ハレっちのことが気になっていました。
ツイッターの一番上には、昨年11月のチーム募集が固定されたまま。しかし2019年の「League of Legends Japan League」(以下、LJL)に彼の姿はありません。配信で元気な姿を見せてはいますが、実際のところ今どんな心境で『League of Legends』(以下、LoL)に向き合っているのでしょう。というより、どんな生活をしているのでしょう。
久しぶりに会ったハレっちは相変わらず穏やかで、人懐っこい笑顔で迎えてくれました。
――お久しぶりです。お元気でしたか。
ハレっち お久しぶりです、元気はまぁまぁですね。
――配信は時々見てるんですが、最近は生活的にはどんな感じなんですか?
ハレっち 台湾サーバーで『LoL』をしながら、配信したり料理したり。最近はLJLの時は『裏解説』って言ってやってますね。
――裏解説、この間2窓にして聞きました。観戦雑談と解説の間ぐらいのゆるい空気好きです。
ハレっち 見ながら思ってることをしゃべってるだけなので、解説っていうよりは感想? 野次かも(笑)
――人もかなりいますよね。
ハレっち 解説とかやらないの? って言ってくれる人がいて、ニーズあるか不安だったんですけど思ったより見にきてくれて。
公式放送はなんていうか、コメント欄が結構厳しいじゃないですか。オレの放送はみんな穏やかだからそれがいいって言ってくれる人もいますね。映像は公式でコメントと音声はこっち、みたいな。
――あぁそういう……。公式のコメントは確かに見てるのしんどいですからね。でも今ハレっち的にはLJLはどんな気分で見てるんですか?
ハレっち んー複雑な気持ちですよね。去年まで自分がいた場所だし。
――選手としてのキャリアは諦めてないんですよね?
ハレっち もちろん。だからこそ今も練習してますし。でも正直に言うと、チームがなかなか見つからなくて突然CS(※)もなくなって、終わりにしようかな、もう終わってもいいのかなっていう風に傾いてたんですよ。LJLが始まるまでは...。
――始まるまでは……。
ハレっち でも試合を見てたら、なんでオレが出てないんだ、今すぐオレと代われ、っていう気持ちになってきて(笑)
――最高ですね(笑)。オレの方がうまくやれるはずだ、と。
ハレっち 自分が一番だって、現役の時から思うようにしてたんですよ。相手の方がうまいと思っちゃったら戦えないし、チームメイトにも失礼だから。あとは試合前のカメラ芸も気になってます。オレのカメラ芸の方がうまいぞ! って。
――変なところにこだわりが(笑)。でも確かに試合前の選手アップの時、コメントでもよくハレっちの名前が出てますよね。今やってる『極上eケメングランプリ』でも『LoL』勢から唯一ランクインしてますし、存在感がすごいです。
ハレっち どういう形でも、覚えていてもらえるのは嬉しいですよ。試合に出ていなかったら忘れられちゃうのかなって心配してたので、自分の名前が出るのはちょっと変な気分です(笑)
――3年間ずっと出ていましたし、やっぱり印象に残る選手だと思います。覚えていると言えば、選手の時に、リスクを犯すよりは絶対にミスしないADCになりたいと話していたと思うんですが、その考え方は今も同じですか?
ハレっち うーん、難しいところですね。ちょっと変わったかもしれないです。
――といいますと。
ハレっち もっと自分を出した方がいいのかな、そっちのが得なのかな、と。安定感っていうと言葉はいいですけど、「Carry or Feed」の方が印象には残るじゃないですか。結果的にチームも見つかってないし。その闘志を台湾サーバーで磨いてるところです。
――この間ある人が、たとえ目立たなくても、育てたら育てた分だけダメージ出してくれるハレっちみたいなADCを欲しいチームはあるはずだけどなぁって言ってましたよ。
ハレっち その人は深い人です(笑)。入れてください。
――あはは。すごい初歩的なことを聞きますが、選手ってやっぱり楽しいですか?
ハレっち 試合のピリピリした緊張感が好きなんですよ。日常にはない刺激というか。共同生活も、チームメイトがどうやって『LoL』と向き合ってるかが見えるのでモチベーションになりますし。楽しいと言っていいかわからないんですけど、オレは好きですね。
――何か目標みたいなものはあるんですか?
ハレっち 目標は2016年にデビューした時から変わってなくて、オレのADCが日本一だって証明することです。それを証明するには、LJL優勝しかないって思ってます。
ハレっちは現在27歳。LJL最年長としてずっと付きまとってきた年齢についても、こんな風に話していました。
「今LJLに出てる選手でいうと、apaMENさんとalleycatさんが同い年。1991年生まれの “キセキの世代” です(笑)。24歳でデビューした時から24歳とか年齢的に限界でしょってずっと言われてきました。でも今24歳の選手にそんなこと誰も言わないし、オレ自身も衰えを感じたことはなくて、むしろ年々うまくなってる感覚があります。LJLに戻るのを待っててくれる人たちもいるんで、ほんと待っててくれよって感じですね」
ハレっちは普段、本当にほんわか話します。この人が対戦ゲームの競技シーンでプレーしてたなんて想像もつかない雰囲気で「あ、どうも」と言ってくれます。
それが『LoL』の技量と自信の話になると、語気が一瞬で固くなります。「オレは誰にも負けねーぞ」と、目と声が強く主張してくるのです。選手だった頃と同じその“裏ハレっち”がまた見られて嬉しかったです。
全ての選手にとって「引退」は、いつか必ず訪れる避けられないものです。しかしハレっちにとって、それは今ではないのです。
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