少子化と日本の当時の財政状況を考えると、予想がつきました。
世の中は、そのときよりも悪くなっていて、貧しくなっているように思います。
日本の経済を下支えしてきた町工場は、ほぼ壊滅しています。下町ロケットなどレアケースです。私は町工場地帯で育っていて、実家は町工場地帯「でした」が、もうほとんどの工場が、経営者が70代以上となり、引退もしくは撤退しています。したがって、もう技術承継は手遅れです。20年まえに対策開始し、10年前くらいまでに完了するべきでした。この技術消失分、日本のバリューは減衰していると思います。製造業軽視のつけはでかいだろうなと思います(数値的にはわからないですが)。
これら町工場は職人技で維持されてきたのであり、それが承継されていないということは、自然消失です。経済的に見て承継する価値があると判断する人がいなかったからだと思います。残念ながら私もその一人ですが。
下町ロケットを見、あれを見て町工場のせがれとして思うのは、もっとジミで下支え的なところにはまったく目をむけないでいるのにあれだけを美談扱いされるのは抵抗があります。
町工場は、きついきたないきけんの3K仕事ですが、そういう蔑視によってイメージが毀損されたことも、技術承継につながらなくなった遠因と考えます。
今から一から生産設備を買って(旋盤一台だけでも高いですよ)までやろうと思う人はそういない、ということが、答えなんだろうと思います。残念です。
要するに需要供給曲線の「需要」がなくなったから、価格が下がるというだけの話です。人口が減れば当然下落します。
一方で、都心部にリターンしてきているので、都心部は価格が維持されるも、その分、郊外・地方にしわ寄せがくるので、その下落は、たぶんこれから本格化するのだろうと思います。
団塊世代をみていると、利息で貯蓄がゴッポゴッポたまっていっていたように思います(その分借入金利も高かったですが)。うらやましいです。
しかし、「加工」がすでにできづらくなっている状況です。
ただ、要するには「付加価値」の付与が重要なわけですが、付加価値をつけるためには、「人」の知恵が必要であるところ、その基本となるのは、教育であるにもかかわらず、その教育が変化してきています。
私が懸念しているのは、いわゆる「ゆとり教育」というより、昨今みられる基礎学力付与の軽視、もっと上のレベルで言うと基礎研究の軽視です。
ものごとは「1+1=2」から始まります。これが真理です。真理の探究は、基礎研究の分野です。これが軽視されて、「1+1=3である!」ということにされてしまうと、社会生活が混乱します。
法律の分野では、そうなっちゃってるよなーと思うことが多々あります。私は法律しか知りませんですが、昨今の大学改革なんか見ていると、同じようなことが他分野でも起きつつあるんじゃないのかなと感じています。
「まじめに基礎から勉強する」ことが軽視されているのかなとも思います。
列島改造論以後、重厚長大なインフラ整備が進められてきました。
しかし、総合的な戦略が見えず、交通機関でいえば、地域の言うままの二重三重投資(空港・高速・新幹線)が行われ、かといってそれらが有機的に結合されているとは言えません(ヨーロッパを見ていると痛感する。ドゴール空港からはTGVで各地に直接アクセスできるが、日本ではそういうことはほぼできない)。
金をかけた割に便利になっていない、というのがそこにあります。
新幹線?荷物運べないでしょ?って感じなわけです。トラック運転手がいなくなること考えてんのかなと思います。
震災が起きると日本の国力は確実に衰退します。これからも起きるといわれています。
熊本地震でも思いましたが、震災からリカバーできるのだろうか、と思います。
住宅ローン問題とか毎度出てきていて、今回も出てきています。
かわいそう、がんばろう、絆だ!だけでおわっちゃうんですよねいつも。阪神のときもそうだった。そしてわりとさっさと風化する。
制度ちゃんと作って継続支援とか債務免除とか明確にせんとあかんちゃうんと思います(正味、ガイドラインしかない)。
そしてそのことを穴埋めするための原資をどうするか、というのが全然ないのも気になるんですね。かわいそうだけですすめるとこうなる。
以上のうちで、個人で能動的に対処できるのは④だけで、あとは①②③は経済情勢を見て自衛するという戦略しかとりえません。あとは国家政策の問題。
もう一つは、付加価値をどうつけるか、ということにとにかく注力してがんばるしかないんですね。これは自衛のレベルなのか、もっと能動的なレベルなのかよくわかりませんが、弁護士の仕事は攻撃というより守備なので、付加価値をつけるといっても、社会の発展に資するようなものではないとは思います(だから、社会全体の発展を考えれば、税金使って大学院つくって弁護士なんか増やしてもしゃあないやろと思ったりするんですけどね。どうでもいい話ですが)。
で、自分が60代になるまであと20年を切りましたので、そのときに、私が中学生の時に懸念した「半分くらいがホームレスになるかもしれない」という予測が、外れてほしいと本気で思っています。
そのためには、しがない一庶民は、地道だけど、いろいろ工夫していくしかないのと、無駄をなくしていくことしかないのだろうと思っています。
が、地道にやってても、震災ですべてを奪われるかもしれません。
介護問題でつらいことになるかもしれません。 日本が戦争にまきこまれるかもしれません。
なんか救いがないことを書いちゃいましたね。すみません。