1ターンの女たち

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私は1ターンの女である。

たとえば父が「旅行に行くならこれでお昼ごはんを食べなさい」とおこづかいをくれる。

妹はぜったいに受け取らない。

中1の姪っ子ですらぜったいに受け取らない。

私は…


もちろん断る。

 




1回は。


しかし1回断ったところで、父はお札を引っ込めてはくれない。



私「いいよ。私たちおこづかいをもらうような年なじゃないし」

父「いいから持っていきなさい」

私「あー、ありがとう」



もらうんかい!


そう、だって私は1ターンの女。


たとえばデートの支払いの場面。


私「いくらでしたか?私も払います」

相手「今日は別にいいよ」

私「ヘヘ。ありがとうございます!」




払えへんのかい!


そうよ私は、1ターンの女。

別名、すぐに財布をしまう女¥


実際に「あ、もらうんだ」「あ、払わないんだ」という顔をされることがしょっちゅうである。

え?あかんかったん?


本当は払いたくないの?


だってくれるんじゃないの?



という表情をしてしまう、1ターンの女。


こちらとしては、払うって言ってるんだからご厚意に甘えようという気持ちなのだが、どうやらその、言葉通りに受け止めるという行為が常識とはズレているらしい。


そもそも私はお世辞を真に受けるタイプである。

「若く見える」を真に受けて「若く見られても実際に若くなかったら意味ないじゃん!」と、本気で憤るような女である。

言葉の裏を読むなどという気のきいたこと、できるわけないではないかゲッソリ

いや、マジでわからんわ。

何ターンするのが正解よ?

3ターン?3ターン繰り返したら払ってもらっていいの?

いや、マジでわからんわ。教えて?エライ人キラキラ

ちなみに母も、1ターンの女である。

母プレゼンツの金沢旅行でも、1ターンのやり取りが連発する。

金沢の周遊バスにて。

私「細かいお金がないなら出しておくよ」

母「あるからいいわ」

私「あっそ」

レストランにて

母「私のぶんはこれで払っておいて」

私「いいよ。いらない」

母「あっそ。ありがとー」

ちなみに、非1ターンの妹と母のやり取りは以下の通りである。

母「これで払いなさい」

妹「いいわ」

母「いいからこれで」

妹「いいよ、払うから」

母「あっそう?じゃあ、ありがとう」

ちょっと長めの2ターン。妹強すぎるやろニヤニヤ

このように「誰が支払うか」のやり取りが簡潔に終わる1ターン乙女のトキメキ

1ターン乙女のトキメキ非常に効率的かつ清々しい行為ではないか。

これからは自分も1ターンで終わらせよう!と思った人も多いのではないだろうか。

他のみんなも、払う払わないのやりとりは1ターンで終わらせればいいのに。

いや終わらせるべきである。


と、1ターンについて考えさせられた金沢の旅であった。

ちなみに母もお世辞を真に受けるタイプである

私の母に会うことがあれば、その発言に十分に注意していただければ幸いだ。