日本プロボクシング協会(JPBA)は22日、都内で「他競技・類似イベントに関する全国集会」を開催。全国のジム会長やマネジャーら60人が出席して、キックボクシングや総合格闘技など、他の格闘技選手や団体との交流などについて意見交換を行い、一部で人的交流を認める方向性を固めた。
総合格闘技などが盛んになっていく一方で、JPBAと統括団体の日本ボクシングコミッション(JBC)は、ボクシングとの線引きがあいまいになっている点を懸念していた。この日、両団体が連携して行われた集会では、まずは男子のヘビー級や女子で、JBCが認める他の格闘技団体に所属する選手が、ボクシングのリングにも上がることができる“二刀流”が認められそうだ。また、主要4団体が認めているムエタイ(タイ式キックボクシング)との交流なども検討する。JPBAは年内に理事会で方針を決定する。
「こういう動きが出ること自体、10年前とは意識が全く違う。女子やヘビー級での人材不足の解消にもつながる」とJBCの安河内剛事務局長。ヘビー級は2013年8月にランキングが復活したが、同階級の選手は思うように増えなかった。「ヘビー級の火を消さないためにも」(同事務局長)、JPBAがJBCと協力して新たな改革に着手する必要があった。同事務局長は「ヘビー級のトライアルやトーナメントなども人材確保の策の一つだろう。それには協会の後押しも必要となる。ボクシングに来たいと思う、魅力的なものにしなければ」と話した。
なお、他の格闘技からボクシングのリングに上がるには、ジムに所属し、プロテストを受けてライセンスを取得しなければならない。さらに、JBCが選手の健康などの情報管理や社会的信任が取れている団体であることが確認されなければならない。
一方、ボクシングとうたって入場料を取るような類似イベントなどについては認めないことなどを再確認。選手の健康管理が行き届かないイベントにも関与はしない方針だ。