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【高校野球】

関東第一散る 主将に涙なし ベスト4に関東勢なし5年ぶり

2019年8月19日 紙面から

関東第一―履正社 9回表関東第一2死一塁、長嶋が二ゴロに倒れゲームセット。一塁手内倉

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◇全国高校野球選手権<第12日> 履正社7-3関東第一

 履正社が逆転勝ち。1点を追う5回に、内倉の適時打で同点とし、西川の犠飛で勝ち越した。6回には井上が走者一掃の二塁打を放ち、突き放した。清水は2回以降はコースを突く丁寧な投球で抑え込み、3失点完投。関東第一は1回に平泉の3点本塁打で先制した後は、打線が的を絞れなかった。投手陣も踏ん張れなかった。

      ◇

 負けないキャプテンの夏が終わった。だが、ゲームセットを見届けた渋谷嘉人主将(3年)の顔に涙はなかった。「やり切った気持ち。悔いはない」。さわやかに敗戦を受け入れた。

 ここまで勝ち上がってきた機動力を封じられた。初回に平泉遼馬内野手(3年)の3ラン本塁打で幸先よく先制したものの、履正社はその先を許してくれない。「3点取ってどこか落ち着いた部分があったかもしれない」と渋谷。鋭い当たりはことごとく正面を突き、バッテリーミスに乗じて先の塁を狙うも逆に刺されるなど一枚上手の野球を見せつけられた。じわじわと追い上げられ、5回に逆転、6回に追加点を許す。米沢貴光監督(44)も「勝負しての失敗というウチらしさも出せたが、これ以上勝つには精度を上げないといけない」と振り返った。

 新チーム発足当初は主将の適任者がいなく、何人かで順番に務めたが最終的に練習試合の勝率が良かった渋谷が8月下旬に就任。「仲間の力が大きかった。『大丈夫だよ』『決まったんだから頑張れ』と優しく言ってくれた」と感謝するが、飛び抜けた選手がいない中でチームをまとめ、オコエ(楽天)を擁した2015年のベスト4まであと一歩に迫った。「甲子園は夢のような場所だった。大学でも野球を続けるつもりなので、人生においても大きな経験ができた」。負けないキャプテンが高校野球生活最後に味わった敗戦。全てを受け入れ、最後まで涙は見せずに聖地を後にした。 (川村庸介)

 

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