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【社会】<つなぐ 戦後74年>天皇陛下 先の大戦「深い反省」 戦没者追悼式
終戦から七十四年を迎えた十五日、元号が令和となって初となる政府主催の「全国戦没者追悼式」が東京都千代田区の日本武道館であり、四千九百八十九人の戦没者遺族が、先の大戦で犠牲になった約三百十万人を悼んだ。参列予定者に名を連ねた遺族のうち、三割は戦後生まれ。今回初めて参列された戦後生まれの天皇陛下とともに、恒久平和と不戦の継承への思いを強くした。 (井上靖史) 陛下は皇后さまと参列し、「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」と述べた。戦争体験者や戦没者遺族の苦しみに深い理解と共感を示し、先の大戦について「深い反省」と述べてきた上皇さまの表現を、ほぼ引き継がれた。 台風10号の影響で参列を断念した宮崎県の遺族団(付き添い含め約六十人)など急きょ来られなくなった人もいた。当初、参列を予定していた遺族五千三百九十一人のうち、戦後生まれは千六百五十人(30・6%)で、初めて三割を超えた。戦後七十年だった四年前と比べ、人数、割合とも一・五倍に増えている。 遺族代表の森本浩吉(こうきち)さん(77)=横浜市=は追悼の辞で、風化を懸念しつつ「戦没者を追悼し平和を祈念する日だと全ての国民が胸に刻み、ご英霊に感謝し、しのんでいただく日々となることを望んでいます」と述べた。夫を沖縄戦で亡くした、この日の最年長遺族内田ハルさん(97)=東京都八王子市=は取材に「私たちのように悲しい思いをしている人がたくさんいる。戦争は絶対に、しちゃいけない」と訴えた。 追悼式で献花補助者を務めた前橋市の高校三年、浜田有咲(ありさ)さん(17)は取材に「上の人が決めて、国民もついていかなければならないのが戦争。民主主義とかの根幹が揺らぎ、人が傷つく。絶対にしてほしくない」と話した。曽祖父を二人、戦争で亡くしており、不戦の誓いを強く抱いている。 宮内庁によると、上皇ご夫妻は住まいの皇居・吹上仙洞御所で式典の様子をテレビで見守り、黙とうした。
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