今秋のドラフト上位候補で、「高校BIG4」で夏の甲子園大会に唯一出場した星稜(石川)の右腕・奥川恭伸投手(3年)が17日、智弁和歌山との3回戦に先発。延長14回タイブレークにもつれこんだ試合で23個の三振を奪って完投。3安打1失点の好投で勝利を導いた。
この日の奥川は序盤から150キロ台の直球を連発。3回に9番・綾原から見逃し三振を奪った時に甲子園大会での自己最速の154キロを記録した。6回に1-1の同点に追いつかれた上、延長11回の途中に右脚が軽くつるアクシデントに見舞われたものの一塁側ベンチで治療を受けて続投した。
チームにとっては昨夏の2回戦・済美(愛媛)戦に続く甲子園でのタイブレークに突入してからは2度の送りバントを三塁封殺で阻止する好フィールディング。2イニングを無失点にしのぎ、延長14回サヨナラ勝ちをお膳立てした。
校歌を歌いながら涙を流した奥川はその理由を「日本一を取ってくれと(智弁和歌山の)黒川主将に言われて込み上げるものがあった」と説明。「今日は絶対に一人で投げきるんだと思っていた。サヨナラ勝ちの瞬間は勝ったんだなと不思議な感覚でした」と激闘を振り返っていた。