iStick Pico (アイスティックピコ、メーカーEleaf)は2016年最も売れたVAPEのスターターキット!豊富なカラーバリエーションかつキュート&クールなコンパクトデザイン!爆煙まで対応可能で製品としての完成度の高さと多様なニーズに応える仕様から、2017年も最初の1台〜2台目のVAPEとして間違いなくプッシュできる製品です。どこよりも濃くiStick Picoについてご紹介します。故にこれでもかってくらいに“超長文”です。
- 前半:これからiStick Picoを買う方へ
- 後半:iStick Pico購入後の使い方や設定方法特集
で分類しています。目的に応じて以下の目次をご活用ください。
目次
Eleaf iStick Pico購入前の方向けのレビュー
iStick PicoはEleaf(イーリーフ)という電子タバコメーカーから発売されていますが、最も売れた機種だからこそ、多くの方がレビューしています。
私自身半年程度iStick Picoを利用していますが、数多くの方がレビューしているので書くのに二の足を踏んでいました。今更な記事ですが、VAPE関連ブログの端くれとしてiStick Picoについて『1記事単体でどこよりも濃くご紹介』していきたいと思います。
まず最初に、シンプルな一文レビューをするのであれば【電子タバコの1~2台目の購入で何にすべきか迷っている方にiStick Picoは選んで間違いのない製品】です。
iStick Pico 75Wをおすすめする理由
コンパクトなボディに初級者から中・上級者も満足の機能面が網羅されつつ、安価で使い勝手がいい正にVAPEのオールラウンダーとも言えるのがiStick Pico 75Wです。
そのおすすめの理由や人気の理由を掘り下げてみたいと思います。
- 豊富な設定モード
- 爆煙からフレーバチェイスまで対応可能
- コンパクトかつラウンド形状でカッコ可愛い
- コンパクトながらバッテリー容量も十分
- iStick Pico付属アトマイザーmelo3miniが優秀
- 機能全部盛りにもかかわらず安価
- 直径24mm以上のアトマイザーに対応した新商品も
その他にも売れている製品だからこそ、専用ケースやステッカーなど関連の製品が多い点も特徴です。
まずは、1〜6について掘り下げていきます。
1.豊富な設定モード
設定モードは以下の3通りにまとめられます。
- VWモード
- 温度管理モード(Ni/Ti/SS/TCR)
- Bypassモード
2016年前後に発売された機種の中で、売れ線の機種の多くに搭載されていた機能です。
「たくさんの機能があると混乱する!」という方も大丈夫です。VWモードだけで十分出力の調整は可能です。
この『シンプルで簡単な使い方』から『こだわって色々調整していく楽しみ』の両立が出来ている点が使う人を選ばないiStick Picoの人気の一つです。
※各種モードの利用方法や詳細は、記事後半の購入後の方向けに記載しています。
iStick Pico基本スペック
iStick Picoの基本の機能は以下の通りです。もし、他機種とスペックで比較される方はご活用ください。
- 対応ワット数:1-75W
- 温度制御範囲:100℃-315℃
- 標準対応抵抗値:0.1-3.5Ω
- 温度管理時抵抗値:0.05-1.5Ω
- 各種保護機能(ショート防止、10秒通電で停止、過加熱保護、放電防止)
2.爆煙からフレーバチェイスまで対応可能
VAPEに興味を持った方の中で、「爆煙」という単語を入り口にしている方もいると思います。煙(水蒸気)の量を増やして楽しむ方法ですが、増やすためには一定の条件が必要です。ある程度の低抵抗に耐えうる機構(pico:0.1-3.5Ωに対応)と、そして出力(すなわちワット数:1-75Wに対応)がカギとなります。
もちろん、表示規格のギリギリの設定を使うのは微妙なのですが、対応しているということは機種選択のポイントになります。
現行でバッテリー1本の使用で75Wまで対応していれば十分な範囲で楽しむことができます。
そして、可変出力の設定が可能(VWモードや温度管理モードなど)なため、爆煙もその他の設定も様々楽しむことが可能で、色々な使い方に対応が可能です。故に1台で長く使うことも可能で、中長期でのコスパもいい点が特徴です。
3.コンパクトかつラウンド形状でカッコ可愛い
男性はもちろん、女性も持ちやすいラウンド型の形状で手に馴染みます。 持ちやすさやデザイン面で人を選ばないスタイリッシュなデザインも人気のポイントです。
サイズを若干選ぶものの、様々なアトマイザーとのフィット感も嬉しいポイント!
4.コンパクトながらバッテリー容量も十分
バッテリーが別売りなため、厳密にはバッテリー容量や出力はバッテリーその物に依存します。 ただ、一昔前ではバッテリー一体型も多かったですが、その場合、バッテリー容量や出力に制限があります。 そして、バッテリー内蔵型は充電回数に制限がありますが、iStick Picoのようにバッテリー別売りタイプはバッテリーが老朽化した際に買い直す事が可能で、ローコストな点も中長期で使用できるポイントです。
5.iStick Pico付属アトマイザーmelo3miniが優秀
初期付属のアトマイザー(噴霧器)であるmelo3miniの出来が必要十分な完成度です。 初期付属のアトマイザーは大抵クリアロマイザーと呼ばれる製品で、既製品のコイルにガラスタンクがセットになっており、リキッドを注入するだけですぐに使用が出来る、お手入れが簡単な製品です。 もちろん、もっと爆煙仕様、もっとフレーバ重視など細かい希望を出していくとより良い製品がありますが、まず最初の1点目として十分な性能を持っています。
iStick Picoで今後使えるアトマイザー/使えないアトマイザー
少し話がそれてしまいますが、iStick Picoには使用できるアトマイザーの大きさ(直径)に制限があります。 公称値としては22mm以内のアトマイザー、ギリギリ23mmのアトマイザーまでのサイズ制限があります。
理由はバッテリーキャップのぶつかりです。
ただ、自作コイルを楽しむRBAなど多くの製品は22mm規格が多く、サイズ的には必要十分だと思います。 上の画像は23mm直径のアトマイザーですが、かなりギリギリです。
6.機能全部盛りにもかかわらず安価
価格帯はVAPEの中でも購入しやすい価格帯です。 以上が、iSickPicoがオススメの理由と、2016年最も売れたスターターキットである理由です。 購入時の注意点や同時購入をおすすめする器具などをご紹介します。
7.直径24mm以上のアトマイザーにも対応した新商品:iStick Pico25
最近のアトマイザーは爆煙ニーズの拡大と共に、大口径化していっている傾向があり、25mm直径のアトマイザーも増えてきました。最近話題のBerserker MTLなどのタバコ吸いに特化したRTAも24mmと様々なニーズに特化したアトマイザーも人気です。長く1台の機種を使うという視点で考えるとiStick picoの唯一の弱点とも言えるアトマイザーのサイズ制限(直径22mmまで)をクリアにした新製品も発売されています。
iStick pico25は直径25mmまでのアトマイザーに対応していますので、今後大口径アトマイザーを検討している方、はiStick pico25を購入した方がトータルでローコストに済むと思います。
iStick Picoと同時購入を検討したいもの
念のためですが、iStick Pico 75WとやiStick Pico kitと表記されている商品は基本的に内容物は一緒です。 そして、基本セットにはバッテリーが未付属です。
別途18650という規格のバッテリーが必要です。(選び方は後述します) また、極稀に本体だけの販売を「iStick Pico TC75W」という表記などで行っているショップさんも見かけます。 本体だけの場合は、「アトマイザー」が付属していません。アトマイザーを複数お持ちの方はこちらでも問題ありませんが、初回購入やアトマイザーをあまり持っていない人は kitやセットと表記のあるものを購入しましょう。
差は「アトマイザー(基本はMELO3)」が付属か否かです。
iStick Pico対応バッテリー
メーカー推奨値で、18650サイズの連続放電25A以上のバッテリーを使用します。
バッテリーは基本付属していませんが、ショップでは対応のバッテリーを付属セットで販売している店舗も多いです。
できれば初めての購入は、通販・実店舗のどちらでもいいので、VAPE専門のショップでのセット購入がベターです。私もべプログさんをよく使っています。
※もちろん、ご自身で色々と調べて購入できる!という方はどこで買っても基本は問題ないと思います。
ACアダプター
ACアダプターは大抵のVAPEに未付属です。大抵の方はスマホなどのACアダプターがあるとは思いますが…。一応念のため、付いていません。1A対応のACアダプターを用意しましょう。
iStick Picoの充電方法と外部充電器
一応USBケーブルでも充電が可能ですが、 注意点としては対応充電器が1A以上のものを使用することです。
そして、モアベターな充電方法としては充電器を使っての充電です。その他のバッテリーの取り扱いの注意点も記載しておきます。
- パソコンのUSBポートなどからの充電はNG
- 充電中熱くなるなどの場合は充電を中止
- 充電中の使用はNG
- バッテリーの被膜の破れや傷などに注意(該当する場合は使用禁止)
- バッテリーは裸の状態で放置したり、持ち歩かない
充電その物の安心感は専用充電器を使ったほうが無難ですが、被膜に傷が付く可能性が上がる事も考えられます。特にiStickPicoの場合、バッテリーをキャップで上から押し付けている仕様のため、開け閉めごとに負担が掛かりそうです。
※余談ですが、iStick Picoのバッテリーはプラスが下側、バッテリーキャップをギチギチに締め切るのは止めておきましょう。そもそもバッテリーはメーカーごとに若干のサイズ差があり、ガッチリ締めすぎるとバッテリーに物理的な負担をかける可能性があります。
iStick Picoのアトマイザー(MELO3)のコイルとコイル別の特徴
基本的にはMELO3のアトマイザーを使っていくことになると思います。
1〜2週間に一度は交換が必要になります。
初期付属で2つ(0.3Ω、0.5Ω)がありますので、ひとまず1~2週間使ってみて、リキッドとともにコイルなどを購入してみるといいと思います。
カンタルワイヤーの他、ノッチコイルやセラミックコイルなど、異なった性質のミストを発生させることが可能なコイルも存在しています。
※私自身は、初期コイルと同じものしか使ったことがないので詳しい感想を書けないのですが、一般的にセラミックコイルは雑味がその他のコイルより少ないとされていますし、温度管理も利用できる(ワイヤーがステンレスなため)ので選択肢としてアリだと思います。ノッチコイルはRBAの場合、組むのが楽にはなりますが既製品のコイルでの差は…。特別あるかと言われると微妙にも感じます。レビューを見る限り、濃いミストがでているというレビューがあります。替えのコイルの豊富さも売れ線のiStick Picoだからこそ選択肢が幅広いです。
温度管理、Ccell(セラミックコイル)、ノッチコイル、通常のコイルなど好みに合わせてカスタマイズが可能です。iStick Picoの購入後、初期付属アトマイザーのMELO3の使用感が気にいるようであれば、いろいろな抵抗値や素材別のコイルを試してみることをオススメします!
もちろん、iStick Picoはその他のアトマイザーも活用できるので、今後RBAに進む場合はアトマイザーを購入すればOKと、VAPEを深掘りすることも、手軽に様々なバリエーションを楽しむことも、可能と幅広い楽しみ方が1台でできる点が非常に大きな特徴です。
istick picoとリキッドの関係
スターターに付属のアトマイザー(クリアロマイザー)全般に当てはまりますが、リキッド選びは若干の制限があります。 パッケージにMAX VGという記載やVG比率が80%を超えてくるリキッドは、クリアロマイザーでの使用が辛いと思います。
もちろん、パフ時間(通電時間)や設定温度やワットによっても異なりますが、 VG比率の高いリキッドは粘度が高く、供給が追いつかない場合があります。 となると、コイル(とその周りの綿)が焦げ、吸った味が変わってきたり、焦げた味になってしまう場合があります。 KamikazeリキッドやSnowFeaks、BI-SOなどのスターター向けでもおすすめされているリキッドであれば大抵は大丈夫ですが、VG70%以上のリキッドは様子を見ながら活用してみてください。 もちろん、ガツガツ通電させていくこと焦げやすくなるので、チェーン(連続使用)は注意しましょう。
iStick Picoのケースやステッカー
売れている製品というのは、ある意味で没個性と感じる人も多いかもしれません。 その反面、売れているからこそ周辺機器の豊富さというメリットがあります。 iStick Pico専用のケースやステッカーなどがネットショップで販売されています。
シリコンケースなども存在しており、傷防止や落下時の衝撃を和らげるなども可能です。
iStick Picoのカラーバリエーションは全18種
ピンク、黒、グレー、シルバー、ポリッシュシルバー、白、フルブラックの7機種、こちらに加え新機種として、ブロンズ+ブラック、ブロンズ+ホワイトの2機種、更には2017年の2月には新機種としてレジン(樹脂)のマーブル模様(赤、緑、黄、青)の4機種が発売されています。
レジンタイプはまだ日本での流通は少ない印象です。
※画像引用:メーカー公式
さらに、Dazzling/Red Crackle/Brushed Gunmetal/Brushed Black Silver/Wood Grainの5色も発売され、全18色のiStick picoがラインナップされています。
ショップオリジナルセット
iStick pico kitに初期付属のアトマイザーMELO3は優秀なアトマイザーではあるものの、無難という声も聞かれます。 そこでショップによっては別のアトマイザーをセットにして販売している場合もあります。 いくつかをご紹介してみたいと思います。
iStick Pico&iSub APEX Mini
べプログの国産リキッド(KAMIKAZEのレッドブルかBi-soのグリーンアップル)+iSub APEXのセットです。Picoに乗せてしっくり来るINNOKIN社のiSub APEX miniは煙量と味のバランスが取れた優秀なクリアロ。iStick Pico基本セットに同梱のMelo3より評価が高いのも頷ける出来です。
Pico×Cleito×メガマスカット
こちらのセットは、国産リキッド人気NO.1のメガマスカットに爆煙モデルのCleito(クリート)タンクがセットになっており、届いた日から爆煙を楽しむことができるセットです。CleitoタンクはAspireK4というスターターキットに同梱されていたアトマイザーで大きなコイルに3.5mLと十分なリキッド容量に対応しています。AspireK4では出力調整が出来ませんでしたが、iStick Picoとセットになることで使い勝手のいいスターターにとして活躍すること間違い無しです。
iStick Picoの別種:megaやPico Squeeze
※画像引用:メーカー公式
EleafはiStick Pico以前も”iStick”シリーズを発売しており、iStick 30W,TC40W,TC60W、Mini iStickなど多数のラインナップが存在しています。
iStick Pico以降に発売した機種としてiStick megaやPico Squeezeがあります。
iStick megaは26650バッテリーも使用可能で80Wまで対応と高出力仕様、 Pico Squeeze(通称ピコンカー)はボトムフィーダー(BF/スコンカーなど)と呼ばれる本体側に備え付けのシリコンチューブからリキッドを注ぐモデルです。
その他にもタンクが本体に内蔵のiStick Pico RDTA、2本のバッテリーを使用するiStick Pico Dualというような多様なニーズに合わせたiStick Picoの姉妹製品が2017年にはリリースされました。
同じPICOでもPICO RTAは別物
余談ですが、PICOという名称のアトマイザーがあります。
こちらは異なるメーカーの製品です。品薄な高級品ですが、人気のアトマイザーです。
iStick Picoの価格帯・安いのは?
非常に長い記事をご覧いただきありがとうございます。
もし、過去にVAPEを購入済みの方であれば、Amazonなどでの購入もありだと思います。値段はAmazonが安い傾向があります。
※付属のバッテリー種類やアトマイザー付属なしなど様々なので値段のみでなく、レビューなどもよくご確認のうえご検討ください。
長くなりましたが以上が、iStick Pico(Eleaf)購入前の方に向けた記事でした。
以下からは、購入後の使い方などをご紹介していきます。もし、ご購入後に不明点などでた際もご活用いただけるととても嬉しいです!!
購入後の使い方や設定方法特集~日本語説明書代わりとして
iStick Picoは使い勝手もよく、手に取りやすい価格帯の1〜2台目のVAPEとして最適な製品ではありますが、海外製ということもあり、マニュアルなどは英語のみと不便な点もあります。
本記事前半では、iStick Picoの良さをご紹介してきましたので、後半では具体的な使い方の簡易マニュアルとして設定方法や使い方をご紹介していきたいと思います。流石に故障などまでは対応できませんが、基本的な使い方からトラブル対応まで網羅しています。
バッテリーを入れて電源オンまで
プラスマイナスの方向に注意しながら、プラスを下にして本体に入れます。
バッテリーキャップを右に回転すると閉まりますが、この時にギチギチに締めないように注意しましょう。
5回電源ボタンを素早くクリックすると電源が入ります。同じく5回クリックで電源OFFです。
迷った時の基本操作一覧
電源オン時とオフ時でできることに若干の差があります。
電源オン時 | |
---|---|
ボタン操作 | 結果 |
プラスとマイナスボタン同時長押し | チャイルドロック |
3クリック | 各種モード切替 |
5クリック | 電源オフ |
マイナスボタンと電源ボタン長押し | ステルスモードモードのオンオフ |
電源オフ時 | |
---|---|
ボタン操作 | 結果 |
5クリック | 電源オン |
20クリック | バージョン情報表示 |
マイナスボタンと通電ボタン長押し | バッテリーの電圧表示 |
プラスとマイナスボタン同時長押し | スクリーン左右反転 |
※温度管理に関しては混乱しそうなので、後述しました。
iStick Picoの充電方法
USBケーブルが付属のため、そのまま電源タップに接続し充電します。基本的に付属ケーブルを使った方が無難です。
1A以上のUSBポート経由であれば、パソコンでも充電できるとありますが、あまりおすすめできません。
記事前半でご紹介しましたが、メーカー推奨値で18650サイズの連続放電25A以上のバッテリーを使用します。
iStick Picoメインのモード切り替えとそれぞれの特徴
各モードの種類だけご紹介後、モード切替の方法をご紹介します。その後、各モードの役割や詳細をご紹介しています。
- VWモード
- Bypass(バイパス)モード
- 温度管理モード(Ni/Ti/SS/TCR)
大別するとiStick Picoには上記3つのモードが存在しています。
それぞれのモード切替方法
- 電源オン(電源ボタン5クリック)
- 電源ボタン3クリック:現在のモードが表示
- 本体下部のプラスボタン:各種モード切替(VW⇔Bypass⇔TC-Ni⇔ TC-Ti⇔ TC-SS)
- 電源ボタン1クリック/10秒放置:選択中のモード確定
VWモードとは?
最初のうちはVWモードを使いましょう。その他のモードは徐々に慣れてからの使用をオススメします。(私自身もVW以外はほとんど使っていません)
VWモード(Variable Watt)はW(ワット)を固定して出力するモードです。 ワットはほぼイコールで熱量ですので、シンプルに考えるとワットが高くなれば、発熱量も高くなります。
VAPEはコイルの加熱によりリキッドが蒸発し、煙を発生させるのが基本の仕組みで、細かい差はあれど基本は一緒です。
ですので、発熱量が増えれば必然的にミストの量も増えます。 ほぼイコールで発熱量のため、Wを上げればミストの量も増えるとシンプルです。 ただ、VWモード(ワット固定)のデメリットとしては、通電時間の経過とともに緩やかに温度が上昇し続けます。 そのため、コイルの焦げに繋がりやすくもあります。
Bypassモードとは?
バイパスモードは、擬似的なメカニカルMODのようなモードです。
iStick Picoのような制御基板が付属しているMOD(電子タバコ本体)をテクニカルMODと呼びますが、その反対がメカニカルMODです。
メカニカルMODは、電線で乾電池と豆電球を直接繋ぐようなイメージです。
バッテリーの電圧とコイル抵抗値だけで出力され、メカニカルMODのような使い方が可能です。
テクニカルMODであるiStick Picoは制御基板が存在するため、短絡(ショート)や過加熱時に通電が切断されるようになっていますが、本体やバッテリーに負担がかかる可能性もありえますので、過度な低抵抗で0.1~0.2Ωなどでバイパスモードを使うのは避けた方が無難だと思います。
※そもそも個人的には使わなくていいモードだと思っています。
温度管理(TC)モードとは?
温度管理(TC:Temperature Control)モードは、VWモードと異なり温度を一定に保つように調整されるモードです。 2015年〜2016年に対応機種が増えてメジャーになった機能で、コイルの素材によって加熱時の抵抗値に変動がでます。 その変動幅をMOD(本体)側が現在の温度を算出して、出力を調整することで擬似的に温度を調節しています。
iStick Picoでは以下TCモードが用意されています。
- Temperature Ni:ニッケル
- Temperature Ti:チタン
- Temperature SS:ステンレス
- TCR M1〜M3
Ni,Ti,SSそれぞれに対応したコイルが必要になります。
Ni,Ti,SSの温度管理(TC)モードへの切り替えは前記の通りですが、TCR M1~M3の切り替えは別の方法で切り替えが必要です。
TCR とは?
TCRとは温度変化による電気抵抗変化の係数を指します。
素材 | ニッケル | チタン | NiFe | SS(303,304,316,317) |
---|---|---|---|---|
TCR値幅 | 600~700 | 300~400 | 300~400 | 80~200 |
上記のコイルの素材別で、TCRの係数を指定することで温度管理を利用することが可能になります。
※表中のTCR値の幅は、実数値の100,000倍されています。
※iStick PicoのTCR値は1-1000の範囲で設定が可能です。
上記は説明書からの意訳ですが、要は素材別のTCR値を100,000倍した値を入力すれば、温度管理を使用できることになります。
TCR M1〜M3設定の流れ
- 電源OFFの状態
- 電源ボタンとプラスボタン長押し
- TCR M1、M2、M3の切り替え画面が表示
- 本体下部のプラスマイナスボタン:M1、M2、M3切替
- 電源ボタン1クリックでモード確定
- 本体下部のプラスマイナスボタン:TCR値の設定
- 電源ボタン長押し/10秒放置:選択中のTCR値が確定
以下に続きます。
温度管理機能の設定(Ni/Ti/SS/TCR共通)
- W(ワット)の設定開始:電源ボタン4クリック後、1-75Wの任意の値を設定
- 温度調整:5℃単位で上下する温度を100~315℃の範囲で指定(華氏の場合は、10F単位で上下させる温度を200~600Fで指定)
- 華氏(F)と摂氏(℃)の切り替えは315℃以上に達して更にプラスを押すと200Fに切り替わります
- 抵抗値を固定/解除:電源ボタンとプラスボタンを2秒長押し(Ωマークが表示:抵抗値固定中)
※コイルが室温の時に、ベース抵抗値をロックします。
※コイルを外した場合に、ベース抵抗値のロックは継続しますが、気温の変化や使用時の温度変化に伴い、抵抗値に変化が出る場合があります。そのため、コイルを再接続した際に「new coil up same down」と表示が出る場合があります。
同じコイルを使っている場合はマイナスボタン、別コイルを使用する場合はプラスボタンを押して、再度ベース抵抗値を設定します。
アトマイザーを乗せたままであれば問題ありませんが、一旦設定したベース抵抗値のロックと抵抗値が異なった場合にMOD側は、使用後の温度変化による抵抗値の変化なのか、本当にコイルが変わったのか判断ができないため、「New coil up same down」と聞かれます。同じコイルを使っていれば基本はマイナスボタンでOKなはずですが、ズレが生じる(使用感に変化が出ている)場合は、一旦冷ました後にコイル抵抗を再設定する必要があります。
※温度管理対応外のコイルを乗せた場合、1.5Ω以上のコイルを乗せた場合、VWモードに自動で切り替わります。
温度管理モードのデメリット・メリット
温度管理にはメリットもあれば、デメリットも存在します。iStick Picoにかかわらず、VAPEにおける温度管理全般に当てはまる良さ悪さをまとめてみたいと思います。
温度管理を使用するには、最も多く流通しているカンタルワイヤーの使用が出来ません。 それは先程の温度管理の仕組みに依存しています。
カンタルワイヤーは加熱による抵抗値の変動が少なく、その他のワイヤー素材を使用する必要があります。 代表的な温度管理対応ワイヤーは、SS(ステンレス)、Ni(ニッケル)、チタン(Ti)があり、iStick Picoも全てに対応しています。
その他にもリキッドの種類別で、それぞれに最適な温度もありますし、アトマイザーを変えれば当然温度管理の微調整が必要になります。
デメリットをまとめると、ワイヤー素材が限られ、最適な設定を探る手間もかかります。
その反面メリットとして、温度の上限が定まるため、アトマイザーの過加熱を防いだり、コイルの焦げを予防するなど、ローコストな運用が可能になります。
※個人的には手軽さ重視でVWモードばかり使っています。こだわってリキッドやアトマイザー単位で温度管理の最適な設定を探る楽しみを続ける人とものぐさで続かない人に大きく分かれるようです。
※温度管理はMOD側でコイルの抵抗値を都度読み取り、出力に反映させていくため、制御チップの質が問われます。
各種アラート:トラブルシューティング
多くのテクニカルMODにはトラブル時にアラートが表示されます。iStick Picoのアラート表示一覧と状況、そして対処法を記載します。
項目 | アラート表示 | 状況/対処法 |
---|---|---|
Atomizer Protection | Over 10S | 10秒以上の通電で表示/電源(通電)ボタンを離してください |
Atomizer Low Alert | Atomizer Low | 下限以下の抵抗時に表示される(VW/Bypass:0.1Ω、TC:0.05Ω以下)アトマイザーの抵抗値やコイルの設置状況を再確認する |
Atomizer Short-circuit & No Atomizer Protection | Atomizer Short | 短絡(ショート)している/コイルの接続状態などを確認 |
No Atomizer | アトマイザーが無い/本体にアトマイザーを未接続で表示。接触不良で通電しない場合も表示されることも。 | |
Low-voltage Protection | Battery Low | 電圧が3.1V以下になると表示される |
Lock | Battery Low表示後に本体が使えないようにロックされます/充電してください | |
Temperature Protection | Temp Protection | 温度管理時(TCモード)に上限の温度に達した際に表示される/通常はそのまま使えます |
Temperature Alert | Device Too Hot | 本体の温度が過加熱になっている際に表示/自動で出力が切られます。冷却後は使用が可能です |
Weak Battery Alert | Weak Battery | 通電ボタンを押している際に、バッテリーの電圧が2.9V以下になると表示される |
ベースはマニュアルからの引用・意訳です。Device Too HotやWeak Batteryなどが頻発する際は設定を見直しつつ、改善しないようであれば使用を中止したほうが無難です。
iStick Picoファームウェアアップデートの方法
発売時1.00だったバージョンは、現在V1.03までバージョンアップされています。
ファームウェアアップデートに際しては、PC接続(Windows/Mac両対応)が必須です。
以下ページで最新のファームウェアアップデートが公開されます。
http://www.eleafworld.com/softwares-for-istick-pico/
- ZIPファイルをダウンロード
- 解凍
- ツールを起動(exeファイル)
- 本体接続
- アップデートボタンを押す
と流れは至ってシンプルです。
ファームウェアアップデートで出来るようになったこと
それぞれのバージョンで出来るようになったことを確認してみましょう。
もしご自身のバージョンを確認したい場合、電源OFF時に20回通電ボタンを連打してください。
ファームウェアアップデートV1.01
- カスタムロゴに対応
- スマートモードに対応
- VWモードの新表示に対応
スマートモードはより直感的に使用できるモードです。
ファームウェアアップデートV1.02
- 起動時、終了時のアニメーション対応
- シンプルなTCモード表示に対応
- 通電時間の残り秒数表示に対応
ファームウェアアップデートV1.03
- パフ(通電ボタン)回数のカウントに対応
- トータル通電時間のカウントに対応
- ボルト表示に対応
- シンプル表示機能に対応
- プリヒート機能に対応
1〜4のどれか一つに表示切り替えが可能で、電源オンのVWモード時に、プラスボタンと通電ボタンを長押しで表示切り替えモードに、プラスマイナスで1〜4に切り替え、通電ボタンで決定します。
プリヒート機能の設定方法
VWモード時に、初動のワットを高くすることで素早く加熱する機能です。(俗に言うと立ち上がりを早くします)
コイルを太く、コイルの巻数を増やすと立ち上がりが悪くなります。
この状態を素早く解消するために最初の数秒間だけ、高ワットを流してあげることで、解決するのがプリヒート機能です。
途中までTCRモードの設定と一緒です。(以下3番まで)
- 電源OFFの状態
- 電源ボタンとプラスボタン長押し
- TCR M1、M2、M3、Power 20W、Time OFFの切り替え画面が表示
- 本体下部のプラスマイナスボタン:M1、M2、M3、Power 20W、Time OFF切替え
- 最初にPower 20Wを選択
- プラスマイナスボタンで、好みのワット数を設定
- 電源ボタンで確定、Time OFFへ移動
- プラスマイナスボタンで0.1~2.0秒まで設定
- プレヒートを使用しない場合Time OFFを選択
iStick Pico安全な使用の為のポイント
まずは、iStick Picoの使用上の注意点を、後半はその他の電子タバコにも共通の注意点を記載します。
- 25A以上のバッテリーを使用
- 対応範囲内でも限度近くの低抵抗はなるべく使わない
- 対応範囲内でも限度近くの高ワッテージはなるべく使わない
- バッテリーキャップはキツく締めすぎない
- 各種アラートが頻発するようであれば要注意
下限抵抗値は0.1Ω、最高対応ワットは75Wですが、やはり限界近くの低抵抗やワットは無理に使わないほうが無難です。
<そのほか電子タバコとも共通の注意点>
- バッテリー・本体の発熱時は使用を中止
- 充電中の通電ボタンは絶対NG
- バッテリーの傷には注意(被膜が破れたら使用しない)
- バッテリーは裸で持ち運びしない
※免責事項
本記事は、 Eleaf社のiStick Picoのマニュアルをベースに記事構成しております。バッテリーの選択、そしてACアダプター、USBケーブルなど個別の事由で不具合が生じる可能性は存在しています。メーカーは一定の公称値データを提供していますが、万が一を考えると多少ゆとりを持たせておいた運用が無難です。(EX.バッテリーは他社製のメーカーであり、実際の運用時の数値に誤差が生じる可能性もゼロでは無いなど)
iStick Picoは抵抗値0.1Ωまで、最大ワット75Wまで対応の機種ですが、0.2Ω以下の抵抗値や最大ワットに近しい出力での使用は基本的には推奨できません。そこまでの低抵抗やワット数を使わずともVAPEを楽しむことは可能です。本記事に記載の内容は細心の注意を払って記載をしておりますが、実際の機器の使用・選択は自己責任の範囲でご判断ください。
コメントを残す