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【高校野球】

作新学院8強! エース林勇成、8回2死までノーノー快投

2019年8月17日 紙面から

8回途中まで被安打1の好投を見せた林=甲子園球場で(七森祐也撮影)

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◇全国高校野球選手権<第10日> 作新学院18-0岡山学芸館

 9年連続出場の作新学院(栃木)は18-0で岡山学芸館を退けて、優勝した2016年以来となる8強入り。エース林勇成投手(3年)は8回2死までノーヒットの快投を見せ、打線は19安打を放って投打で圧倒した。18日の準々決勝の相手は強打の中京学院大中京(岐阜)に決まった。昭和、平成に続いて3元号目となる令和での優勝に向かって勢いづいてきた。 

 29人目の打者にライナーで左前へと運ばれると、作新学院の林はちょっとだけ残念そうな顔を見せた。8回2死までノーヒットノーラン。あと4人で1998年の横浜の松坂大輔(現中日)以来の大記録だった。「7回ぐらいから頭にあった。もしかして…という気持ちはありました」。18点リードとあって、これでお役御免。7イニング2/3を1安打無失点、拍手を浴びて退いた。

 中学3年の夏、作新学院の日本一をテレビ観戦した。エース今井達也(現西武)を見て、作新進学の思いをより強くした。そのドラフト1位の先輩を、名物練習の量で越えた。八木沢荘六(元ロッテ監督)、江川卓(元巨人)らの時代からの伝統のトレーニング。宇都宮市内の通称「水道山」のおよそ130段の石段を上り下りする。1日50本をこなした今井に対し、林はそれを上回る60本。冬場と、右肩炎症で投球ができなかった3月後半からの2カ月、ひたすら水道山だった。「本当に鍛えられました」。甲子園を戦う体力、気力が身についた。

 ピッチングスタイルはインサイドをしっかり突いた今井が手本。6四死球を出しながらも、序盤から岡山学芸館打線の内角をついて踏み込ませなかった。ベースから離れて相手が当てに来ると、変化球でかわした。「球速はさほど出ないが、キレと制球力で勝負する。バックもよくもり立てた」と小針崇宏監督(36)。肩を痛めてから140キロ超の直球はなくなった。打たせて取ったこの日は、ショート石井、セカンド松尾らの好守にも助けられた。

 栃木県鹿沼市生まれ。ツール・ド・とちぎのご当地出身らしく、趣味は自転車。ロードバイクで走り回るのが夢だが、もうしばらくは野球。「きょうは四球が多かったので、ノーヒットとか以前に、次に向けてコントロールを見直したい」と林。栃木県勢は春夏合わせて100勝。このうち、39勝が作新学院で、小針監督は19勝目。あと3勝積み上げて、3年ぶりの日本一を勝ち取り、令和最初の夏を締めくくる。 (小原栄二)

◆準々決勝の組み合わせ

 作新学院は準々決勝(18日)の第2試合で中京学院大中京と対戦。第1試合は明石商(兵庫)-八戸学院光星(青森)。残る2カードは17日に決まる。

 

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