歯科通信

抜歯後の注意一覧表

★ 歯科医師 東海林 克

むし歯治療の実際について その六

抜歯後の注意一覧表



1.
抜歯が終わると、ガーゼか脱脂綿を強く咬んでいるように言われます。これは、傷痕を圧迫して血を止めるためですから、10~20分間、強く咬んでいて下さい
2.
その間に傷痕は凝固した血液に覆われ、血が止まります。しかし、いつまでもガーゼを咬んでいると、口の中に唾液が溜まり、固まった血が溶けて、血が止まりにくくなります。
3.
その後数時間は、溶けた血が唾液に混じった状態が続きますが、気にしすぎて頻繁に唾を吐くと、かえって出血の原因となります。唾液に血が混じると、多量に出血していると錯覚しやすいのですが、ほとんどの場合、心配要りません。
4.
しかし、傷の上に血の塊が盛り上がってきたり、口の中が血の塊でいっぱいになるというような状態は異常出血ですから、至急歯科医に相談してください。


1.
抜歯当日は、なるべくうがいはしません。うがいによって固まった血がはがれたり、流されたりすると、止血しません。また、一度止まってから再度出血することがあります。
2.
翌日からは食後によくうがいをしてください。



1.
抜歯後の痛みは、抜歯する部位、歯の状態、病巣の様子などによって違いますが、2~3時間で治まるのが普通です。しかし、親知らずを抜いたときなどは、数日間痛みが続く場合もあります。
2.
痛みが強いときは、我慢せずに歯科医がくれた鎮痛剤を飲んでください。鎮痛剤のために治りが遅くなるということはありません。
3.
痛みや腫れがあって冷やす場合は、氷で直接冷やすのではなく、水道水で湿らせたタオルなどで冷やします。


1.
麻酔によるしびれが取れたら(2~3時間から数時間)、食事をとることができます
2.
刺激の強いものは避けますが、痛みがなければ普通の食事をとってかまいません。痛みがあるときは、状態にあわせ痛みが増さないようなものを適宜とります。


1.
抜歯後の傷にあらたな感染が起こることは、多くありません。しかし、もともとあった炎症が抜歯の刺激によって急性化し、痛んだり腫れたりすることがあります。
2.
抜歯後、すぐに激しい痛みや腫れ、出血が起こったときは、炎症の再燃、急性化が疑われますので、至急歯科医に相談してください。


  抜歯当日は、過激な運動、入浴、飲酒などをひかえます。抹消血管が拡張して、再度出血するおそれがあります。また、腫れや痛みが強くなることもあります。

2007年10月号 むし歯の治療の実際について(6)