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【高校野球】

ユニホームをあきらめ自ら手を挙げた記録員 「明日、大学入試が…」次なる戦いに幸あれ

2019年8月20日 22時26分

試合に敗れ、整列する若山陽記録員=甲子園球場で(松田雄亮撮影)

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◇20日・準決勝 星稜9-0中京学院大中京

【コラム・光と影と】

 中京学院大中京の好漢記録員、若山陽(3年)の夏が幕を閉じた。「4試合も戦って、3試合も勝つことができた。僕をここまで甲子園にいさせてくれた仲間に感謝します」と、学校の夏服姿で若山は言った。

 「最後の夏はユニホームで過ごしたかったけど、記録員として、やれることは精いっぱいやり切れたから…」。記録員になることは、ユニホームを脱ぐことを意味する。岐阜大会の2週間前、橋本哲也監督は記録員を募り、自ら手を挙げたのが若山だった。「悩みました。でも、僕にやれることでチームを助けたいと」。元々は投手である。だが、同時にデータ収集や分析が得意だったという。

 陽と書いて「ひなた」と読ませる。父の誠さんが「皆を明るく照らしてくれる子に育ってほしい」の思いを込めたのだという。ちなみに母は恵さん、妹は輝と書いてひかりと読ませる。

 戦いを終えた陽には、もう一つの戦いが待っている。「今日の夜、故郷の三重に帰ります。明日、大学入試があるんですよ」。ひと夏の経験が好漢を、さらにたくましくした。入試はきっと受かるぞ。(スポーツジャーナリスト)

 

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