プロレスラー船木誠勝(50)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じ、現在、主戦場となっている「リアルジャパンプロレス」への思いを激白した。
船木は2015年7月からフリーとして活動。以後、リアルジャパンを主戦場に闘っている。同年9月にはレジェンド王座を初奪取。16年6月、17年6月と同王座を戴冠した。また、昨年はブラック・タイガーJrとしてマスクマンに初チャレンジし世界マスクマン・トーナメントを優勝するなど、まさにエースとしてリアルジャパンを支えている。
団体の屋台骨とも言える活躍に船木は「初代タイガーマスクが戻ってくるまで、自分がこの団体のために力を注ぐと決めましたから。その思いを忠実に従っているだけです」と明かす。団体を主宰し創始者の初代タイガーマスクの佐山サトル(60)は4年前に狭心症を患い、2016年12月の6人タッグマッチを最後に欠場が続いている。「ボクは、中学生の時にタイガーマスクを見てプロレスラーになろうと決意しました。あの時、タイガーマスクに出会わなかったら今の自分はいません。タイガーマスクがいたから今の自分があると思っています。タイガーマスクはどれだけの感謝を返そうと思っても返せないぐらいの存在なんです。ですから、今、佐山さんがいないリングを支えるのは自分にとって義務であり責任だと思っています」と船木はリアルジャパンのリングに上がる意味を明かした。
1984年に新日本プロレスに入門。85年3月にデビューし以後、UWF、藤原組、パンクラスとプロレスから格闘技へチャレンジを続けた。2000年5月のヒクソン・グレイシ―戦に敗れ引退したが、07年12月に現役復帰、09年8月にはプロレスのリングに復活した。「プロレスのおかげで今があります。プロレスには感謝の思いしかありません。プロレスラーになって今、本当に良かったと思っているんです」と船木。初代タイガーマスク、そして自分を育ててくれたプロレスへの感謝が50歳になった船木の原動力なのだ。
そして、9月19日に後楽園ホールで行うリアルジャパン「ストロングスタイルプロレスVol.3」に船木は参戦する。マッチメイクは現時点で未定だが、同大会のメインイベントは、レジェンド王座をかけて王者スーパー・タイガーと「はぐれIGFインターナショナル」の藤田和之(48)が闘う。どんな展開になるか予想がつかない波乱のタイトルマッチだが、船木は、前回の6月20日のリアルジャパン「ストロングスタイルプロレスVol.2」で藤田とタッグで激突した。試合は、藤田がパートナーのスーパー・タイガーを破り敗れたが、試合は、船木と藤田が先発。共に新日本プロレス出身で時代は違えどアントニオ猪木からストロングスタイルの薫陶を受けた両雄。共に総合格闘技の舞台でも活躍するなど辿ってきた歴史が重なる2人の戦いは緊迫感あふれるまさに昭和のストロングスタイルの復活だった。
リアルジャパン初参戦となった藤田について船木は、「気迫が凄い。なかなか触れられないもの凄い圧力を感じました。入場だけで凄いのが来たなって貴重です」と評価。その上で「一番いい昭和の匂いというか、彼は平成のはずですけど、なぜか昭和ですね。楽しかったです。時間忘れました。ワクワしました。ずっとやっていたかったです」と明かした。
その上で「やっぱり時代は違いますが、教えられたベースが新日本という土壌で流派が同じなんですね。ですから、かみ合うと思いますし、今後ぜひ対戦してみたい」と意欲をあらわにした。
レジェンド王座をめぐり王者スーパー・タイガーに藤田、そして船木の三つどもえの展開が出てきたリアルジャパン。9・19後楽園から新しい歴史が始まる。