世界初のハイブリッド芝! ”RWC2019決勝の地”日産スタジアムへ!!
2019年に開催されるラグビーワールドカップの決勝の地となる日産スタジアムで、今年6月芝生の全面張替工事が行なわれ、新しい芝生には、世界初となる「ヒーロー」ハイブリッドシステムと天然芝「セレブレーション」バミューダグラスを組み合わせた “カーペット型ハイブリッド芝” が使用されました。
弊社は、このハイブリッド芝の開発・育成業務とスタジアムでの張替工事に関わらせていただきました。
芝生の開発は足掛け3年間
芝生の仕様は、2017年7月横浜市のプロポーザル方式入札で弊社の提案が採用されたものです。
プロポーザルでは、2015年から国内各地でハイブリッドシステムと芝草品種の試験を重ね日産スタジアムの環境・利用条件にもっとも適したものを選定・提案しました。
採用された「セレブレーション」バミューダグラスは、耐陰性と回復力(成長速度)に優れた天然芝品種で、FIFAワールドカップ2014(ブラジル)の全12会場のうち5会場で採用された実績があります。
さらに、世界トップクラスのラグビーゲームに耐え得る芝生強度を確保するために、最新のカーペット型ハイブリッドシステム「ヒーロー」を組み合わせ、天然芝と人工芝が混在するハイブリッド芝としました。
埼玉県で育てたハイブリッド芝を横浜へ
ハイブリッド芝は昨年の8月から埼玉県の生産圃場で大切に育成をしました。日当たりの良い環境で育てられたハイブリッド芝は、生育旺盛な「セレブレーション」の特性もあり、わずか11ヶ月で強固な芝生に仕上がりました。
芝生はハイブリッド芝専用の機械でビッグロールとして切り出し、日産スタジアムへ輸送。
平年であれば6月と言えば梅雨の真っ只中ですが、今年は芝生の出荷期間(6月26日から7月2日)は連日30℃を超える真夏日! 雨天で工期が遅れることなく工事としては天候に恵まれましたが、作業に携わったスタッフは炎天下でホント大変でした・・・(汗)
いよいよスタジアムへ!
スタジアムの芝生張替工事は、元請・櫻井造園土木㈱さんの下で弊社も沢山の業者さんと共に既存芝の剥ぎ取りから芝張り・養生管理まで参加!
芝張り工に関しては、「ヒーロー」のメーカーであるHGST社(豪州)の協力のもと、インストーラー(ビッグロール敷設機械)を使用して幅1m長さ10mのハイブリッド芝をピッチ内に5日間(6月26日~30日)かけて丁寧に敷き詰めていきました。
ラグビーワールドカップ2019決勝の地、そして日本初のカーペット型ハイブリッドシステム導入ということもあり、スタジアムでは連日たくさんの視察・取材が行われ、いくつかのメディアの記事では、少々緊張の面持ちで作業する当社の芝張りチームスタッフの写真も紹介されていました。あの表情は、失敗は許されないという重責からか、それともカメラを意識しての緊張か???
忘れられない夏・・・
写真は、芝張り完了後2日目の状態です。芝生は既に地中に根を伸ばし、目地も塞がってきています。
7月13日にはスタジアムの指定管理者様に引渡し、7月28日のJリーグ試合(マリノスvsエスパルス)で利用再開となる予定です。
注目が集まる世界的イベントの舞台となる日産スタジアムの芝生ピッチ作りに関われたことは大変な名誉なことであり、係わった全てのスタッフが誇りに思っています。今回の経験を今後の業務に活かし更なる技術向上を目指したいと思います。
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左写真;生産圃場出荷チーム
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右写真;スタジアム芝張りチーム