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2019-08-17

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・いまの時期、なんでも暑さのせいにできそうだ。
 「これだけ暑かったら、しょうがないよ」とか、
 わりとイージーに思いやりあえるのではないだろうか。

 夏季休暇は、京都の暑さとおつきあいしていた。
 他の地域の人は「京都は暑いでしょ、盆地だから」と、
 地理の先生みたいなことを言いたがるのだけれど、
 ぼくの実感からすると、そういうものでもない。
 東京のエアコン室外機からの熱風やら、
 コンクリートの照り返しだとかの暑さのほうが、
 同じ温度でもつらく感じたりもする。
 特に、ぼくのいるあたりは田舎なので、
 山やら川やら、田んぼやらが見えているせいか、
 暑いのは暑いけれど夏なんだからしょうがないと思える。

 今回は、用事のたっぷりある京都滞在だったので、
 犬も連れてこられなかったし、散歩も省略して過ごした。
 お墓参りと食事以外では外出もほぼなかった。
 なんてのんきなことを言ってられるのは、
 いっしょにいる親方様がせっせと働いているせいで、
 彼女がやっているような家の仕事を、
 ずいぶんというか、ほとんど免除されているから、
 ぼくは暇そうにしていられるというわけだ。
 家事だとか片付けだとかについて、
 正直いえば、ぼくはまったく「山下さん」である。
 不得意で、下手で、やる気がなくて、じゃまなのね。
 この休暇中に、真剣な顔で過ごした時間は、
 野球観戦のときだけだった。
 あとは、こんなふうな、だらしのない文を書いているか、
 本を読んでいるか、目を閉じたり開けたりしているだけ。
 多少は、ふだん考えないようなことを考えたけれど、
 それも、なんだか磨きが足りない気がしてね…。

 暑さのせいにしていいかなぁ。
 明日から、またコンクリート製の暑さの地帯に突っ込む。
 もう覚悟しておかなきゃいけないな。
 いまいる、この田圃と小公園の場所と、
 表参道あたりが、ワープでつながらないかなぁ。
 リニアより先に、ワープトンネルができてほしい。
 都会と住宅と緑と水がくっつくのが最高なんだよなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
暑さのせいか、『キングダム』まで読みはじめちゃったの。


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