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【社会】

同性パートナー、待遇平等に 介護休暇や住宅 都対応に遅れ

「同性パートナーの介護休暇などを認めてほしい」と訴える東京都職員=都庁で

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 同性パートナーを持つ東京都職員二人が十九日、配偶者がいる人に認められる休暇制度や福利厚生を得られないのは、都の人権尊重条例に反するなどとして、都人事委員会に改善を求める措置要求をした。性的指向を理由とした差別を禁じた同条例は、「共生社会の実現」をうたう二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向け、都が昨年定めたが、自らの対応の遅れを指摘される形となった。 (岡本太)

 二人は同性愛者の五十代の都立学校教員の男性と、法律上は女性だが自身を特定の性で認識していない四十代の職員で、ともに同性のパートナーと暮らす。

 措置要求では、結婚と同等の関係として慶弔や介護、育児に関する休暇や勤務上の配慮などを求めた。家族向けの職員住宅入居も認められないという。

 同日、都庁で会見した四十代の職員は「さまざまな休暇や福利厚生が私とパートナーには認められない。現実を目の当たりにするたび、他の職員と平等でないと感じる」と訴えた。

 昨年十月にできた人権尊重条例は、第四条で「都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」と定め、都道府県では初めてLGBTなど性的少数者への差別を禁止した。

 同性カップルについて、都人事部の担当者は「婚姻関係と同様の事情にあると公的に確認することが難しい」とする。

 同性パートナーを持つ自治体職員に配偶者がいる人と同様の休暇などを認める取り扱いは、千葉市が二〇一七年一月に全国で初めて開始。今年四月には神奈川県横須賀市や大阪市、福岡市などに広がった。

 会見に同席した上杉崇子弁護士は、都の取り組みが遅れている現状について「民間に比べて自治体は動きが鈍く、首長の意識にかかっている。来年の東京大会開催までには必ず実現してほしい」と話した。

 

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