2019年07月28日
その48神の光・脱出
「ああ、今日仕事に出かけるのが不安だ。仕事が終わったら急いで帰るよ。」
哲学青年は不安がる。私はベッドで喘息が始まった。哲学青年の部屋は掃除しても掃除してもホコリが無くならない。この一週間、薬が飲めないだけでなく寝不足、水分不足、栄養失調が身体をむしばんだ。部屋は埃だらけにカビに換気しない空気、窓はシャッタ―で陽の光を遮断している。
「職場の掃除してくれる便利な人誰かいないかなあ。」
そういって哲学青年は出勤した。もはや私の存在は性欲と家事や掃除する人でしかないのだ。私には未来が無いのだ。それが運命なのだ。暗い道しかない。その直後私の心臓が苦しくなった。急に断薬されたことにより、心臓にショックがきたのだ。どうしよう。哲学青年に連絡したら、後で八王子の魔術師の医者に連れて行ってくれるそうだ。いや、もう、もたない。死んでしまう。
その時だった。閉め切った暗い部屋に神の光が突然射した。アパートのドアを開けると、世界中が逃げろと叫んだ。哲学青年から逃げる?そんなの嫌だ。裏切りになる。哲学青年、魔術師の医者、教会の人々みんなを裏切ってしまう。
しかし命は一刻を争う。死んではいけない。私は生きるためにアパートを出た。携帯電話で家族を呼んで大通りまで車で来てもらった。荷物は全て片付け、聖書とドライヤーだけ残した。2016年8月29日午前9時ごろだった。
実家に逃げて急いで薬を飲んだ。脱水症状と栄養不足なので父がローストチキンを作ってくれた。携帯電話はわざと電源を切った。明るく清潔な部屋、清浄な空気、一体私は一週間何処にいたのだろう。私は錯乱状態だった。
午後6時に携帯電話の電源を入れたら哲学青年から大量なメールが来ていた。しかしメールは返答できない。これでまた事件がおきたらいけないし、第一私がまともな状態じゃないのだ。私は無言を貫いた。
これで哲学青年との恋は終わった。2か月ももたない関係だった。私は重度のPTSDになった。この後の話は最重度のPTSDからPTGに変化する過程を書いていきたい。