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【社会】

トリエンナーレ 不自由展問題に抗議、作家要請 8人展示 一時中止へ

 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった問題で、自身の作品の展示中止を求める声明を発表していた外国人作家九人のうち、八人の出展が二十日から一時中止されることが分かった。実行委員会がホームページ(HP)で明らかにした。

 九人の作品は不自由展とは別の展示に出されている。HPによると、展示を一時中止する八人のうち、二人は展示室を閉鎖、六人は内容を変更する。一人は対応を協議中という。

 実行委によると、九人は不自由展が再開されるまで、自身の作品の展示を中止するよう求めていた。

 芸術祭では韓国人作家二人が不自由展中止への抗議として出品を一時取り下げ。米国の報道機関の展示も中止された。

 芸術祭の芸術監督でジャーナリストの津田大介さんが十八日、高松市で「瀬戸内国際芸術祭2019」の対談企画に参加し「来場者を人質に取るような芸術、文化へのテロリストの要求に屈した」と述べた。

 冒頭で津田氏は「(中止に関し)情報発信が不十分との批判は理解しているが、公の場で話そうとすると現場に負担がかかってしまうジレンマがある」と語った。

 津田氏は中止の理由は三点あるとし、日韓関係の悪化、政治家の直接的な抗議、脅迫的な内容の電話が関係のない部署や協賛企業に殺到したことを挙げた。

 津田氏と対談したアーティストの村山悟郎氏は、あいちトリエンナーレに作品を出展。他の作品に関し事前に十分な説明がなかったとして「作家の知る権利が侵されている」と苦言を呈した。

 

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