カスタマーレビュー

2019年7月26日
全ては語り切れないので、如何に知識がないか、ホンの一部を紹介する。

先ず、縄文時代に対する基本的知識がない。例えば、今から6500年前、岡山の朝寝鼻貝塚から熱帯ジャポニカ米を作っていた証拠、イネのプラントオパールが発見されていたことをご存じない。
弥生時代の記述もヒドイ。百田氏は日本では紀元前10世紀に水田稲作が行われていたことを知らない。
日本には銅鐸以外に鉄鐸があったことも知らない。
氏は、魏志倭人伝の時代、倭=日本 と勘違いをしている。その時代の倭とは、北部九州の国家群をさしていることを知らない。これでは、読む人も何も分からないだろう。
百田氏は科学的事実を確認していない。その最たるものが248年に「九州地方と大和地方でかなり大規模な日蝕が見られたのだ」(17)なる記述である。これは全くのウソ。ご自身で『古天文学への道』(斎藤国治・原書房)で確認願いたい。
未だに、和辻哲郎の銅鐸文化圏と銅矛文化圏があった、なる説を信じている。北部九州で銅鐸の鋳型や銅鐸か幾つも発見されている、という事実を知らない。ウソを読者に教えてはいけない。
朝鮮との関係を述べるなら、新羅の国王は日本から移り住んでいった人であり、その前史、朝鮮民族の文化の基礎を教えたのは日本から移り住んだ縄文人だった、即ち、半島に縄文時代もあったことを述べなければならない。これらの知識もゼロのようである。
また氏は、応神天皇は仲哀天皇の子でないと信じているようだが、古事記には仲哀天皇存命の時「すべてこの国は、皇后さまのお腹におられる御子が統治されるべき国である」と書いてある。誰かの本を読んで適当なことを書いているようであり、古事記で確認していない。
更に、継体天皇も皇統をつぐものではない、王朝が入れ替わっている、としている。無論、記紀にはそんなことは書いていない。記紀を読まず、勝手な推測で古代史を書いてはいけない。

切りがないのでこの辺で止めておくが、この章は間違いだらけ、いい加減が過ぎるので一から書き直して、出版し直すことをお勧めする。あまりにデタラメが多いのでその先を読む気は失せた。金と時間の無駄だった。
この本が、50万部も売れたとのこと、これで50万人の頭にウソが注入されたと思うと、罪深い本。百田氏に良心があるなら、返金かリコールにお応じて欲しい。
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