DDR4メモリとDDR3メモリの違いについてまとめました。
目次
DDR4メモリはDDR3メモリと比較して速度が2倍
DDR4はDDR3の2倍のデータ転送速度を実現。DDR→DDR2→DDR3と世代が上がる度にデータ転送速度が2倍になっており、DDR3からDDR4と世代が上がっても同様に速度が2倍になっています。
チップ規格 | モジュール規格 | 転送速度 |
DDR4-2666 | PC4-21300 | 21.3GB/s |
DDR4-2400 | PC4-19200 | 19.2GB/s |
DDR4-2133 | PC4-17000 | 17.0GB/s |
DDR3-1600 | PC3-12800 | 12.8GB/s |
DDR3-1333 | PC3-10600 | 12.8GB/s |
DDR3-1066 | PC3-8500 | 8.53GB/s |
DDR4-2133とDDR3-1066を比較してみると転送速度が2倍となっているのが分かりますね。
なぜDDR4-2133とDDR3-1066を用いて比較して「速度が2倍」としているのかというと、国内で初めて発売されたDDR3メモリはDDR3-1066、DDR4メモリはDDR4-2133だからです。
DDR3-2133とDDR4-2133と比較して速度が2倍というわけではありませんよ。
DDR3メモリは、規格上はDDR3-1066の前にもDDR3-800が存在しますがそもそも製品が存在しません。
DDR4メモリはDDR4-2133からスタートし、その後はDDR4-2400, DDR4-2666, DDR4-2800, DDR4-3000, DDR4-3200, DDR4-3300, DDR4-3333, DDR4-3400, DDR4-3466, DDR4-3600, DDR4-3733と続いていきます。規格上はDDR4-2133の前にもDDR4-1866, DDR4-1600が存在しますがそもそも製品が存在しません。
販売されているDDR4-2133以降のDDR4-2400メモリなどは、メモリメーカーがオーバークロックを施したメモリになります。
消費電力を削減
DDR4メモリ | DDR3メモリ | DDR3Lメモリ | |
動作電圧 | 1.2V | 1.5V | 1.35V |
DDR4メモリは1.2Vで動作するため、1.5Vで動作するDDR3メモリと比較して最大で40%、1.35Vで駆動するDDR3Lメモリとの比較で最大35%の消費電力削減が可能になっています。
しかしながら1.5Vから1.2Vと0.3V程度低くなったくらいでは消費電力に大きな違いは出ません。
DDR4メモリは第6世代CPU「Skylake」から採用
CPU | 使えるメモリ |
第1世代/Nehalem | DDR3/DDR3L |
第2世代/Sandy Bridge | DDR3/DDR3L |
第3世代/Ivy Bridge | DDR3/DDR3L |
第4世代/Haswell | DDR3/DDR3L |
新第4世代/Haswell Refresh | DDR3/DDR3L |
第5世代/Broadwell | DDR3/DDR3L |
第6世代/Skylake | DDR4/DDR3L |
第7世代Kaby Lake | DDR4 |
第8世代/Coffee Lake | DDR4 |
第9世代/Coffee Lake | DDR4 |
Intelの第1世代CPU「Nehalem」から第5世代CPU「Broadwell」まではDDR3メモリ/DDR3Lメモリが使えましたが、第6世代CPU「Skylake」では基本的にはDDR4メモリが主流になりました。
「SkylakeでもDDR3Lメモリ使えるじゃん!」と思った人もいるかと思いますが、DDR3Lメモリは仕様上サポートしているだけです。DDR3Lメモリが使えるマザーボードは今のところ発売されていません。
なんか勘違いしている人がいたので追記しておきます。
SkylakeではDDR3メモリが使えるマザーボードも発売されていますが、本来Skylakeのメモリコントローラは1.2VのDDR4メモリと1.35VのDDR3Lメモリにしか対応していません。1.5VのDDR3メモリを使用するとメモリコントローラが損傷する可能性があります。
どうしてもDDR3メモリを使いまわしたいという人、予算が限られている人はDDR3メモリが使えるマザーボードを使えば良いと思います。
第7世代「Kaby Lake」以降はDDR4メモリのみをサポートするようになりました。DDR3メモリを使いまわすことは絶対にできません。
Intel: Usage of DDR3 at default voltages can damage “Skylake” | KitGuru
DDR4メモリとDDR3メモリは互換性はなし
- DDR4メモリとDDR3メモリは、切り欠きの部分が違う
- DDR4メモリとDDR3メモリはピンの数が違う
デスクトップ用のDDR4メモリはモジュール全体のピン数が288ピンと、デスクトップ用のDDR3メモリの240ピンからピン数が増加しているためDDR4メモリとDDR3メモリは互換性はありません。
そもそも、メモリはDDR→DDR2→DDR3→DDR4と世代が上がるたびに互換性が無くなっています。
マザーボードを見ても互換性がないことが分かります
マザーボードのメモリスロットを見ても互換性がないことが分かります。
ASRockからDDR4メモリスロットとDDR3メモリスロットの両方を搭載したB150 Comboというマザーボード(画像上)を例にあげて説明します。
B150 ComboはDDR3メモリスロットを4つ、DDR4メモリスロットを2つ搭載しており…
- DDR3_A1
- DDR3_A2
- DDR4_A1
- DDR3_B1
- DDR3_B2
- DDR4_B1
このような順番になっています。
マザーボードのDDR3のメモリスロットにDDR4メモリを挿せないように、マザーボードのDDR4のメモリスロットにDDR3メモリを挿せないように切り欠きの位置をズラしてあります。
もちろん切り欠きの位置が違ったら搭載出来ないというのは言われなくても分かると思います。
DDR4メモリとDDR3Lメモリのどっちを買うべき?
DDR4メモリとDDR3Lメモリのどっちを買うべき?と検索してきている人がいましたが、そりゃあもうDDR4メモリ一択です。
DDR3Lメモリを買ったところでSkylake以降の世代のCPU・マザーボードでは使えませんよ。
パソコンのメモリの増設方法
パソコンのメモリの増設方法や、増設する(購入する)メモリの選び方について記事にしました。詳細は以下の記事を御覧ください。
以上こんな感じ。