今回は、実際の有料での見学ツアーの前半をリポートします。

開始

まず、ツアーの開始時刻までにウイスキー博物館に入ります。
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ウイスキー博物館は、ウイスキーの歴史やサントリーの様々な所蔵品が展示されていて、ツアー予約をしなくても見学可能です。
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ツアーの最初には、館内のモニターで白州蒸溜所の概要が紹介されます。

モルティングについて

hakushu05_白州蒸溜所では、大麦麦芽を加熱して成長を止めるモルティングを行っていません。

モルティングは、スコットランドにあるモルトスターに委託しており、必要となるピートの量などを注文しています。

モルトスターから送られた大麦麦芽は、蒸溜所にあるサイロに保管されます。

ただしツアーにおいては、実際に使われる大麦麦芽(ノンピートとライトピーテッドの2種類)と、モルティングで使われるピートを触り、香りの違いを体験できます。

仕込み(糖化)

モルティングされた大麦麦芽を砕き、そこに白州の天然水を温めて仕込み水を作り、そこに麦芽を入れて混ぜていきます。

すると、麦芽中の酵素が働いて、デンプンを麦芽糖に変え、甘みのある麦汁に変化します。

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発酵

麦汁に酵母を加えて発酵させ、アルコール分を抽出していきます。
発酵が終わると、アルコール分が7度ほどのもろみ(ウォート)ができあがります。
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発酵においては、アルミ製のタンクを使う蒸溜所もありますが、白州蒸溜所では木桶を使っています。
木桶を使う理由として、白州蒸溜所周辺が森林に覆われていることが挙げられます。
森林には多くの乳酸菌も生息しており、木桶にすることで乳酸菌が麦汁に浸透することが出来、酵母と共に乳酸発酵も行わせられるメリットがあります。
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お酒における乳酸菌発酵は、初期の状態では酵母による発酵を遅らせ、異臭を放つ原因にもなります。
しかし一定量発酵し、酵母が自ら生成したアルコールで死滅をし始めると、そこから出てきた脂肪酸を乳酸菌が食べ、甘い香り、フルーティな香りを持つラクトンを出すと言われています。
白州蒸溜所では、この個性を出す意味で、30年前から木桶を使っています。

見学当時は、ちょうど30年を経過した木桶が撤去され、新しい木桶が設置されていました。

続きは次回。