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【高校野球】

星稜・奥川、伝説になる!防0.00V 北陸勢初の頂点へ桃谷斬り

2019年8月22日 紙面から

キャッチボールで汗を流す星稜・奥川=大阪府豊中市で(松田雄亮撮影)

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 「必笑」が合言葉の星稜らしく、最後の練習も和やかな雰囲気だった。今大会から設けられた決勝前日の休養日。奥川は笑顔を見せながら、約2時間の調整を終えた。「うれしい休み。準決勝から決勝へ、心の整理ができる。肉体的にも、精神的にも大きい」。いざ頂点へ、準備は整った。

 20日の準決勝・中京学院大中京(岐阜)戦は7イニング87球で降板。余力を残して、決勝に備えた。この日は、キャッチボールと打撃練習のみ。「休養と思って、肩、肘を休ませることに専念した」。準決勝前日と同様、ブルペンには入らず、ノースローで練習を終えた。林和成監督(44)は「状態は確認するが、私の思いは決まっているし、本人もその気持ちでいるのは間違いない」と話した。先発登板は確実だ。

 チームとしても、北陸勢としても初優勝が懸かる決勝。勝負のポイントは、1回にいきなりやってくる。相手の1番・桃谷は、全5試合の第1打席だけで「サイクル安打」を達成している恐怖の1番打者だ。

 奥川は「正直、抑える、抑えないが大きな部分を占める」と乗りに乗っている桃谷封じを鍵に挙げる。今春センバツ1回戦で対戦した際は、奥川が3安打17奪三振で完封。桃谷も無安打2三振に封じた。6月の練習試合でも、4-3で勝利。だが、「春とは全然別のチーム。全てを出す」とエースに油断は一切ない。

 準決勝まで5試合中4試合に登板し、32イニング1/3を投げて自責点は0(失点1)。防御率0・00で優勝投手となれば、1974年の金属バット導入後では初の快挙となる。

 「みんなでマウンドに集まりたい。アルプスに挨拶に行くときは、勝っても、負けても泣いていると思う」。小学2年で野球を始めた宇ノ気ブルーサンダーでは、「勝って泣け」と教えられた。流す涙はうれし涙だと信じて、決戦のマウンドに上がる。 (麻生和男)

 

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