津田大介さん、ご多用のところ丁寧なご説明をされ、お疲れさまでした。
内容についての違和感はありませんが、記事の詳細につき、経緯は別としてお伺いしたいことが多数あるため、僭越ながらコメントにて質問させていただきます。
1) 大村秀章愛知県知事とは、「不自由展」前にどのような話し合いが行われ、大村知事からの批判にはどのようにお応えされるお考えでしょうか。
大村知事は「美術監督(である津田大介さん)の責任である」と記者会見で明言していますが、その津田大介さんを美術監督に選任した責任者の一人は大村知事本人であり、本来であれば人選を行った大村知事もまた、責任を逃れることはできないと思います。
また、津田大介さんを美術監督に選任した過程については、もう少し詳しく経緯を記していただきたく存じます。
津田大介さんのお考えをお聞かせください。
2) 「不自由展」においては400万円ほどの予算しか使っておらず、残りは寄付で費用を賄ったと津田さんはお話をされていました。
一方、津田大介さんは「あいちトリエンナーレ」全体の美術監督であり、美術品展示に関する全体的な予算を統括できる権限を持っていました。むしろ、全体規模を考えれば「不自由展」は不思議なほどわずかな予算しか使わずに開催されているように見えます。この「不自由展」以外の活動では、どのような展示費用・報酬をアーティストに支払ったのでしょうか。
すでに出展している作家らなどが多数展示中止を求めているという話もあり、予算の件も含めていかなる説明をされるご予定かお聞かせ願えませんでしょうか。
もちろん、津田さんが「美術監督を辞任せず、最後まで務めあげることをもって責任を取る」という方針であることは支持します。
3) 一部動画において、津田大介さんはキュレーターたちがすでに選定していた美術作品の一部を展示見送りとし、作品展示において芸術家を男性と女性とで半数ずつとする決断をされた、というニュアンスのお話をされていました。毎日新聞では記事にもなっています。
https://mainichi.jp/articles/20190509/k00/00m/040/322000c
津田さんは「最終的に僕は出展者である不自由展実行委の判断を尊重」とされていますが、実際には作品掲載のテーマ設定から作品の選出まで、他のキュレーターが決定した作品展示を直前になってひっくり返したのではないかと見受けられますが、如何でしょうか。
個人的には作品展示については作家の性別を男女同数とする決定を行った津田さんを支持するものです。しかしながら、美術界隈に関してはギルド的な側面も強く、女性だから、男性だからという分類が適切であったかについてどこまで議論されてきたのか外側からは分かりません。
4) 津田大介さんは本件釈明文の末尾において「 今回のことは日本が自国の現在または過去の負の側面に言及する表現が安全に行えない社会となっていることが内外に示され」たと結んでいます。一面において、津田さんのご指摘についてはもっともであり、意義があったとも感じます。
素朴な疑問なのですが、津田大介さんにとって、昭和天皇の御真影を焼くことは日本の現在や過去の負の側面に言及する表現だったのでしょうか。昭和天皇が負の側面なのでしょうか。あるいは、昭和天皇の写真を焼くことが負の側面なのでしょうか。これらの表現によって、いかなる日本の負の側面を描き出そうとされたのでしょうか。
本件については、アドバイザーであった東浩紀さんとの対談の中で、津田大介さんご自身が天皇の御真影を扱うことを明言しておられました。なお、この動画についてはなぜかニコニコ動画で動画自体が削除されてしまったのか検索から見えなくなっています。
5) 「不自由展」の再開についてお伺いしたいのですが、 残り60日ほどとなった残りの開催期間において、主催者や第三者委員会から再開について問題ないとされた場合は、これを再開する意図はありますでしょうか。
あるいは、再開を認めない、とされる場合に、「不自由展」の再開を求めて何らか声明を出されたり、主催者の決定などに異議を示されることはお考えでしょうか。
簡単ではありますが、津田大介さんが書かれた経緯説明では判然としない重要な点が多々残されていると思いますので、差し支えない範囲内でご回答を賜れますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
(追記)
・親切な方から、東浩紀さんとの動画は有料会員のみであるとのお話を頂戴しました。
https://live.nicovideo.jp/gate/lv319417508
一方で、問題となる部分を引用し切り取った動画がニコニコ動画やYouTubeにも掲載されていましたが、なぜかドワンゴによって権利主張され動画が削除されています。
老婆心ながら、津田大介さんがなぜ天皇の御真影を焼くアートを掲載するにいたったかの真意を知る重要な発言が含まれている以上、これらの動画については客観的な検証を可能とするよう削除しないほうが良かったのではないか、と思います。
・キュレーターの関係者の方から、津田大介さんの説明では語られていない重要な部分があるというお話を頂戴しています。確かに、津田大介さんの「お詫びとご報告」記事を拝見していて、日時、会議参加者といった、5W2Hがあまり記述されていないところが気になりました。
具体的にどの美術品が誰の手によっていつ展示決定されたのか、といったあたりがもう少し分かりやすいと津田さんのお話を受け止めやすいと思うのですが、如何でしょうか。
・このコメントでの質問とは別に、8月9日16時51分に津田大介さんと所属先のメールアドレス向けに質問メールをお送りしていますが、返答を頂戴していません。問題ない範囲内でご見解を折り返し頂戴できれば幸いです。