シャルティア戦IF 血の狂乱   作:ささみむね肉

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 上がシャルティアのHPの100%で下がアインズのHPの100%です。

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 上が一つの四角の約2/1で下が約4/1とさせて頂きます。
 


シャルティア戦IF 血の狂乱

 アインズは魔法を発動させる。

 ーーー〈虚偽情報・生命〉〈生命の精髄〉〈魔力の精髄〉ーーーーーー〈天界の気〉〈魔法からの守り・神聖〉〈魔法三重化・上位魔法封印〉〈魔法三重最強位階上昇化・魔法の矢〉ーーーこれで終わらないだけの無数の魔法がアインズの全身を囲む。

 そして、アインズは自らが立っている地面に向け魔法を発動させる。

 

【〈上位魔法封印〉〈大致死〉】

 

 「さて、行くか」

 全ての準備を整え覚悟したアインズの目に力が入りーーー

 「超位魔法ーーー〈失墜する天空〉」

 

 

 

 

 

 

 シャルティアは余裕を持って問いかける。

 「言い残した事はございますか?」 

 「そうだな……PVPにおいて重要なのは、虚偽の情報をどれだけ相手に上手く掴ませるかだ」

 「……は?」

 シャルティアは耳を疑う。突然何を言っているのか。

 そんなシャルティアを他所にアインズは静かに語る。

 「例えば武装変更により、神聖属性が大して効かないのに効果的に見せたり、逆に炎属性は弱点のままなのに効かないように見せたりな」

 

 そして、それだけではなくーー(〈大致死〉を使ったのは神聖属性の攻撃で大ダメージを負っていると思わせるためあえて見せつけたのか!)

 

 そう、確かにシャルティアのHPは満タンだが、アインズのHPもほとんど減っていなかったのだ。

 

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 互いの一撃は交互に繰り返される。

 シャルティアの一撃にアインズは通常よりも体力を削られる。そして、シャルティアの体力もまた通常よりも回復する。"血の狂乱"の効果によって。しかし、アインズの一撃はその程度の回復では追い付けない。そんなある種のチキンレースじみた戦いが繰り広げられていた。

 しかしーーー(この感じ……残体力からするといける?)

 シャルティアに微かな光明が差す。

 「アインズ様!先に体力が尽きるのはあなた様のようですね!」

 「本当にそう思うのか?」

 逆転出来る手を模索し、血の狂乱まで発動させ、有利に立ったと思っていたシャルティアに氷水がかけられた。

 ならばこの状況をどうやって逆転するのか。それがシャルティアには浮かばない。その答えは第三者の声で告げられる

『予定したお時間が経過したよ!』

 女の声。

 「何の時間だと思う?」

 アインズの手の中にあった斧が消え、純白の盾が現れる。

 「決着の時間だよ」

 なぜ?シャルティアのHPは未だ25%は残っている。

 

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  「超位魔法による一撃ではお前を倒せない。ならば一撃で倒せるまで体力を減らせばいいと思わないか?」 

 「何を言っているのですかアインズ様!超位魔法なら最初に……最初?」

 瞬間、シャルティアは連撃を繰り返す。一切の隙を与えさせないとばかりに

 

 (あの時の違和感はこれだったのかっ!)

 シャルティアはアインズが短期戦を狙っていると読んだ。にも関わらずアインズはギルドのため戦っている等とシャルティアと"会話"していた。つまり、最初から長期戦を狙っていたのだ。

 

 (いや、待てーー)

 「こんな距離で撃てばアインズ様だってーー」

 「直接戦闘能力では私の方が低いが……魔法防御力は私の方が上だぞ?」

  「!」

 

 シャルティアは焦り攻撃が雑になりかけたがアンデッド特有の能力で落ち着きを取り戻す。

 (確かにアインズ様の魔法防御力は高いがそれを考慮しても今の体力では……)

 「はん!相討ちにでもするつもりですか!私は血の狂乱を発動させていたのですよ?体力の差がここに来て決定的なものになりましたね!」

 

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 シャルティアにとっての会心の一言。だが、それを受けたアインズは尚も冷静に返した。

  

 「何故、接近戦で私の方が有利なのにまともに戦わず、わざわざ殴りあったと思う?」

 シャルティアの攻撃を下がりながらもその全てを盾で弾き返しながらアインズは言った。

 「私もお前もアンデッド故にクリティカルは無効。ダメージ量は"一定"になり、正確だーーつまり、計算がしやすいという事だ」

 そう言うと、アインズは後ろに大きく跳躍する。距離をとられることをシャルティアが許す筈がなく、追撃する。

 

 そこでシャルティアは気づいた。アインズが立っているのはーー(戦いが始まった時と同じ場所?)

 「解放!」

 アインズの命令に従い、その場が輝き現れた魔方陣〈上位魔法封印〉から放たれたのはーー

 

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 「〈大致死〉だとっ!?」

 

 アインズは始めからいや、始める前から〈大致死〉を使えるようにしていたその真の狙いはこの為だ。一手で複数の効果を狙うーーデミウルゴスのアインズへの敬意。その根拠は決して偽りなどではなかったという証明だ。

 

 

 

 

 

 「あぁ、アインズ・ウール・ゴウン様、万歳。」

 シャルティアは微笑と共に告げる。

 「……ちび」

 そして満足したように、白色の世界にシャルティアは完全に消え去った。

 




 因みに本編の〈大致死〉の真の狙いは神聖属性の戦術で騙せなかった場合いくつかパターンがありますが、いずれもアインズの体力はより減っていたのでその為の保険だと思います。対策に対する対策の為ですね。

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