね」
唐突にアリサが話しだした。
「何が? アリサちゃん」
「ほら見て、すずか。デュオがあんなに懐いてる」
そっと、その様子を観察して見るが、そんなに変わった様には思えなかった。
「んー、そうなの?
いつもと変わらないようにしか見えないけど・・・」
「そうなんだけどね。
家に居る時より、元気かなって・・・」
思い当たる節は有るが、それは話せない。
「何かが、違うのかな?」
「そこが分かんないの。
家に来た時なんかは、不安げで、知っている人の後ろを付いて歩くだけだったから・・・
でも、初対面の時から、あんなに打ち解けた顔をしてる」
「ふぅん。良く見てるんだね。アリサちゃんは」
「まぁね。私の弟みたいなものだからね。
・・・所で、なのはは、遅れそうだって?」
「あ、ウン。
もう直ぐ着くって、さっき連絡が有ったよ」
「そう。でも、なのはも最近、付き合いが悪いわね。
それに、何か隠しているみたいだし」
「そうだね。でも、こっちに心配掛けまいとして、無理してるみたいだったね」
「そうなの! 隠し事は有るけど、隠せてないっていうか・・・
何か、イライラしちゃうのよ! あの態度!
相談してくれれば、力になろうってのに!
・・・一人で無理してる」
「でも、如何しても無理だったら、相談してくれると思うよ?」
そう言われ、一寸考えて見るも、
「・・・イヤ、なのはの場合。
無理してでも貫くかも・・・
それで、大事になるまで多分、相談しないかもしれないわ」
「そこまでは・・・するかも知れないね。なのはちゃんなら・・・」
そんな話をしていると、小さな執事がお茶を運んで来た。
ゆっくりと、慎重に、少しも零すまいと頑張る。
その所為か、テーブルに来た頃には一寸温くなっていたり。
・・・ ・・・
休憩する様に言い渡された。
だから、お庭で遊ぶ! 猫で一杯!
でも皆、眠そう。
だから、一緒にお昼寝する事に。
丁度、デッカイのが一緒に寝てくれるとか。
猫布団に丸くなるの!
・・・ ・・・
「な、何だこの猫! デッカイねぇ!」
「・・・多分、この子の願いは大きくなる事だったんだと思う」
「だとすると、願い事がキチンと叶えられたから、この大きさに?」
「多分。・・・じゃあ、この子からジュエル・シードを切り離すね」
「あ、おう! やっちゃおう! フェイト!」
何だか、うるさい・・・
頭上で誰かが喋っている?
「フォトン・ランサー」
「あ! 待って! フェイト!」
「え?」
「子供が一緒に寝てる!」
【ウルシャイノ! 寝テルノ! 静カニ!】
起き上がって、辺りを見回すと、空を飛んでる女の人と、誰かに似ている女の子が居た。
「ゴ、ゴメン! 起こしちゃったかな?」
フェイトはつい、謝ってしまう。
「フェイト。この子、魔導師だ。
ちっちゃいけど、こっちの世界の子じゃなさそうだよ。どうする?」
「どうするって、ジュエル・シードを取りに来た訳だし。
危ないから退いて貰って、それからでも良いと思う」
「じゃあ、そこは危ないから。退いてて貰っても良いかい?」
アルフは、そう言いながら、猫の上からデュオを抱き上げ、少し離れた所へと連れて行かれた。
【ウゥゥ、何スルノ?】
「ん? ああ、この仔を魔力ダメージのみで攻撃してジュエル・シードを取り出すんだ」
【ジュエル・シード?】
「ああ、願いが叶う石でね。この子の母親が欲しがってるんだ」
【オオ! オ家ニモ有ッタ! 一杯!】
「は? そんな訳ないじゃん!
そんな、家にゴロゴロしてるようなモンじゃないから」
【ブー! 爺チャン、ソレデ遊ンデタモン!」
子供にとって、大人が楽しげに作業していればそれは遊びに見える。
【オハジキニシタラ変ニナッタ!
ダカラ、封印? シテカラ遊ビナサイッテ!】
「・・・それって、ホント?」
その会話に興味を持ったのか、フェイトが尋ねて来た。
【ホント! 封印? 出来ルヨ?】
「まっさかぁ! 無理無理」
【ブー! ジャ、ヤルモン!】
そう言うと、腕の中から飛び降り。
巨大な子猫の元へ行き、お腹の辺りを弄る。
【・・・ア、アッタ! エット、アット、ジュエル・シード封印(フーイン)!】
小さな魔法陣が描かれ、猫はみるみる小さくなる。
「な!?」
「そ、そんな!」
「にゃ!?」
「え? ええ!?」
知らぬ間に、声が増えていた。
【出来タァー! ア! ナノハ姉様?
何時来タノ?】
余りの事に、唖然とする4人。
その中で、一番早く我に帰ったのはアルフだった。
「! フェイト!」
「え? あ! うん! それ、貰っても良いかな?」
【??? イイヨ?】
そう言って、差し出されたそれを受け取り、即座に撤退する二人。
なのはは、その二人に声を掛け、引き留めようと声を張り上げた。
「あ! 待って! それは危ないモノなんだよ!
それを、どうするつもりなの!?」
「母さまが、コレを必要としている。だから、集める。
それを邪魔するのなら、容赦はしない」
「だったら、力尽くでも!」
「遅い。フォトン・ランサー」
フェイトは即座に、なのはの足元へ向けてフォトン・ランサーを放った。
「キャッ!」
足元に弾けたソレに怯み、後ずさるなのは。
そうしている間に、二人は見えなくなるまで一気に飛んで行っていた。
あとに残されたのは、ヘタり込むなのはとユーノ、訳が分からずキョトンとするデュオ。
暫くそのままだったが、なのはは我に返るとデュオを問い詰める。
「あれは危ないんだよ! 如何して渡しちゃったの!」
危険だから渡すなと言いたいらしい。
【??? 封印? シタカラ大丈夫ジャナイノ?】
「・・・所で、その封印術式、見せて貰っても良い?」
ジュエル・シードの事より、それをいとも簡単に封印して見せた事の方が重要なユーノ。
【??? ン!】
手の平にそれを浮かべて見せるデュオ。
「これは、今まで見て来た術式とも違う・・・
効率を重視して、比較的少ない魔力でも行使できる?
コレは、何処で習ったんだい?」
【爺チャン! 教ワッタ!】
「だとすると、相当高名な魔法学者なのか?」
【ンット・・・狂喜ノマッド・サイエンティスト!】
「・・・狂気の?」
「マッド・サイエンティスト?」
【ソー! イッツモ高笑イ!】
「へ、へぇえ・・・」
「そ、そんな人なんだ・・・」
そんなこんなで、出会った二人。
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
また大きく飛びます。
特に活躍する事も無く、平穏無事なのかな?
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