延長14回になっても150キロ台の速球を連発し、23個の三振を奪った奥川。マウンド上では怖いものなしに見えるが、ユニホームを脱げば、金沢の学校に自宅から通学するごく普通の高校3年生。当然、怖いものはある。そのうちの一つが、意外にも「暗い場所」だという。
石川・宇ノ気中の修学旅行で東京ディズニーランドへ出かけた時のことだ。「メインのコースター3つに乗った覚えがあるんですけど、怖かった。特にスペースマウンテンは暗くて苦手なんです」。ちなみに、夏の定番・お化け屋敷も好きな方ではないそうだ。
日々の生活でも怖いものがある。何よりの好物で、普段の食事では家の人が釣り上げてさばいた刺し身を口にするという生魚だ。食あたりなどで試合に影響が出るのが「怖い」ため、試合の3日ほど前からは食べるのを控えるという。
取材中の雑談で、こういう話を照れ笑い交じりで教えてくれるドラフト候補右腕。マウンド上の雄姿だけでなく、グラウンドを離れた時の笑顔も何よりの魅力だ。(川越亮太)