グラウンドも、ボールも使わない。中京学院大中京は19日、大阪府吹田市の宿舎ホテル近くの高速高架下の「必勝公園」と名付けたゲンのいい小さなスペースで約1時間半、「奥川対策」としてバドミントンのシャトル打ちで練習を終えた。
奥川対策としては異例のシャトル打ちにみえるが、社会人のNTT西日本監督も務めた橋本哲也監督(55)にとっては普通のことだ。現役時代、野茂(近鉄)や潮崎(西武)らと対戦するときにもしてきた方法だ。「150キロ超を想定してバッティング練習をしたり、対策、対策というと、逆に選手が不安になる。バッティングアイを鍛えるのに重点を置きました」
5メートルぐらいからシャトルを投げて、低めは振らせずに、ベルトより上だけを打たせる。さらに内角への羽根をうまく背中で受ける死球も練習。主軸以外には、ファウル打ちもさせた。
(1)高めを打つ
(2)ファウルで球数を増やす
(3)死球狙いで打席の本塁ベースぎりぎりに立つ
など奥川攻略法が詰まっていた。
侍ジャパンU―18候補で4番捕手の藤田健斗主将(3年)は「チャンスはたぶん1回あるかないか。どんなピッチャーでも甘い球はあるし、絶対にストライクを取りにくるので、そこを一発で仕留めたい」と強調。就任4年目の知将に率いられて初めて準決勝に進んだ中京大中京があらゆる手を使って、奥川の夏を終わらせる。(小原栄二)