AGES (Aichi Gerontological Evaluation Study, 愛知老年学的評価研究) は、1999年に愛知県の2自治体との共同プロジェクトとして始まりました。高齢者ケア政策の基礎となる科学的知見を得る目的で、主に以下の3点に貢献してきました。
- 高齢者を対象とし、身体・心理・社会など多面的な視点から実証的な老年学的研究の推進
- 健康の社会的決定要因(social determinants of health, SDH)を解明する社会疫学研究の推進
- 介護予防政策の総合的なベンチマーク・システムの開発と地域介入の評価研究などを通した、「well-being(幸福・健康)の水準が高く、その格差の小さな健康長寿社会の実現」
2003年には3県15市町村において、要介護認定を受けていない高齢者約3.3万人、2006年には追跡調査に協力が得られた3県の10自治体で調査を実施しました。2010年から全国31市町村の約10万人に調査対象を拡張したのを契機に、JAGES (Japan Gerontological Evaluation Study, 日本老年学的評価研究) プロジェクトへと発展、2013年度には全国30市町村約14万人、2016年度には全国41市町村の約20万人のデータを収集しています。また、調査票の設計やデータの分析には、疫学だけでなく経済学や地域計画学など、様々な分野の研究者が関わっています。
1999年より約20年間に渡り、研究活動だけでなく市町村支援、政策提言、政策マネジメント支援システムの開発などに取り組み成果をあげてきました。この間、30を超える大学や国立研究センターなどの研究機関に属する研究者のネットワークによる任意団体として今まで活動してきましたが、今後一層の発展を期するため、私たちは2018年に一般社団法人 日本老年学的評価研究機構を設立しました。