西塚泰美先生はノーベル賞以上かも?

西塚泰美(にしづかやすとみ)先生の思い出
2004年11月5日の新聞に衝撃を受けました。ノーベル賞に最も近いと言われた西塚泰美先生(私が最も尊敬する科学者)が学会の最中に倒れ亡くなられたとのこと(1)。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の記載を以下に紹介します。【(1932年7月12日-2004年11月4日 )日本の医学者。生化学者。兵庫県芦屋市出身。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。元学長。文化勲章受章者。牛の脳細胞から、タンパク質リン酸化酵素であるプロテインキナーゼCを取り出すことに成功し、その機能を解析した。これにより、新たな細胞内の情報伝達系が解明され、癌化機構を初めとする様々な生命調節機構が明らかになった。この業績は、1991年に米国科学情報研究所(ISI)発表の論文引用頻度でベストテンの7位に挙げられるほど高く評価され、その後の生命科学の進展に多大な影響を与えた。】
 毎年、ノーベル賞の時期になると、「今年こそ・・」と関係者は期待されたと聞きます。これほどの学者が何故ノーベル賞を授賞されなかったのか?、ノーベル賞の選出には、「投票方式」があるそうです。同時受賞者が見つからなかったのかも知れない。ノーベル賞以外の賞はほぼ全て受けておられたそうです。
 本学は、理工系学部のない唯一の国立大でした。本学の吉原学長の旧制学校の同級生とのことで、理工系学部創設のアドバイザーになって頂きました。そのご縁で、専門の異なる私が先生にふれる機会を得ました。
1)1998年5月8日に、県企画課職員2名(長谷川氏)と、本学教官2名(早坂教授と私)で、理工学部構想の相談のために、神戸大学学長室を訪問しました。最初あまり時間がとれないと知らされており、30分くらいと覚悟していましたが、結局2時間近くまで相手をして頂きました。お話を詳細にメモし、スケッチ(2)。最後に、「私はタンパク質モデル合成を細々とやっています」とお話したところ、ニコニコと目を細めて嬉しそうに聞いてくれました。多分、意外な事だったのでしょう、理工系のない所からの訪問者としては・・。当時、「国のCOEプロジェクトのメンバーに入れてもらって研究しているが、評価が厳しくて、・・・」と申したら、「あべこべに文句を言ってやりなさい」と言われたのを思い出します。今、「タンパク質モデル合成」の最終目標の一つ、「分子量数万で一定のポリペプチドが、この小さな大学で出来た」とお話したら、どんなに喜んでくれたでしょう。

2)2001年7月5日:本学に来られ、午前中は理工系構想委員会にて、理工系設置に関するアドバイスをして頂きました。エネルギッシュに幅広い内容をお話をして頂きました(4)。午後には、学術講演「細胞同士の対話の仕組み」をされ、「発ガンプロモーターとホルモンの関係」などを話されました。異分野の聴衆しかおらず、もったいないようなお話でした。ロックフェラー大学で、「近くの部屋にいた大学院生のメリフィールドが、タンパク質モデルを合成していたのを見ていた」というような事を言われました。メリフィールド(R. B. Merrifield)とは、1984年にタンパク質モデルの固相合成法でノーベル化学賞を受賞した化学者ではないか」と、びっくりしました。講演中、眼鏡をとって笑うと、目がなくなるような人懐っこい少年のような顔になられました(3)。講演中には、御自分の少年時代の写真をスクリーンに映され、悪戯っぽく笑われました。
 ようやく理工学系のコースができて3年経過。時代が変わり、先生のアドバイスは果たしてどこまで反映できたのか、悔しくも自問自答の日々です。

(4)会議にて
画像


(3)御講演中
画像


(2)神戸大学長室にて
画像


(1)新聞
画像


最後まで見てくれてありがとう♪
★ 1日1善、応援のクリックをお願いしま~す!
   ↓   ↓
  • 人気ブログランキングへ


  • この記事へのコメント

    2007年12月05日 05:31
    突然のコメントで失礼いたします。
    ブログを拝見させていただきまして、是非とも協力をして
    いただきたくコメントという形で、ご連絡をいたしました。
    当サイトは「ブログで繋がるコミュニケーション」をテーマに
    参加していただくブロガーの皆様を幅広く募集をしています。
    ランキングを楽しんだり、さまざまなブログを拝見したり、
    ブログを持っている方々のコミュニケーションの、
    一つの引き出しとして、その場を提供したいと考えています。
    当サイトの検索バーの横にブログの登録フォームがあります。
    お手数をおかけいたしますが、ご賛同いただいて、ブログの登録を
    御願いできれば幸いでございます。
    是非、御願いします。こちらのサイトです。
    http://www.p-netbanking.jp
    なお、こちらのミスで謝って、再度、ご連絡をした場合。
    また、全く興味のない方は削除されてください。

    この記事へのトラックバック