「オマエ、この人絶対好きだとおもうよ」
お世話になっている先輩から突然、そんなLINEが来た。
先輩がわざわざ連絡までして紹介してくれたのが御歳87歳、ニューヨークで今でも現役バリバリで活動し続ける前衛芸術家 篠原有司男さん。
ぼくはすぐに彼の出演している映画や映像たちを拝見した。
そして、物凄く感動した。
「死んでも、すぐ生まれ変わりたいね。」
「ぼくの芸術の三原則は、早く、美しく、リズミカルであれ」
「毎日スランプだよ。スランプが無ければアーティストになれないよ」
87歳とは思えない彼の生きることに対するエネルギーを象徴する言葉たち。
そして、それ以上に彼の生み出した「ボクシングペインティング」というアートに衝撃を受けた。
ボクシンググローブにたっぷり絵の具をつけ、キャンバスを思いっきり殴りつけるダイナミックな技法。
そのダイナミックさから生まれる絵の具のしぶきたちの美しさにぼくは思わず心を奪われた。
「なんて自由なんだ。。。」
この感動をぼくは何日経っても忘れられなかった。
そして、「ぼくもボクシングペインティングをやってみたい」と心からおもったのだ。
ぼくはボクシングローブを買い、ペンキを買い、80号という大きなキャンバスに思い切ってボクシングペインティングをした。
バンッ!
バンッ!
バンッ!
キャンバスを殴りつける毎に幾つもの絵の具のしぶきがキャンバスに刻まれる。
そのしぶき一つ一つが生命のエネルギーのようだ。
やってる最中、とても自由な気がした。
そして、ボクシングペインティングにはむき出しの生命、生きることへの闘争心を思い出させてもらった。
人生は壁の連続、スランプの連続だ。
しかし、その壁もスランプもぶっ壊してどんどん突破して行こう。
キャンバスをぶん殴って芸術が爆発しているボクシングペインティングのように。
ボクシングペインティングはずっとやりたかったことなので実現できてとても嬉しかった。
なかなかここまで衝撃を受けるアート、アーティストは現れないので、この気持ちを大事にしたいと思う。
ミヤハヤ